日印関係最新情報

月間インド・ニュース(2013年7月分) 

2013年8月5日掲載


Ⅰ.内政
7月2日
*インド宇宙研究機関(ISRO)は、極軌道衛星打ち上げ用ロケット(PSLV)により、インド地域航行衛星システムを構成する7基の衛星のうち、最初の1基の衛星の軌道投入に成功したと発表した。今回を含め、PSLVによるミッションは、連続23回成功している。
7月3日~5日
*政府発表やヒンドゥスタン・タイムズ(HT)紙他各紙によれば、3日、食糧安全保障法案を実施するための大統領令案が閣議で承認され、5日、大統領の署名を経て公布された。
7月5日~
*ジャールカンド州では、2010年9月より、BJPとジャールカンド解放戦線(JMM)が連立を組んできたが、本年1月のJMMの連立離脱を受け、当時のムンダ州首相(BJP)が辞任し、1月18日以降大統領直轄統治下に置かれてきた。6日付報道によれば、JMMは、5日、コングレス党と、新州政権発足を目指して連携するとの合意に達した旨発表した。
*現地報道によれば、12日、ジャールカンド州に対する大統領直轄統治が終了し、13日、アーメド州知事の立ち会いの下、ジャールカンド解放戦線(JMM)のへマント・ソレン新州首相が宣誓・就任した。
7月7日 
*インディアン・エクスプレス紙他によれば、7日、ビハール州ボードガヤーのマハボディ寺院において、簡易爆弾による連続爆発が発生し、数名が負傷した。7日、シン首相は、爆発を非難する声明を発表した。
7月19日
*現地報道によれば、19日、ラメシュBJP・タミル・ナドゥ州幹事長が同州セーラム市において何者かに刺殺された。21日、ジャヤラリタ州首相は、右事件を強く非難した。20日及び22日、右事件に対するBJPの抗議デモが州内各地で行われ、約6,000名が逮捕された。
7月20日
*20日、インド下院事務局は、第15回下院議会の第14会期、いわゆる「モンスーン国会」の日程を、8月5日(月)から30日(金)までとすると発表した。
7月23日~
*23~25日付及び27日付ザ・ヒンドゥー紙は、次期総選挙に関する世論調査の結果を掲載した。これによれば、コングレス党は131~139議席(前回206議席)、BJPは156~164議席(前回116議席)を獲得する見込み。
7月29日
*現地紙によれば、7月11日から投票が行われていた西ベンガル州・内村落自治体選挙は、29日中に大勢が判明し、州与党トリナムル・コングレス党(AITC)が17県中13県において、第1党となり勝利を収めた。
7月30日
*31日付HT紙他各紙やコングレス党発表によれば、30日、コングレス党は、党執行委員会を開き、アンドラ・プラデシュ州を分割し、テランガナ州を創設する方針を決定した。現在の州都ハイデラバードを10年間は共同州都とするとした。

Ⅱ.経済
7月12日
*12日、インド商工省は、2013年6月の貿易額(暫定値)を発表。エコノミック・タイムズ紙他各紙とも、輸出は5月に続き6月もマイナス成長が続いているが、金銀の輸入減少の結果、貿易赤字は5月の約200億ドルから6月は122億ドルへと減少したなどと報じている。
7月15日
*15日付インド商工省発表によれば、卸売物価指数(WPI)に基づく6月のインフレ率は前年同月比4.86%となり、5月の4.70%よりわずかに上昇するも、昨年6月の7.58%に比し大幅に低下した。
7月15
*インド準備銀行(RBI)は、15日、過去6週間の大幅なルピー下落を受け、ルピー安抑制措置を発表した。
7月16日
*16日、インド商工省の発表によれば、シン首相主催の海外直接投資に関する会合において、基本通信及び移動体通信サービス等への外国資本の出資率上限について、政府認可を得ることを条件に現行の74%から100%に引き上げる旨決定された。
7月19日
*19日付エコノミック・タイムズ紙は、インドASEAN・FTAのサービス・投資協定部分は、昨年12月に大枠の合意に至ったものの、細部の作業が残っており、本年8月中には決着しそうにないと報じた。専門家の移動や、医療及び教育部門における相互承認が主な膠着点。
*政府発表によれば、19日、シン首相は、インド合同商工会議所(ASSOCHAM)の年次総会にて演説し、コングレス党の経済運営面の成果についてアピールした。
7月30日
*30日、インド準備銀行発表によれば、同銀行は、金融政策会合を開催し、政策金利であるレポ・レートを現在の7.25%のまま据え置く決定をした。

Ⅲ.外交
7月1日
*2日付タイムズ・オブ・インディア紙によれば、ブルネイで開催されたASEAN外相会議の際、クルシード外相が、朴宜春・北朝鮮外相と二国間会談を行い、核拡散についてのインドの深刻な懸念を伝えた。
7月1日
*2日付ヒンドゥー紙は、スジャタ・シン駐ドイツ大使のインド外務次官への任命が、シン首相により承認された旨報じている。スジャタ・シン女史(59歳)は、7月31日に定年退職となるマタイ外務次官を引き継ぐこととなる。
7月6日
*インド国防省は、7月4日から7日にかけて、アントニー国防相が、中国を公式訪問し、常万全・中国国防相と会談するとともに、李克強総理を表敬し、楊潔チ国務委員との会談を行ったと発表した。両国国防大臣は、防衛交流の重要性を確認した。また、平和と平穏の維持に関する合意や協定の実施状況をレビューし、更なる強化を指示するとともに、国境防衛協力協定交渉の早期妥結に合意した。その他、2013年中の中国での両国陸軍間合同対テロ演習の実施を歓迎した。
7月11日
*報道及び外務省発表によれば、11日、訪印したファム・ビン・ミン・ベトナム外相は、クルシード外相と両国合同委員会を行い、二国間関係や南シナ海を巡る問題等について協議した。
7月11日~12日
*米国務省発表等によれば、11~12日、チダムバラム財務大臣、シャルマ商工大臣らが訪米し、ルー米財務長官、プリツカー商務長官らと、米印CEOフォーラムを開催した。
7月13日
*14日付サンデー・タイムス紙は、13日に行われたブータン総選挙に関して、インド寄りの野党国民民主党(PDP)が、与党ブータン調和党(DPT)を打ち破ったと報じた。
7月22日~25日
*インディアン・エクスプレス紙他各紙によれば、22日から25日まで訪印したバイデン米副大統は、シン首相と会談し、インドのルック・イースト政策を米国のアジア回帰を補完するものと言及。シン首相は、二国間の経済交流の重要性を強調した。また、両者は、二国間原子力協定を商業的にどう進めていくかについても議論した。この他、ムカジー大統領、アンサリ副大統領、ガンディー・コングレス党総裁、スワラージ下院野党議員団長とも会談を行った。
*バイデン米副大統領は、ムンバイを訪問し、24日、ボンベイ証券取引所にて米印貿易等に関するスピーチを行い、また、経済界代表らとの円卓会議を行った。
7月25日
*タイムズ・オブ・インディア紙他各紙によれば、27日、シン首相は、訪印したモニ・バングラデシュ外相との会談で、水利問題に関してバングラデシュの利益を損なうことは行わないと確約し、地境協定に関し、モンスーン国会において批准のための憲法改正案を提出すると示唆した。

4.日印関係
7月4日
*4日付ヒンドゥー紙他は、ウッタラカンド州での洪水被害に対する安倍総理発シン首相宛お見舞いメッセージについて報じている。安倍総理は、犠牲者に哀悼の意を表するとともに、国際赤十字・赤心月社を通じて、20万米ドルの緊急無償資金協力を行う旨発表した。また、日本は、ウッタラカンド州の中長期的な再興策への支援も行うとしている。

安倍総理のお見舞いメッセージは、在インド国日本大使館のホームページ内でご覧になれます。