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日印関係最新情報

月間インドニュース(2020年10月)

2020年11月20日掲載 NEW!



1 内政
【連邦政府/連邦議会】
10月8日:ラームヴィラス・パスワン消費者・食糧公共配給大臣が、デリー準州の病院において死去した。(享年74歳、人民の力党(LJP)所属上院議員)。また同日、ゴヤル鉄道兼商工大臣が、消費者・食糧公共配給大臣の兼務を命じられた。
10月20日:モディ首相は国民向け演説を行い、これから祭りの季節を迎えるに当たって2フィートのソーシャルディスタンス確保、手洗い、マスク着用等これまでの予防措置を改めて徹底するよう呼びかけた。

【選挙管理委員会(Election Commission,EC)】
10月13日:選挙管理委員会は、11月25日に任期満了を迎えるウッタル・プラデシュ州選出上院議会10議席及びウッタラカンド州選出上院議会1議席の選挙を11月9日に実施すると発表した。

【ジャンム・カシミール(JK)準州】
10月13日:2019年8月以降拘留状態にあったメフブーバ・ムフティ人民民主党(JKPDP)党首(元JK州首相)が釈放された。同党首は、釈放後に発出したビデオメッセージで、元JK州の市民は8月5日の強奪と屈辱を忘れない、中央政府が我々から違法かつ非民主主義的に奪ったものを取り返す必要があるなどと述べた。
10月15日:人民民主党(JKPDP)のメフブーバ・ムフティ党首(元JK州首相)、JK民族協議会(JKNC)のファルーク・アブドゥッラー党首(元州首相)及びオマール・アブドゥッラー元州首相(ファルーク党首の息子)等のJK主要政党による会議が開かれ、JK州としての特別地位復活のため、「グプカル宣言のための人民同盟(People’s Alliance for the Gupkar Declaration)」の立ち上げを決定した。
10月26日:内務省は、JK州時代の州法の無効化及びJK準州への連邦法適用を実施する通知(UT of Jammu and Kashmir Reorganisation (Adaptation of Central Laws) Third Order、 2020)を発出した。これにより、JK準州以外の者によるJK準州の土地取得が可能となる。

【ビハール(BR)州】
10月3日:野党連合を率いる国民人民党(RJD)のテジャスヴィ・ヤーダヴ党首は、友党との共同記者会見において、次期BR州議会議員選挙では自身が次期州首相候補となると発表した。また、州政権として選出されれば公務員100万ポストをBR州の若者に割り当てると述べるとともに、現BR州政権は失業と貧困問題の対応に失敗しているとして批判した。
10月4日:人民の力党(LJP)は、人民党統一派(JDU)とのイデオロギー的な対立を理由として同州におけるJDU及びインド人民党(BJP)との国民民主同盟(NDA)連合から脱退すると発表した。一方、BJPとの確執は全くなく、中央政府においてはNDA連合の一員としてBJPを引き続き支持すると発表した。
10月12日:クマールBR州首相は、デジタル選挙運動での初の演説において、人民党統一派(JDU)が州政権に就いた2005年以前と現在のBR州の発展・整備状況を比較し、次期州政権として選出されれば発展をさらに推し進めるとして、開発分野における実績を強調した。
10月17日:国民人民党(RJD)率いる野党連合は、BR州議会議員選挙を前に、100万人の雇用創出、農業従事者の債務免除など25項目から成るマニフェストを発表した。
10月21日:人民の力党(LJP)は、BR州議会議員選挙を前に、若者の活躍及び教育・保健・治安・雇用など多分野にわたる改善を謳ったマニフェストを発表した。
10月22日:シタラマン財務大臣は、BR州議会議員選挙を前にパトナにおいて、BR州住民への新型コロナウイルスワクチン無料化などを謳うBJPのマニフェストを発表した。
10月23日:モディ首相は、BR州議会議員選挙前の選挙キャンペーンに初めて参加し、1990年代の国民人民党(RJD)州政権下での統治を「失政」と批判し、現在のNDA連合による統治下で州民は「新たなBR州」を目撃していると述べ、主に治安面における生活の変化を強調した。
10月28日:3フェーズにかけて実施されるBR州議会議員選挙の第1フェーズの投票が実施された。投票率は54.36%(速報値)で、前回2015年時の54.75%とほぼ同様。

【パンジャブ(PB)州】
10月20日:PB州政権は臨時議会を召集し、中央政府が可決した農業関連3法の内容を同州において拒否するとの決議を可決するとともに、最低支持価格(MSP)以下での農業関連取引の禁止などを含め連邦法を無効化する農業関連4州法を、全会一致で可決した。

2 経済
10月9日:インド準備銀行(RBI)は10月7~9日の3日間にわたって行われていた金融政策決定会合(MPC会合)の結果を公表した。
<ポイント>
(1)政策金利(レポ・レート)は4.00%で据え置き。リバースレポレートも3.35%のまま据え置き。
(2)消費者物価指数インフレ率は、2020年度第2四半期に6.8%、2020年度下半期で5.4-4.5%、2021年度第1四半期で4.3%と予測され、リスクはほぼバランスが取れている。
(3)2020年度の実質GDP成長率は▲9.5%、2020年度第2四半期は▲9.8%、第3四半期は▲5.6%、第4四半期は+0.5%、2021年度第1四半期+20.6%となると予想。

10月12日:シタラマン財務大臣は、新型コロナウイルスに伴う経済対策第3弾として、需要喚起のための新たな経済対策を発表した。
<ポイント>
(1)今回の経済対策の事業規模は、最大1兆ルピー超となる見込み。これまでに公表された経済対策(事業規模20兆ルピー)と比較して、規模は小さい。
(2)今回の対策の狙いは、新型コロナウイルスにより収縮した消費需要の喚起。政府は今回の対策の背景について、過去2回の対策により貧困層や社会的弱者のニーズに応え、供給制約は解消に向かっているものの、消費需要はいまだ収縮していると説明。
(3)今回の対策は消費刺激策と資本的支出刺激策の2本柱からなり、それぞれ2つの施策が含まれている。
・消費刺激策としては、①コロナ禍で休暇旅行に対する補助制度(LTC)を利用できない政府職員へのLTC制度の現金化、②政府職員への1万ルピーの前払金の付与が盛り込まれ、最大計6400億ルピーの事業規模となる見込み。コロナ禍で貯蓄を積み増している政府職員や正規労働者の支出を促し、需要を喚起する。
・資本的支出刺激策としては、③地方政府に対する無利子ローンの提供と④中央政府の資本的支出予算の増額を盛り込み、中央・地方合わせて計3700億ルピーの事業規模となる見込み。政府は、資本的支出は高い乗数効果を通じて将来の生産能力を向上させ、高い経済成長率をもたらすと説明。
(4)今回の対策は、需要の先取り策が過半を占めることから、事業規模に比して新たな財政支出は抑制されており、エコノミストの試算によると、対策に伴う中央政府の支出は4100億ルピー(対GDP比0.2%)程度にとどまる見込み。

3 外交
【印米関係】
10月26-27日:ポンペオ米国務長官及びエスパー米国防長官が訪印し、第3回米印外務・防衛閣僚会合(2+2)が開催された。

【印露関係】
10月7日:インド外務省は、モディ首相がプーチン露大統領と電話会談を実施した旨発表した。

【印パ関係】
10月17日:現地メディアは、ジャイシャンカル外相が、「パキスタンからのテロは、パキスタン政府により、正当な政策として公に認められ続けている。これにより、(インドとパキスタンの)正常な関係を実施することが困難とされている。」と述べた旨報じた。
10月20日:現地メディアは、シーク教創始者であるグル・ナーナクの生誕551周年に際して、パキスタン政府がインドのシーク教徒を生誕551周年記念式典に招待した旨報じた。同式典は、パキスタンのナンカナ・サヒブにおいて11月27日から3日間にかけて開催される。
10月30日:現地メディアは、パキスタン政府閣僚が、2019年2月にJKのプルワマで発生したテロ攻撃に関するパキスタン政府の責任を認めた旨報じた。

【印・ネパール関係】
10月15日:現地メディアは、オリ・ネパール首相が14日の内閣改造でイシュウォル・ポクレル副首相兼国防大臣を内閣メンバーから排除した旨報じた。ポクレル副首相はオリ内閣の中で最も反インド派の1人であり、今回のポクレル副首相の離任は印との関係修復のための印への配慮した動きであった模様。

【印・韓国関係】
10月21日:インド外務省は、モディ首相が文在寅・韓国大統領と電話会談を実施した旨発表した。

【印・ミャンマー関係】
10月4日-5日:ナラヴァン印陸軍参謀長とシュリングラ印外務次官は、ミャンマーを訪問した。
10月16日:現地メディアは、近日中に、インド政府がミャンマー政府に対して潜水艦を供与する旨報じた。

【印・イスラエル関係】
10月5日:インド外務省は、モディ首相とネタニヤフ・イスラエル首相が電話会談を実施した旨発表した。
【印・アフガニスタン関係】
10月6日-10日:アブドゥッラー・アフガニスタン国家和解高等評議会議長が訪印し、モディ首相、ジャイシャンカル外相、ドヴァル国家安全保障担当補佐官等と面会した。

【印・ポルトガル関係】
10月14日:インド外務省は、ジャイシャンカル外相がポルトガル外相とテレビ会談を実施した旨発表した。
【印・トルクメニスタン関係】
10月15日:インド外務省は、コヴィンド大統領がグルバングルイ・ベルディムハメドフ・トルクメニスタン大統領と電話会談を実施した旨発表した。

【印・モロッコ関係】
10月22日:インド外務省は、ジャイシャンカル外相がナッセール・ブリタ・モロッコ外相とヴァーチャル外相会談を実施した旨発表した。

【印・ギリシャ関係】
10月29日:インド外務省は、ジャイシャンカル外相がニコス・デンディアス・ギリシャ外相とテレビ会談を実施した旨発表した。

【印・国連関係】
10月23日:インド外務省は、インド通信省が国連創設75周年を記念する記念小切手を発表した旨発表した。

4 日印関係
10月6日:茂木外務大臣は、ジャイシャンカル・インド外務大臣、ペイン・オーストラリア連邦外務大臣、ポンペオ米国国務長官と第2回日米豪印外相会合を実施した。
10月7日:茂木外務大臣は、ジャイシャンカル・インド外務大臣との間で第13回日印外相間戦略対話を開催した。
<今月の注目点1:第2回日米豪印外相会合>

10月6日、午後5時15分から約3時間、茂木敏充外務大臣は、訪日中のマリズ・ペイン・オーストラリア連邦外務大臣、スブラマニヤム・ジャイシャンカル・インド外務大臣、マイク・ポンペオ米国国務長官と第2回日米豪印外相会合及び夕食会を行ったところ、概要は以下のとおりです。

1.四大臣は、新型コロナウイルス感染症の発生・拡大後、初めて日本で行われる閣僚レベルの国際会議となった第2回日米豪印外相会合の開催を歓迎しました。
2.四大臣は、新型コロナウイルス感染症の発生・拡大に伴って顕在化した諸課題への対応について意見交換を行い、保健・衛生分野やデジタル経済など新たな国際ルール作り等の課題について引き続き連携していくことを確認しました。
3.四大臣は、「自由で開かれたインド太平洋」は地域の平和と繁栄に向けたビジョンであり、ポスト・コロナの世界において益々その重要性を増しているとして、その実現に向け、より多くの国々へ連携を広げていくことの重要性を確認しました。この関連で、四大臣は、ASEANの一体性及び中心性とASEAN主導の地域枠組みに対する強固な支持を再確認するとともに、「インド太平洋に関するASEANアウトルック」に対する全面的な支持を再確認しました。また、「自由で開かれたインド太平洋」に対する欧州を始めとする各国の前向きな取組を歓迎しました。
4.四大臣は、「自由で開かれたインド太平洋」を具体的に推進していくため、質の高いインフラ、海洋安全保障、テロ対策、サイバーセキュリティ、人道支援・災害救援、教育・人材育成を始め様々な分野で実践的な協力を更に進めていくことで一致しました。
5.四大臣は、北朝鮮、東シナ海・南シナ海を始めとする地域情勢についても意見交換を行いました。
6.四大臣は、今後、この外相会合を定例化するとともに、来年の適切なタイミングで次回の会合を開催することで一致しました。

<今月の注目点2:第13回日印外相間戦略対話>

10月7日、午後0時30分頃から約75分間、茂木敏充外務大臣は、日米豪印外相会合出席のため訪日中のジャイシャンカル・インド外務大臣との間で日印外相間戦略対話を開催したところ、概要は以下のとおりです。
1.冒頭
 茂木大臣から、ジャイシャンカル外相の訪日を歓迎した上で、本日は13回目を迎える日印外相間戦略対話を対面で実施する機会であり、率直な意見交換を行いたい旨述べました。また、茂木大臣は、インドとの戦略的関係を重視しており、「日印特別戦略的グローバル・パートナーシップ」を更なる高みに引き上げるため、ジャイシャンカル外相とも引き続き連携していきたいと述べました。
 ジャイシャンカル外相から、茂木大臣の誕生日についての祝意が述べられた後、前日の日米豪印外相会合や本日の日印外相間戦略対話をはじめ、ホスト国としての調整への謝意表明があり、茂木大臣と連携しつつ、日印関係を更に強化していきたい旨述べました。
2.二国間関係
 両外相は、政治・安全保障、経済・経済協力等につき幅広く意見交換を行いました。茂木大臣から、コロナ対策として、8月末にインドに対する500億円の緊急支援借款、及び、医療機材供与を目的とする10億円の無償資金協力に関する交換公文が署名されたことに言及しつつ、これらの支援が、新型コロナ対策を含むインドの保健・医療体制の強化に寄与することを期待する旨述べ、これに対してジャイシャンカル外相から謝意表明がありました。
 両外相は、ASEAN諸国や南西アジアなど第三国における日印協力を進めていくことや、高速鉄道事業を着実に進展させていくことの重要性も改めて確認しました。
3.地域情勢及び国際情勢
 両大臣は、「自由で開かれたインド太平洋」の実現のための協力につき、幅広い意見交換を行い、インドが進めている「インド太平洋海洋イニシアティブ」を含め、引き続き連携を強化していくことを確認しました。
 両大臣は、北朝鮮情勢についても意見交換し、茂木大臣から、拉致問題の早期解決に向けた理解と協力を求め、ジャイシャンカル外相の支持を得ました。
 茂木大臣より、安保理非常任理事国選挙でのインドの当選に祝意を表し、両大臣は、安保理改革の早期実現に向けても協力していくことを確認しました。