お知らせ

元駐ネバール日本大使による仏教のルーツに関する書を紹介します。

2016年8月25日掲載


元駐ネパール日本大使の小嶋光昭氏が、インドの出版社Nirala Publicationsからお釈迦様(シッダルタ王子)の生涯と仏教の誕生について、The Mystery Over Lord Buddha’s Roots (ブッダのルーツのミステリー)を上梓しました。現在はネパール領内にあるブッダ誕生の地ルンビニとそこを中心としたシャキア王国(中心はカピラヴァストゥ城)の当時の模様、さらには仏教成立の経緯とその後の状況につき、著者自身が訪れて観察した印象に加え、数世紀経ってから同地を訪れた二人の中国のインド求法僧、法顕(西暦337-422)の「仏国記」および玄奘(西暦602-644)の「大唐西域記」からの叙述を交えて記した考古学的な紀行文ともいうべきものです。著者は、さらに、シャキア王国をめぐるその後の状況や両親(シュッドーダナ王とマヤデヴィ王妃)およびついには弟子となる兄弟や王国の人々との葛藤、仏教が滅亡したシャキア王国のあった地域を後に支配するに至ったモーリア王国をも感化し、特に第3代のアショカ大王によってインドおよびアジア各地に広められた逸話に言及し、叙事詩的な色彩をも持たせています。最後に、筆者は、仏教がガンジーをはじめ今日のインドの非暴力主義と平和尊重へと続く系譜について、触れています。
本書は、元外交官による仏教誕生とその歴史・地理に関する興味深い考察であり、英文で書かれた貴重な書と言えましょう。
日本では販売していませんので、Amazon. comなどのネット・ブックショップの他、ご関心のある方は、下記にご照会くだされば購入が可能となります。      (日印協会理事長・平林記)

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