日印関係最新情報

2021年9月23日 日印首脳会談

2021年9月24日掲載


 現地時間9月23日、午後5時35分(日本時間24日午前6時35分)から約45分間、米国を訪問中の菅義偉内閣総理大臣は、ナレンドラ・モディ・インド首相(H.E. Mr. Narendra Modi, Prime Minister of India)と日印首脳会談を行ったところ、概要は以下のとおりです。

1. 菅総理大臣から、今回の対面での会談を歓迎した上で、基本的価値を共有するインド、とりわけ、かねてよりルールに基づく秩序、法の支配の重要性を訴えてこられたモディ首相は「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた重要なパートナーである旨述べました。また、菅総理から、新型コロナの困難な状況が続く中であっても、両国の協力関係が着実に進展していることを歓迎した上で、日本の無償資金協力で建設され、本年7月にモディ首相と共に完成を祝ったヴァラナシ国際協力コンベンションセンターが、「日印友好の証」として活用されることを願う旨述べました。モディ首相からは、菅総理大臣の日印関係への多大な貢献に対し感謝を述べつつ、日本との関係は両国のみならず地域や世界の安定や繁栄にとって極めて重要である旨の発言がありました。また、モディ首相から、東京オリンピック・パラリンピックの成功と日本人選手の活躍に対して祝意が述べられ、菅総理大臣からこれに謝意を伝えました。

2. 両首脳は、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向け、海洋安全保障の重要性につき一致するとともに、地域における連結性強化や法の支配に基づく国際秩序の形成のため、日印や日米豪印で緊密に連携していくことを改めて確認しました。その中で、両首脳は、経済的威圧や、東シナ海や南シナ海における力による一方的な現状変更の試みへの強い反対の意を改めて共有しました。

3. 菅総理大臣から、北朝鮮による先般の弾道ミサイル発射は安保理決議違反であり強く非難した、北朝鮮による最近の核・ミサイル活動は、日本、地域、国際社会の平和と安全を脅かすものであり、CVIDの実現に向け、安保理決議の完全な履行が不可欠である旨述べました。また、菅総理大臣から、拉致問題の即時解決に向けた理解と協力を求めました。

4. 二国間関係については、両首脳は、引き続き、新型コロナ感染症への対応で連携していくことで一致し、日印外務・防衛閣僚会合(「2+2」)の早期開催をはじめとする安全保障分野や、デジタル、グリーン、保健、連結性強化等の経済・経済協力分野での協力を進めていくことを確認しました。その中で、菅総理からは、安全で信頼のある5Gや海底ケーブル、産業競争力強化とサプライチェーン強靭化、現実的なエネルギー・トランジッションの実現、特定技能制度に基づくインドからの人材の受入れやIT人材交流の活性化、インド北東部開発等の具体的な協力の可能性に言及しました。両首脳はまた、日印協力の象徴的なプロジェクトである高速鉄道事業の着実な進展に向けて協力を進めていくことを改めて確認しました。最後に、2022年の日印国交樹立70周年に「特別戦略的グローバル・パートナーシップ」としての日印関係の更なる飛躍に向けた様々な取組を進めていくことで一致しました。

(外務省HPより https://www.mofa.go.jp/mofaj/s_sa/sw/in/page4_005417.html)