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日印関係最新情報

月間インドニュース(2018年11月)

2018年12月21日掲載


1. 内政
【連邦政府/連邦議会】
11月1日:ラーフル・ガンディー・コングレス党総裁とナイドゥ・アンドラ・プラデシュ(AP)州首相(テルグ・デサム党(TDP)党首)はデリーにおいて会談し、会談後の共同記者会見で、BJPを打倒するために連合して戦うことに合意したと述べた。
11月14日:政府筋は、議会委員会が冬期国会を12月11日から来年1月8日にかけて開催するよう推奨した旨述べた。
11月28日:財務省関係者は、来年度暫定予算案を2月1日に発表すると述べた。本予算案は次期下院総選挙前の最後の予算案となる。

【マディヤ・プラデシュ州】
11月16日:モディ首相は、州議会選挙のための演説で、「4世代」に亘るネルー・ガンディー家によるパフォーマンスと、「チャイワラ(かつてチャイ売りであったモディ首相のことを指す)による4年間」のパフォーマンスを対決する準備ができていると述べ、モディ政権は、55年に亘るコングレス党政権が達成できなかった貧困層による銀行、電力等の利用を可能にしたと述べたほか、コングレス党はMP州におけるBJP政権のパフォーマンスを説明するよう求めているが、同党は50年間に亘る統治下で同州のために何をしたのか説明するべきだと述べた。
ラーフル・ガンディー・コングレス党総裁は、州議会選挙のための演説で、旧高額紙幣廃止をインド独立史上最も酷い詐欺(the biggest scam)としてモディ首相を批判した。
11月20日:スワラージ外相は、インドールでの州議会選挙運動イベントのサイドラインで、次期下院総選挙に出馬しない旨報道陣に述べた。
11月21日:マンモハン・シン前首相は、民主主義を弱めているとしてモディ政権を批判した。

【ミゾラム州】
11月23日:モディ首相は、アイゾールにおける選挙演説で、コングレス党はBJPが政権を握ることで北東部の文化を侵略しているとするデマを拡散している、コングレス党が人々を分断することで統治しようとしているとして批判した。

【テランガナ州】
11月27日:モディ首相はニザマバードにおける選挙演説で、コングレス党とテランガナ民族会議(TRS)はどちらも家族運営の政党であり、州の発展に寄与しないとして批判した。


2. 経済
【インド経済(2018年度第2四半期のGDP成長率)】
11月30日:インド政府統計・計画実施省(MOSPI)傘下の中央統計局(CSO)は、2018年度第2四半期(2018年7月~9月)のGDP成長率を発表したところ、概要以下のとおり。
- 2018年度第2四半期の実質GDP成長率(前年同期比)は、前期(第1四半期)の8.2%から減速して7.1%となった。
- 産業別では、農林水産業の減速に加え、鉱業がマイナス成長に転じたことや製造業の伸び率が大きく鈍化したことが、支出面では、民間消費の伸び悩みや、純輸入の拡大などがマイナスに働いた。
メモ:上半期(2018年4月~9月)の経済成長率
○実質GDP成長率 7.6%(前年同期は6.0%)


3. 外交
【世界銀行】
11月2日:モディ首相はジム・ヨン・キム世界銀行総裁と電話会談を行った。

【印・韓国関係】
11月4日-7日:モディ首相からの招待を受け金正淑(キム・ジョンスク)韓国大統領夫人が訪印し、モディ首相と面会を行ったほか、スワラージ外相による表敬を受けた。

【印シンガポール関係】
11月14日-15日:モディ首相がシンガポールを訪問し、印ASEAN非公式首脳朝食会、第13回東アジア首脳会議(EAS)、第2回RCEP首脳会合に出席し、EASのサイドラインでリー・シェンロン星首相と会談したほか、ペンス米副大統領、スコット・モリソン豪首相、プラユット泰首相と会談した。

【印ラオス関係】
11月22日-23日:スワラージ外相はラオスを公式訪問し、サルムサイ・ラオス外務大臣と第9回印ラオス共同委員会(9th India-Lao PDR Joint Commission Meeting)の共同議長を務めたほか、合意議事録(Agreed Minutes)が発出された。また、スワラージ外相はトンルン首相を表敬したほか、インド人コミュニティに対して演説した。

【印パキスタン関係】
11月23日:印外務省は、23日朝に起こったカラチの中国総領事館に対するテロ攻撃を強く非難する旨のプレスリリースを発出した。

【印モルディブ関係】
11月17日:モディ首相はモルディブを訪問し、ソーリフ・モルディブ大統領就任式に出席したほか、ソーリフ大統領との会談の後、共同プレスステートメントが発出された。
11月24日-27日:シャヒード・モルディブ外務大臣がインドを公式訪問した。

メモ:印外務省発表共同プレスステートメント(一部抜粋)
○両首脳は、インドとモルディブ関係の回復力に留意しつつ、ソーリフ大統領がモルディブ大統領に選出されたことで、緊密な協力と友好関係の再開への自信を表明した。
○両首脳は会談中、インド洋における平和と安全を維持することの重要性及び地域安定のため、互いの懸念と願望に留意することにつき一致した。
○両首脳は、地域内外でのテロとの闘いにおける協力の強化に対する揺るぎないコミットメントと支持を表明した。
○モディ首相はソーリフ大統領に対し持続可能な社会経済発展を達成するためにモルディブを支援するとのインドの確固たるコミットメントをソーリフ大統領に保証した。
○モディ首相はソーリフ大統領に対し、早期のインドへの公式訪問の招待を行った。 ソーリフ大統領は喜んで同招待を受け入れた。
○ソーリフ大統領は、近いうちにモディ首相がモルディブを公式訪問することを希望した。モディ首相は同招待を受け入れた。

【G20サミット】
11月29日-12月1日:モディ首相はG20サミットのためアルゼンチンを訪問し、同サミットの機会に日米印首脳会合、BRICS首脳会合、露印中首脳会談を実施したほか、習近平中国国家主席、マクリ・アルゼンチン大統領、メルケル独首相、マクロン仏大統領、ラマポーザ南ア大統領、トゥスク欧州理事会議長及びユンカー欧州委員会委員長等と会談した。

4. 日印関係
11月5日:印外務省は、サンジェイ・クマール・ヴァルマ官房・サイバー外交担当次官補が次期駐日大使に任命された旨のプレスリリースを発出した。
11月15日:シンガポールで日米豪印協議が開催された。

今月の注目点:日米印首脳会合(概要)
G20サミット出席のためアルゼンチン訪問中の安倍晋三内閣総理大臣は、11月30日14時35分頃(現地時間、日本時間1日2時35分頃)から約30分間、ドナルド・トランプ米国大統領、及びナレンドラ・モディ・インド首相と、初の日米印首脳会合を行いました。
今般の会合では、自由、民主主義、法の支配といった基本的価値と戦略的利益を共有しインド太平洋におけるパートナーである日米印3か国の首脳が初めて一堂に会し、地域情勢や安全保障に関する共通の関心事項について率直に意見交換を行いました。 
3か国首脳は、3か国の協力がインド太平洋地域の安定と繁栄にとって極めて重要な意義を有することを確認し、特に海洋安全保障や地域連結性強化の分野において協力を強化していくことで一致しました。