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日印関係最新情報

月間インドニュース (2023年6月)

2023年8月1日掲載



1 内政
(中央政府及びBJP)
●8日、ジャイシャンカル外相は、モディ首相就任9周年を記念し、モディ政権下の外交上の成果を振り返ることを目的とした記者会見を実施した。
●8日、ジャイシャンカル外相は、2024年連邦下院総選挙に向け、デリー市内でアウトリーチ・プログラムを実施した。同外相は、デリー準州の全7下院選挙区の内4選挙区(ニューデリー、デリー南部、北西部、及び西部)を担当し、今後1カ月ほどをかけて各種選挙キャンペーンを行う予定。
●20日付、当地メディアは、モディ政権が2024年総選挙に向け、主要な福祉プログラムの実施期限の前倒しを計画している旨報じた。現行の主要な福祉政策としては、約1億の低所得層世帯を対象とした医療費用負担計画である国家健康保護スキーム(Ayushman Bharat)の対象を1億7000万世帯に拡大する動きや、首相農民基金(PM-KISAN)受給資格者を3300万人程度拡大する動きなどがある。
●22日、BJPマイノリティー部は、2024年総選挙に向けたアウトリーチ・プログラムの一環として、モディ首相の取り組みを好意的に受け止めるマイノリティー・コミュニティーに対し、証明書を配布する活動を開始、手始めにデリー市内の150名ほどのムスリムに対し、モディの友(Modi Mitra)証書の授与を行った。
●28日付、当地メディアは、庶民党(AAP)とシブ・セナ・タークレー派が、中央政府が計画する統一民法(UCC)の導入を原則的に支持すると述べた旨報じた。
(野党)
●7日、地域政党「ジャナタ・ダル (統一派)(JDU)」が記者会見を行い、2024年総選挙における対BJP戦略を議論するための野党党首会談を6月23日に実施する旨発表した。
●23日、15の主要野党の代表者が、ビハール州パトナ市内のニティーシュ・クマール・ビハール州首相の公邸に集まり、2024年総選挙に向けた野党間協力と対BJP戦略についての会合を実施した。会合にはクマール同州首相(JDU)のほか、カルゲ・コングレス総裁、ラーフル・ガンディー、ママタ・バナジー西ベンガル州首相(AITC)、スターリン・タミル・ナドゥ州首相(DMK)、ケジリワル・デリー準州首相(AAP)、ソレン・ジャールカンド州首相(JMM)等が参加した。

(オディシャ(OD)州)
●2日、OD州バラソール州内で3本の列車による衝突事故が発生、300名近い死者と1100名を超える負傷者が発生した。
●3日、モディ首相がOD州を訪問し、列車事故の現場と犠牲者が治療を受けている病院の視察を行った。
●3日、鉄道省は、列車事故の死者の親族に100万ルピー、重傷者に20万ルピー、軽傷を負った犠牲者に5万ルピーの見舞金を支払う旨発表した。

(マニプール(MN)州)
●1日、5月29日から4日間のMN州訪問を終えたシャー内相は記者会見を開き、同州で発生している部族間衝突に関する施策を発表。特別委員会による本衝突の原因・責任の調査や、治安当局の連携強化、犠牲者に対する見舞金の給付、食料や医薬品等の生活必需品の配給などを発表した。
●4日付、当地メディアは、MN州で発生している部族間衝突において、暴徒や武装勢力によって警察等の政府施設から略奪された武器の内、同日までに789個の武器と10,648の弾薬が回収された旨報じた。同地ではこれまで4,157個の武器が強奪されており、回収されたものはその18%に過ぎない。
●5日、シャー内相の呼びかけを受け、インパールとディマプール間の国道2号線を封鎖していた複数の部族組織が、7日間の日程で封鎖の解除を行った。
●6日付、当地メディアは、同日、MN州セロウ地区において、クキ族に属すると思われる武装集団と国境警備隊(BSF)との間で銃撃戦が行われ、BSF側に死傷者が発生した旨報じた。
●6日、中央政府は国境警備隊(BSF)約1,000名をMN州に派遣した。
●7日、インド陸軍とアッサム・ライフル部隊が、暴徒によって警察施設やMN州政府の武器庫から略奪された武器の回収作戦を開始した。
●10日、中央政府は、MN州内の様々な部族間の平和プロセスを促進することを目的に、ウイケーMN州知事を委員長とする和平委員会(Peace Committee)を発足する旨発表した。同委員会には各部族から51名の代表者が選ばれており、内訳はメイテイ族25名、クキ族11名、ナガ族10名、ムスリム3名、及びネパール人コミュニティ2名となっている。
●12日、メイテイ族及びクキ族の代表者が、中央政府による和平委員会に参加しない旨発表した。
●14日、キップゲンMN州繊維・商工担当大臣(BJP)の官舎が襲撃・放火された。
●15日、ランジャン・シン外務担当閣外大臣(BJP)のインパール市内の私宅が暴徒による襲撃を受け、家屋が焼失した。
●18日、ホサバレRSS事務局長は、MN州で発生している暴動を直ちに停止する為、あらゆる可能な措置を取るよう中央政府と各法執行機関に要請した。
●18日、ビレン・シンMN州首相は、タンゲ・ミゾラム(MZ)州首相と電話会談を実施し、MN州からMZ州に避難している1万人を超えるメイテイ族の安全確保に向けた対策を講じるよう要請した。
●23日、ビレン・シンMN州首相がデリー市内でシャー内相と面会し、同州の治安状況の説明を実施した。シン同州首相は「6月13日以降、同州内では暴力による死傷者の報告は無く、州政府と中央政府の努力が実を結び、かなりの程度状況がコントロールされている」旨述べた。
●24日、モディ首相は、マニプール州の状況を検討する会議を実施、シャー内相、シタラマン財務相、プリ石油相ら主要閣僚が参加した。
●26日、ビレン・シンMN州首相は、シャー内相がクキ族の武装勢力と活動停止協定の履行を確約した旨発表した。
●30日、ビレン・シンMN州首相が辞任を表明、それに反対する数千名の支持者が同州首相公邸に集まり説得を行った結果、同州首相は辞任を撤回した。

(アッサム(AS)州)
●11日付、当地メディアは、AS州内で発生している洪水の状況を伝え、州内各地の河川が危険水位を超えた旨報じた。
●20日、印選挙管理委員会は、AS州議会選挙に向けた同州内選挙区の区割り草案を公開、指定カースト(SC)に留保された議席数を現行の8議席から9議席に拡大、同様に指定部族(ST)の議席数も16から19議席に増やす旨発表した。

(シッキム(SK)州)
●19日付、当地メディアは、12日のモンスーン到来以降、大雨による地滑りと鉄砲水が同州各地で発生している旨報じた。

(ジャンムー・カシミール(JK)準州、及びラダック連邦直轄領)
●19日、ラダック連邦直轄領の代表団が、ライ内務担当閣外大臣と会談を行い、同地への州権付与を要求した。
●23日から2日間の日程で、シャー内相がJK準州を訪問した。

(マディヤ・プラデシュ(MP)州)
●12日、コングレス幹部のプリヤンカ・ガンディーがMP州を訪問し、同州議会選挙に向けた選挙キャンペーンを開始、年金や電力無償化、農業ローン免除などの公約を発表した。
●27日、モディ首相がMP州ボパール市を訪問し、準高速列車バンデーバーラト急行の開通式や各種開発計画の立ち上げを行った。また、モディ首相は、同市内でBJP活動家に向けた演説を実施、統一民法(UCC)の必要性を強く訴えた。

(カルナータカ(KN)州)
●15日、KN州議会は、2022年に当時のBJP同州政権下で可決された改宗禁止(改正)法を廃止する旨決定した。

(タミル・ナド(TN))
●11日、シャー内相はTN州を訪問し、選挙集会に参加した。集会においてシャー内相は、2024年総選挙において、TN州から少なくとも25名の国民民主同盟(NDA)下院議員を選出する必要がある旨強調したほか、モディ首相の3期目突入を確信していると語った。

(ラジャスタン(RJ)州)
●18日、ケジリワル・デリー準州首相(庶民党(AAP)党首)は、マン・パンジャブ州首相と共に、RJ州内で2024年総選挙に向けた選挙キャンペーンを開始し、電力や医療の無償化といった公約を発表すると共に、BJPとコングレスの双方を強く非難した。

(チャッティースガル(CG)州)
●5日、CG州ビジャプール県において、ナクサライトが仕掛けた爆発装置が爆破し、中央予備警察部隊(CRPF)隊員2名が負傷した。
(ラジャスタン(RJ)州)
●3日、シャー内相は、ナイドゥ・アンドラ・プラデシュ前AP州首相(テルグ・デサム党(TDP)党首)と面会を実施、当地メディアにおいて2024年総選挙に向けたBJPとTDPの協力に関する憶測が広がった。

2 外交
(BRICS)
●1日から3日、ジャイシャンカル外相が南アフリカを訪問し、BRICS外相会合に出席。サイドラインでラブロフ露外相、パンドール南ア外相、ファイサル・サウジアラビア外相、アブダッラーUAE外相、アミール・アブドラヒアン・イラン外相、ヴィエイラ・ブラジル外相と会談。また、ラマポーザ南ア大統領を表敬。

(印・南ア関係)
●10日、モディ首相が、ラマポーザ南ア大統領と電話会談。

(G20)
●11日から13日、G20開発大臣会合をバラナシで開催。ジャイシャンカル外相が、サイドラインでシュルツェ独経済協力・開発大臣、コンロイ豪国防産業大臣兼国際開発・太平洋大臣、グリンスパン国連貿易開発会議事務局長、ウルピライネン欧州委員(国際パートナーシップ担当)、マリキ・シンガポール首相府大臣、モメン・バングラデシュ外相、ザカロプル仏欧州・外務省担当長官、ミッチェル英外務・英連邦・開発省担当大臣と会談。

(印・米関係)
●20日から24日、モディ首相が訪米し、バイデン大統領他、経済界、学術界等と会談。

(印・エジプト関係)
●24日から25日、モディ首相がエジプトを訪問し、エルシーシ大統領と会談。その他、経済界、ヨガ関係者、インド人コミュニティ等と交流。また、エジプト最高位の勲章である「ナイル勲章」を受章。
(印・比関係)
●27日から29日、マナロ・フィリピン外相が訪印し、ジャイシャンカル外相と第5回印比二国間協力共同委員会を共催。

3 日印関係
●3日、岸田文雄内閣総理大臣は、インド共和国オディシャ州において発生した列車事故に関して、ナレンドラ・モディ・インド首相(H.E. Mr. Narendra Modi, Prime Minister of India)に対して、お見舞いメッセージを発出。
●3日、林芳正外務大臣は、インド共和国オディシャ州において発生した列車事故に関して、ジャイシャンカル・インド外務大臣(H.E. Dr. S. Jaishankar, Minister of External Affairs of India)に対して、お見舞いメッセージを発出。
●10日から15日まで、武井俊輔外務副大はインド共和国を訪問し、G20開発大臣会合に出席。ラージクマール・ランジャン・シン外務・教育担当閣外大臣と会談を実施。
(了)