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お知らせ

年頭のご挨拶

2018年1月5日掲載


明けましておめでとうございます。

昨年中は、皆様におかれましては日印協会をご支援ご鞭撻いただき、まことに有難うございました。お陰様で、本年は日印協会設立115周年を迎えることができました。


昨年9月の安倍総理のインド・グジャラート州訪問は、ムンバイ・アーメダバード間の日本式新幹線の起工式が挙行されたことに象徴的に表れているように、日印間の経済・文化・人的交流を一段と推進する多くの合意がなされました。

両国は、ここ数年間、デリー・ムンバイ産業大動脈、貨物新線の建設、大都市における日本式地下鉄の建設などの大規模なプロジェクトを推進し、また民間投資の促進などに努め、多くの成果を上げてきました。

最近では、科学技術協力や文化面での協力も進んでおりますが、9月の日印首脳会談においては、人づくりや人的交流の重要性を強調したことが歓迎されます。両首相のイニシャティブにより両国は、「日本式モノづくり学校」の建設、インドにおける日本語教育の拡充(日本語講座の開設、日本語教師の養成など)、若者の日本招聘、スポーツ交流、両国間の航空の自由化(オープン・スカイ政策)、双方向の観光の振興(ビザの緩和など)につき、今まで以上に積極的に取り組むことになりました。

外交の面でも安倍総理が提唱してきた「自由で開かれたインド太平洋戦略」とモディ首相発案の「アクト・イースト(東方戦略)」の融合が確認されました。11月に訪日したトランプ大統領も、この構想に積極的に関与することを表明しました。東南アジアやオーストラリアからも歓迎されましたので、この構想は、太平洋とインド洋を大きく結ぶ日本発の大型国際戦略に成長したわけです。

我が国は北朝鮮の脅威にさらされ、またインドも隣国との関係で緊張を強いられておりますが、双方とも経済は順調に進展し、国際的な地位や影響力は高まりつつあります。日印間は精神的な絆を基礎に、外交・安全保障協力、経済面での多くの協力に加え、国際的な諸問題解決のための貢献を推進しつつあります。2000年8月に私が訪印した際に打ち上げた「日印グローバル・パートナーシップ」は、今や「特別・戦略的・グローバル・パートナーシップ」と形容詞が3つも付いた特別な関係に育ってきました。まことに感慨深いものがあります。

本年も、以上のような進展に勇気づけられて、日印両国は関係を拡大深化することになるでしょう。日印協会といたしましても、115年の積み重ねを基礎に、両国民の友好と相互理解の増進に努めてまいりたいと存じます。