日印関係最新情報

月間インド・ニュース(2012年7月)

2012年8月9日掲載


インド・ニュース(2012年7月) 

Ⅰ.内政
7月6日
*インド中央調査局が、ムンバイ地方裁判所に対して、アダルシュ・ハウジング疑惑に関する報告書を提出。インド各紙報道によれば、アショーク・チャヴァン前マハラーシュトラ州首相含む政治家、政府関係者及び退役軍人等13名が起訴された。 チャヴァン前首相は、自身の政治ライバルによる陰謀である旨述べている。

7月7日、12日
*インド人民党(BJP)は、ゴウダ・カルナータカ州首相を退任させ、シェッター農村開発大臣を新たに州首相に就任させることを決定。これを受け、12日に同州首相就任宣誓が行われ、シェッター氏が州首相に就任した他、閣僚32名が就任の宣誓を行った。

7月14日
*3日の選挙管理委員会による副大統領選挙の日程発表(投票・開票日共に8月7日)を受け、ソニア・ガンディー・コングレス党総裁は、統一進歩連盟(UPA)として、現職のアンサリ副大統領の立候補を支持する旨発表し、18日にアンサリ副大統領が立候補届けを提出。なお、野党インド人民党は16日にジャスワント・シン元外務大臣の立候補を支持する旨発表。

7月17日
*ママータ・バナジー全インド草の根コングレス党(TMC)党首が、大統領選においてムカジー前財務大臣を支持する旨発表。

7月20日~
*アッサム州西部で発生したボド民族とベンガル系イスラム教徒との間での民族間衝突が、他地域にも拡大。州政府発表によれば、死者は40名に達し、コクラジハル、チラング、ドゥブリ郡の400の村から約17万人の住民が128の避難キャンプに避難したとされている。4名のボド民族が殺害されたことが、衝突のきっかけとされている。ゴゴイ同州首相は、25日、新たな殺害行為は発生しないが、パニックの拡散により避難する住民の数が増加しており、冷静な対応を呼びかけた。

7月22日
*選挙管理官が、プラナーブ・ムカジー前財務大臣の大統領選出を発表。選挙管理委員会の発表によれば、有効投票1,029,750票のうち、ムカジー前財務大臣は713,763票(69.3%)、サングマ元下院議員議長は315,987票(30.9%)を獲得。
*ヒンドゥー紙は、ムラーヤム・シン社会主義党(SP)党首が、シン首相に宛てた書簡において、小売り分野での海外直接投資(FDI)の開放を認めないよう求めた旨報じている。同書簡には、シン党首のみならず、カラート・インド共産党(マルクス主義派)党首、革命主義党(RSP)、民族ジャナタ・ダル党、前衛党(AIFB)も連名で署名をしている。

7月25日
*最高裁判所長官の立ち会いの下での宣誓に続いて、国会議事堂においてムカジー大統領の就任式を実施。就任演説においては、貧困撲滅、宗教・社会的調和やテロとの戦いを重視することに言及した。

7月29日
*西ベンガル州ダージリン県のゴルカランド行政政府(Gorkhaland Territorial Administration(GTA)の選挙が実施され、全45議席のうち、17議席について投票が行われた。(8月2日の開票結果によれば、GJMが45議席を獲得。)

7月31日
*ムカジー大統領が、P. チダンバラム内務大臣の財務大臣就任及びスシル・クマール・シンデ電力大臣の内務大臣就任を発表。また、電力大臣は、M. ヴィーラッパ・モイリー企業大臣が兼務することとなった。

Ⅱ.経済
7月4日
*通信・IT省通信局(DoT)は、携帯電話の周波数オークションに関するガイドラインを発表。

7月5日
*エコノミック・タイムス紙は、インド政府が、全国民にジェネリック医薬品を無料で提供する新制度を計画中である旨報じている。同制度の下では、公共の医療機関の医師から患者に対して配布されることになる。2012年度末から一部機関での提供を開始され、2年以内には全国に導入される予定。

7月6日
*アルワリヤ国家計画委員会副委員長は、現在策定中の第12次5か年計画(2012年度~2016年度9に平均経済成長率の目標値を現在の9.0%から8.0~8.5%に下方修正することを検討している旨発言。

7月10日
*タイムス・オブ・インディア紙他は、神戸製鋼とインド鉄鋼会社SAIL(Steel Authority of India Limited)は、東京において、西ベンガル州ドゥルガプルに50万トン規模の粒状鉄製造工場を建設する事業に関する最終合意書に署名したことを報じている。同工場には、今後150億ルピーの投資が見込まれている。

7月12日
*インド政府は、5月の工業生産指数が前年同月比2.4%増で着地したことを発表。製造業22部門のうち、12部門がプラス成長を示すも、電子機器の成長は28.6%減。用途別では、消費財全体の成長率は4.3%増であるも、企業の設備動向を示す資本財は7.7%減となった。

7月14日
*インド商工省は、6月の貿易額(暫定値)を発表。輸出は250.7億ドル(前年同月比5.45%減)、輸入は353.7億ドル(前年同月比13.46%減)となり、103億ドルの貿易赤字。インド報道によれば、ラオ商務次官は、2か月続いての輸出パフォーマンスの低迷について言及の上、外国貿易政策において発表された施策の効果が2~3か月で現れ、繊維、革製品、既製服等で輸出に拍車がかかることを期待している旨述べた。

7月16日
*インド政府は、6月の卸売物価指数(WPI)が前年同月比7.25%増となったことを発表。

7月18日
*インド各紙は、午後7時頃、ハリヤナ州マネサールに所在するマルチ・スズキ社工場において、多数の労働者が事務所内に乱入し、管理者に対して暴行を加えるとともに、器物を損壊させるなどし、更に事務所に放火し、死者1名を含む約90名以上が負傷し、46名が病院に搬送された旨報道。

7月18日
*ヒンドゥー紙は、インドの2011~2012年の穀物全体の収量は過去最高の2億5,744万トンとなった旨報道。

7月20日
*インド準備銀行(RBI)は、優先分野への貸出規制ガイドラインの修正を発表。

7月24日
*ビジネス・ライン紙他は、インド政府は、計14件、総額158.4億ルピーの海外直接投資(FDI)案件の承認を発表。アパレル卸売り業者であるZARAによるシングル・ブランド小売業の合弁会社設立に伴う出資案件を含む7件が却下され、15件が持ち越しとなった旨報道。

7月30日
*ヒンドゥー紙他によれば、午前2時30分から14~15時間にわたり、インド北部の送電線からの送電が停止されたことを受け、北部の主要発電所における発電が停止、インド北部の8州の広範囲にわたって停電が発生。デリー・メトロや長距離列車の不通、信号停止に伴う渋滞等が発生。
7月31日
*ヒンドゥー紙他によれば、午後1時30分から、8時間以上にわたり、30日に停電の影響を受けた8州に加え、西ベンガル州、オリッサ州や北東部諸州を含む広範囲において停電が発生し、約6億人が影響を受けた。西ベンガル州及びジャールカンド州では、坑員が炭鉱内に数時間閉じ込められた。


Ⅲ.外交
7月1日
*1日付スリランカ紙は、6月29日からスリランカを訪問中のメノン国家安全保障補佐官は、ラージャパクサ大統領、バジル・ラージャパクサ経済開発大臣、ゴタバヤ・ラージャパクサ国防次官、サンパンタンTNA議員団長と会談し、最近のスリランカ情勢、二国間関係、共通の懸念事項について協議するとともに、スリランカ政府から、政治的和解・解決についての説明を受けた旨報じている。

7月2~3日
*クリシュナ外相がタジキスタンを訪問し、両国関係について協議。

7月4~5日
*ジラーニ・パキスタン外務次官がインドを訪問し、マタイ印外務次官との間で外務次官級協議を開催。両次官は、信頼醸成措置(CBMs)を含む平和と安全、ジャンムー・カシミール、友好交流の促進に関する協議を実施。

7月8日
*クリシュナ外相が、アフガニスタンに関する東京会合出席のために訪日。

7月11-12日
*クリシュナ外相が、第10回インドASEAN閣僚会合、東アジアサミット(EAS)及びASEAN地域フォーラム(ARF)に出席するためカンボジアを訪問し、ASEAN諸国との関係強化について協議。

7月10~12日
*リーシェンロン・シンガポール首相が、インド政府招待により、国会議長、教育大臣等を伴いインドを訪問し、パティル大統領、アンサリ副大統領、及びシン首相と会談を行った他、ビジネス・イベントへの参加、両国の職業教育に関する協力覚書の署名に立ち会った。

7月16~17日
*ロゴジン・ロシア副首相が訪日。クリシュナ外相と共同議長を務める「貿易・経済・科学・技術・文化協力に関するロシア・インド政府間委員会」に参加。

7月27日
*インドを訪問中のマルティ・インドネシア外相が、クリシュナ外相との間で、第4回合同委員会を開催。


Ⅳ.日印関係
7月9日
*訪日中のクリシュナ外相は、玄葉外務大臣との会談において、両外相は、日印関係が、政治、安全保障、経済等多くの分野で協力が進展していることを確認し、本年後半に予定されているシン首相の訪日に向け、更に努力を加速化していくことで一致。

7月23~27日
*モディ・グジャラート州首相が、日本政府の招待で、同州ビジネス関係者と共に訪日。岡田副総理、玄葉外務大臣、枝野経済産業大臣、羽田国土交通大臣等への表敬を行い、日本と同州との関係強化等について意見交換をおこなった他、JETRO主催の同州投資セミナーに出席。また、浜松、名古屋、神戸及び大阪を訪問した。