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日印関係最新情報

月間インドニュース(2017年12月分)

2018年1月19日掲載


1.内政

【BJP】

12月20日

モディ首相は、ニューデリーで実施されたBJP議員の会合において、グジャラート州及びヒマチャル・プラデシュ州議会選挙における勝利を「偉大な勝利」とし、2019年下院総選挙に向けて、組織を強化し、若いリーダーを育成すると呼びかけた。


【コングレス党】

12月16日

ラーフル・ガンディー・コングレス党総裁が就任した。

前総裁は母親のソニア・ガンディー。


【ウッタル・プラデシュ州】

12月1日

11月に3フェイズに分割して実施された州内各地の地方自治体選挙の開票が行われた。州政権を担うBJPは、州内16の大都市のうち14の市長選挙で勝利する等、大勝した。


【ジャンム・カシミール州】

12月2日

JK人民民主党(PDP)の党首選挙が実施され、メフブーバ党首(ジャンム・カシミール州首相)が勝利し、2003年以降連続6期目を務めることとなった。


【パンジャブ州】

12月17日

州内各地で地方自治体選挙が実施され、コングレス党が、パティアラ等3つの大都市で勝利する等、大勝した。


【グジャラート州】

12月18日

州議会選挙の開票が実施され、BJPが99議席を獲得し政権を維持した。コングレス党は77議席を獲得した。26日、ルパニ州首相(連続2期目)が就任宣誓を行った。


【ヒマチャル・プラデシュ州 】

12月18日

州議会選挙の開票が実施された。BJPが44議席を獲得し州政権を奪還した。

12月24日

BJPは、ヒマチャル・プラデシュ州議会議員5期目を務めるジャイラム・タークル州議会議員を州首相に指名した。27日、タークル州首相が就任した。


【ラジャスタン州】

12月19日

州内各地で実施された地方自治体補欠選挙で、コングレス党が、44議席中33議席を獲得して勝利した。パイロット・コングレス党州部長は、選挙結果が人々のBJPへの幻滅とコングレス党への信頼回復を示していると述べた。



2.経済

【インド準備銀行による金融政策委員会会合の結果】

12月6日

インド準備銀行は、金融政策委員会会合を開催し、①政策金利(レポ・レート)を6.0%で維持、②金融政策に対する中立的なスタンスを維持、③今年度下半期のインフレ見通しを4.3~4.7%へ引上げ、④2017年度の粗付加価値(GVA)見通しを6.7%のまま維持である点を公表。


【スワミナサン博士がインドの「農業研究の象徴」賞を受賞】

12月10日

著名なインド人農業科学者であるスワミナサン博士がインドの「農業研究の象徴」賞を受賞。受賞式ではヴェンカイヤ・ナイドゥ副大統領が右賞を同教授に授与した。受賞式においてヴェンカイヤ・ナイドゥ副大統領は、「スワミナサン博士は、農業研究がいかに農民の生活に変容をもたらすかを示した偉大な科学者であり'生きる伝説’(a living legend)である。」と賞賛した。


【国際収支の発表】

12月13日

インド準備銀行(RBI)は、2017年度第2四半期(2017年7~9月)の国際収支を発表。主な数値は以下のとおり。

経常収支

経常収支赤字は▲72億ドル、対GDP比1.2%となり、前年同期(▲34億ドル、対GDP比0.6%)と比べると赤字幅が拡大したが、前四半期(▲150億ドル、対GDP比2.5%)と比べると大きく改善した。

貿易収支

 貿易赤字は▲328億ドルとなり、前年同期(▲256億ドル)と比べると赤字幅が拡大したが、前四半期(▲420億ドル)と比べると改善した。貿易収支については、工業製品において輸出よりも輸入の増加幅が大きいことによって、高水準の貿易赤字が発生している。

サービス収支

サービス収支黒字は256億ドルとなった。ソフトウェアサービスや観光分野での純収益の増加を背景に、前年同期(222億ドル)から13.1%の増加となった。但し、前四半期(270億ドル)からは黒字幅が縮小した。

海外直接投資

海外直接投資の純流入額は124億ドルとなり、前年同期(169億ドル)よりも低い水準となったが、前四半期(72億ドル)からは拡大した。

外貨準備高

外貨準備高は95億ドルの増加となり、前年同期の増加分(85億ドル)からは拡大したが、前四半期の増加分(114億ドル)と比べると縮小した。


【電化製品の輸入関税引上げ】

12月16日

インド政府は、海外からの供給を抑制して国内製造を促進するため、携帯電話、テレビ受像器、デジタルカメラ及び電子レンジなどの電化製品の輸入関税を引上げた。引上幅は、5~10%となる。

今回、基本関税の税率が引上げられた製品に関し、主なものは以下のとおり(2017年12月14日より有効)。

品目 旧税率 新税率

携帯電話 10% 15%

テレビ受像器 10% 20%

電子レンジ 10% 20%

ネットワークカメラ 10% 15%

LED電気 10% 20%

スマートメーター 10% 15%

テレビ用のLEDパネル等 0% 7.5%

デジタルカメラ等 10% 15%



3.外交

【印米関係】

12月1日

訪印中のオバマ米前大統領はモディ首相と会談したほか、第15回ヒンドゥスタン・タイムズ・リーダーシップ・サミット及びオバマ財団主催のタウンホール・イベントで演説を行った。

12月2日

モディ首相は、トランプ米大統領と電話会談を行い、両首脳は、11月28日~30日に米印共催で実施された世界起業サミットにいついて満足の意を表した


【印イラン関係】

12月2日

スワラージ外相はソチで実施されたSCO首脳会議からの帰路でイランに立ち寄り、ザリーフ・イラン外務大臣開催の昼食会ミーティングが行われた。


【印中関係】

12月10日-12日

王毅中国外交部長が訪印し、中印露外相会合に参加したほか、コヴィンド大統領の表敬及びスワラージ外相と会談した。

12月22日


ドヴァル国家安全保障担当補佐官(インド側国境問題特別代表)からの招待を受け、楊潔チ国務委員(中国側国境問題特別代表)が訪印し、第20回中印国境問題特別代表会合及びモディ首相表敬を行った。


【印露関係】

12月10日-11日

ラヴロフ露外務大臣が訪印し、中印露外相会合外相会合に参加したほか、コヴィンド大統領の表敬及びスワラージ外相と会談した。

12月23日

ロゴジン露副首相が訪印し、スワラージ外相と共に、貿易、経済、科学、技術・文化協力に関する印露政府間委員会(IRIGC-TEC)の共同議長を務めたほか、モディ首相を表敬した。


【第15回中印露外相会合】

12月11日

スワラージ外相は、王毅中国外交部長及びラヴロフ露外務大臣との間で中印露外相会合をニューデリーで主催、中印露関係の他、国連改革、各種国際枠組、テロ、北朝鮮、海洋、独自制裁、連結性等、幅広い国際的課題を内容とする共同コミュニケを発出した。


【第1回印豪「2+2」外務・国防次官協議】

12月12日

ジャイシャンカル外務次官及びミトラ国防次官は、アダムソン豪外務・貿易省次官及びモリアーティ豪国防次官と共に、印豪「2+2」外務・国防次官協議をニューデリーで実施した。


【第4回日豪印次官協議】

12月13日

ジャイシャンカル外務次官は、アダムソン豪外務・貿易省次官及び杉山外務次官との間で、第4回日豪印次官協議をデリーにおいて主催した(詳細は「今月の注目点」参照)。



4.日印関係

【堀井巌外務大臣政務官のコルカタ訪問】

12月8~9日

堀井巌政務官はヴィクトリア記念堂において、日印友好交流年を記念して開催される国際交流基金巡回展「映像と物質 版画の1970年代・日本」の開会式に出席した他、日系企業関係者との間で、日系企業進出の現状やコルカタ経済情勢等について意見交換を行った。


【杉山外務事務次官とジャイシャンカル・インド外務次官との会談】

12月12日

インドのニューデリーにおいて、杉山外務事務次官とジャイシャンカル外務次官の間で会談を実施。両次官は、本年9月の安倍総理大臣のインド訪問、11月のマニラでの日印首脳会談の成果を踏まえ、 US-2、連結性、人的交流等、日・インド二国間の主要課題、さらに「自由で開かれたインド太平洋戦略」を含むグローバルな課題や、北朝鮮を含む地域情勢について幅広く意見交換を行った。 



今月の注目点: 第4回日豪印次官協議

12月13日(現地時間同日)、インドのニューデリーにおいて杉山晋輔外務事務次官、フランシス・アダムソン・オーストラリア外務・貿易省次官(Ms. Frances Adamson, Secretary of the Department of Foreign Affairs and Trade of Australia)及びジャイシャンカル・インド外務次官(Dr.S. Jaishankar, Foreign Secretary Ministry of External Affairs of India)との間で、第4回日豪印次官協議が開催され、基本的価値と戦略的利益を共有する日豪印で、インド太平洋における法の支配に基づく自由で開かれた秩序の確保に向けて協力していくことで一致した。

三次官は、北朝鮮や海洋安全保障を含むインド太平洋地域の戦略環境に関する意見交換を実施し、日豪印の連携を確認しました。また、三次官は、日豪印の今後の更なる協力の可能性に関して議論した。


【印外務省プレスリリース(13日付)】

(1)12月13日、ジャイシャンカル外務次官は、アダムソン豪外務・貿易省次官及び杉山外務次官との間で、第4回日豪印次官協議をデリーにおいて主催した。

(2)三者は、インド太平洋地域における三国の関心の高まる収斂をハイライトし、同地域における平和、民主主義、経済成長及びルールに基づく秩序への共通のコミットメントを強調した。また、インド太平洋地域での政治・安全保障アーキテクチャーにおけるASEANの中心性への支持を強調した。

(3)三者は、海洋安全保障、海洋状況把握及び災害対応能力における更なる連携の必要性を強調した。また、あらゆる形態のテロの惨劇との戦いへの決意を新たにし、対テロにおける更なる協力の必要性を強調した。地域における連結性を強化することについても協議を行った。

(4)三国は、この重要な協議メカニズムの定例協議を歓迎した。杉山次官は、次回協議を東京にて主催する旨提案した。