日印関係最新情報

月間インドニュース(2019年2月)

2019年3月19日掲載


1.内政

(連邦政府・連邦議会)

2月7日

モディ首相は、国会において100分に亘る演説を行い、政権樹立後の成果を強調しつつ、コングレス党による統治を55年間の「権力欲」に溺れた統治であるとして批判した。また、コングレス党がラファール戦闘機に関する汚職疑惑を自信ありげに追求するのは、コングレス党政権下では汚職無しに防衛装備の購買が行われなかったからである、野党が連合して樹立しようとしている「混ぜ物政府」は国のために役に立たない等と述べた。

2月13日

国会が閉会した。今次国会が紛糾したことにより、モディ政権は、市民権法改正法案及びトリプル・タラク法案を上院で審議することができなかった。

2月15日

インド政府は、首相の助言に基づいて、インド大統領が再びジャイトリー大臣を財務大臣兼企業大臣に任命した。

2月24日

モディ首相は、来年度予算案で主な新規スキームとして発表されたPM-KISAN(低所得農民家庭に対して年6000ルピーを直接所得支援する)を開始、1000万以上の各世帯に第一回分として2000ルピーを送金した。

(ジャンム・カシミール州)

2月14日

スリナガル-ジャンム高速道を走行中の治安当局の車列が、ジャイシェ・モハンマド(JeM)によるとされる自爆テロ車両の攻撃を受けて40人以上が死亡した(→カシミール情勢につき「今月の注目点」参照)

(マハーラーシュトラ州)

2月18日

アミット・シャーBJP総裁、タークレー・シブ・セナ(SS)党首、ファドナヴィス州首相は、BJP及びSSが下院総選挙及び州議会選挙で共闘する旨記者会見で発表した。

(タミル・ナド州)

2月19日

BJP及び全印アンナ・ドラビダ進歩連盟(AIADMK)は、下院総選挙において、タミル・ナド(TN)州(全39議席)及びプドゥチェリー(PY、旧名ポンディチェリー)連邦直轄地(全1議席)で共闘することを決定した旨発表した。BJPは、AIADMK及びPattali Makkal Katch(PMK)と同盟し、TN州の5議席で戦うとされている。

2月20日

コングレス党はドラビダ進歩連盟(DMK)と次期下院総選挙での議席配分につき同意した。コングレス党は、TN州の9議席、PY連邦直轄地の1議席で戦う予定。

2. 経済

2月28日

政府は、2018年度第3四半期のGDP成長を6.6%と発表し、通年のGDP成長率見込みを7%に下方修正した。

メモ:2018年度第3四半期の実質GDP成長率は前年同期比6.6%となり、前年同期(2017年度第3四半期)の同7.7%(改訂値)を下回り、前四半期(2018年度第2四半期)の同7.0%(改訂値)から減速。また、市場予測値(ロイター、同6.9%)も下回った。成長率が6%台となるのは2017年度第2四半期以来。2018年度の実質GDP成長見込みを7.0%と発表した。

3. 外交

(印バングラデシュ関係)

2月8日

印バングラデシュの両外相が共催する第5回合同協議委員会(Joint Consultative Commission, JCC)がデリーで開催された。両外相は会合の中で、あらゆる共通の関心課題について議論し、過去の首脳会合時に決定された事項等に関する現在の具体的な協力状況をレビューした。また、両外相は、両国間の更なる協力強化のため、3つの覚書に署名した(1800人のバングラデシュ中堅公務員の教育、医療用植物分野の協力に関するAYUSHとバングラデシュ保健省間の覚書、バングラデシュ腐敗撲滅委員会と印中央捜査局(Central Bureau of Investigation)間の覚書)。

(印モンゴル関係)

2月10日-12日

スミヤバザル・モンゴル鉱山業・重工業大臣(Minister of Mining & Heavy Industry)が訪印した。同大臣はPETROTECH 2019に参加するとともに、プラダン石油・天然ガス大臣と会談した。

(印イラン関係)

2月16日

スワラージ外相は、ブルガリア訪問の途中に短時間イランに立ち寄り、アラグチ外務次官と面会した。

(印ブルガリア関係)

2月16日-17日

スワラージ外相はブルガリアを公式訪問し、ザハリエヴァ・ブルガリア副首相兼外務大臣と会談したほか、在留インド人コミュニティーに対して演説した。

(印モロッコ関係)

2月17日-18日

スワラージ外相はモロッコを訪問し、エル・オトマニ・モロッコ首相を表敬、ブリタ外務・国際協力大臣と会談したほか、合意文書が署名された。

(印アルゼンチン関係)

2月17日-19日

マクリ・アルゼンチン大統領がインドを公式訪問し、コヴィンド大統領と会談、モディ首相と代表団協議を行ったほか、印アルゼンチン共同声明、テロと闘うための印アルゼンチン特別宣言(India Argentina Special Declaration to Fight Terrorism)の発出及びMoU等が署名された。

(印スペイン関係)

2月18日-19日

スワラージ外相はスペインを訪問し、ボレル・スペイン外務・EU・協力大臣と会談したほか、在留インド人コミュニティーに対して演説した。

(印サウジアラビア関係)

2月19日-20日

ムハンマド・ビン・サルマン・サウジアラビア皇太子がインドを公式訪問し、コヴィンド大統領を表敬、モディ首相と会談、スワラージ外相からの表敬を受けたほか、印サウジアラビア共同声明の発出及び覚書(MoU)等が署名された。

(印韓関係)

2月21日-22日

モディ首相は韓国を公式訪問し、文在寅韓国大統領と首脳会談を行ったほか、MoUの署名が行われた。また、モディ首相はソウル平和賞を受賞したほか、在留インド人コミュニティーに対して演説した。

(第16回露印中三カ国(RIC)外相会談)

2月27日

スワラージ外相は、鳥鎮で開催された第16回RIC外相会談で共同議長を務めたほか、同会談の共同コミュニケが発出された。

メモ:共同コミュニケ テロ関連部分 

2月14日にジャンム・カシミール州プルワマで発生したテロ攻撃後の印パ関係の情勢も念頭に、本共同コミュニケの中でも特にテロに関する記述に着目して取り上げているところ、テロ関連部分の概要以下のとおり。

(テロ関連パラ)

9.露印中外相は、あらゆる形態のテロを強く非難した(strongly condemned)。三外相は国際社会に対し、全ての国の主権及び独立を尊重しつつ、国連憲章及び国際法の原則に沿って、関連国連安保理決議とグローバル・対テロ戦略(Global Counter-Terrorism Strategy)の完全な遵守と、国連によるテロリズムに関する包括的条約(Comprehensive Convention on Terrorism)の早期採択を通じて、国連主導のグローバルな対テロオペレーションを強化するよう要請した。三外相は、各国及びそれらの関連機関が国内及び国際的な対テロの取組において中心的な役割を担うよう改めて述べた。更に三外相は、テロ組織は支援されるべきでなく、政治的及び地政学的な目的として利用されてはならない旨強調した。


10.三外相は、「引き渡し又は処罰」の原則、関連の国際的及び二国間の義務及び適用される国内法に従って、国連グローバル・対テロ戦略、関連国連安保理決議、国際的金融活動作業部会(FATF基準)、国際条約を含む対テロに関する既存の国際的なコミットメントに沿って、テロ攻撃を実行、計画、惹起又は支援する者に責任を負わせ、処罰をしなければならない旨強調した。


(印露関係)

2月28日

印外務省はモディ首相とプーチン露大統領との間の電話会談に関するプレスリリースを発出した。

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メモ:印露首脳電話会談 プレスリリース

1.本日(28日)、プーチン大統領はモディ首相に架電した。

2.プーチン大統領より、プルワマのテロ攻撃に対する深い哀悼の意を表明した。同大統領は、テロとの闘いにおけるロシア国民とインド国民との結束を伝達した。

3.モディ首相より、越境テロ攻撃に対する自国の利益を守るとのインドの取組に対するロシアの確固たる支持への謝意を述べ、特別(Special and Privileged)戦略的パートナーシップの柱としてのテロ対策における二国間協力の強化へのコミットメントを新たにした。両首脳は、関係者(the concerned)はテロへのあらゆる支援を止めなければならない旨一致した。

4.更に両首脳は、両国間で拡大される協力は特別戦略的パートナーシップをますます強力にする旨一致した。

5.プーチン大統領より、本年後半のウラジオストクにおける東方経済フォーラムに改めてモディ首相を招待した。モディ首相は同招待を歓迎し、極東を含む両国間の拡大する経済協力の重要性を強調した。

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(印UAE関係)

2月28日-3月1日

スワラージ外相はアブダビを訪問し、第46回イスラム協力会議(46th session of Council of Foreign Ministers of Organisation of Islamic Cooperation)で演説を行った後、モルディブ及びバングラデシュの外務大臣とそれぞれ会談を実施した。

4. 日印関係

(第3回日インド・サイバー協議)

2月27日

東京において、第3回日インド・サイバー協議が開催された。日本側から大鷹正人外務省総合外交政策局審議官兼サイバー政策担当大使をはじめとし、内閣官房国家安全保障局、内閣官房内閣サイバーセキュリティセンター、内閣官房内閣情報調査室、警察庁、公安調査庁、総務省、経済産業省、防衛省、JPCERTコーディネーションセンターから代表者が出席した。インド側から、ウペンダ・シン・ラワット外務省Eガバナンス・IT・サイバー外交担当局長(Mr. Upender Singh Rawat, Joint Secretary in charge of E-governance, Information Technology and Cyber Diplomacy (eG,IT&CD) Ministry of External Affairs)をはじめとする, 内務省、国家安全保障会議事務局、電気通信局、駐日インド大使館から代表者が出席した。

両国は、サイバーセキュリティの確保は国民生活や社会経済活動、両国の安全保障を強化するという認識を共有し、自由で開かれ、安全で安定したサイバー空間の実現に取り組んでいくことを再確認した。

この協議では、両国が直面するサイバー攻撃の現状及び対策についての情報共有、サイバーセキュリティ戦略及び政策、サプライチェーン・リスクに係る政策や取組についての意見交換を行った。また、二国間協力については、国際協力の能力構築支援等について議論した。

両国は、次回の日インド・サイバー協議を来年にデリーで開催することで合意した。

今月の注目点:カシミール情勢 

2月14日

印側ジャンム・カシミール州プルワマで、印治安部隊の車列にテロ攻撃、少なくとも44人が死亡。パキスタンを拠点とするイスラム過激派「ジェイシェ・ムハンマド」(JeM)が犯行声明発出。印はパキスタンを激しく非難。

2月26日

未明、印空軍が管理ライン(LOC)を越えてカシミールではないパキスタン領空に侵入し、パキスタンのKP州バラコートに爆弾を投下。印空軍機がLOCを越えてパキスタン領内に侵入したのは第3次印パ戦争(71年)以来。

印側はバラコートのJeM訓練キャンプに「非軍事的先制攻撃」を実施し、テロリスト等を殺害と発表。他方、パキスタン側は越境を認めつつ、被害はない旨反論。

2月27日

パキスタン側は、パキスタン空軍が越境攻撃を行い、越境してきた印空軍2機を撃墜、印軍パイロット1名を拘束した旨発表。他方、印側はパキスタン空軍が印の軍施設を目標に侵入、応戦してパキスタン空軍機1機を撃墜・印空軍機1機が墜落と認めた上で、印軍パイロットの扱いを非難。早期解放を要求。

カーン・パキスタン首相は記者会見を行い、「(プルワマのテロについて)印に協力を提案する。事態がエスカレートすれば、自分にもモディ首相にもコントロールできなくなる。パキスタンはテロについて話し合う用意がある」旨発言。

2月28日

カーン・パキスタン首相が、インド軍パイロットを3月1日に釈放すると発表。

モディ首相は党大会で「インド軍を誇りに思う。インドは一丸となって戦い、共に勝つ」と発言。

(日本の対応)

2月15日 

インド北部ジャンム・カシミール州におけるテロ事件に対する安倍総理大臣及び外務大臣によるお見舞いメッセージを発出。

2月28日

カシミール地方の情勢について外務大臣談話を発出。