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日印関係最新情報

月間インドニュース(2019年1月)

2019年2月15日掲載


1. 内政
【連邦政府/連邦議会】 
1月10日:チョウハン前マディヤ・プラデシュ州首相、シン前チャッティースガル州首相、ラジェ前ラジャスタン州首相がBJP副総裁に就任した。
1月19日:コルカタにおいて、全印草の根会議派(AITC)主催の反BJP野党による大規模集会が開催された。集会には、ヤーダブ社会主義党(SP)党首、ナイドゥ・テルグ・デサム党(TDP)党首、カルゲ・コングレス党幹事長、ミシュラ上院議員(大衆社会党(BSP))含む20以上の野党の幹部等が参加した。これに対し、モディ首相は、インドを食い物にする(looting)ことができなくなった者たちの連合であり、反モディではなく反国民の連合であるとして批判した。
1月22日:シャーBJP総裁は、西ベンガル(WB)州マルダにおける集会で、1月19日に実施された野党合同集会に参加した各党指導者のうち9人が個人的利益のために首相となることを望んでおり、野党連合はまとまりがないとして批判した。
モディ首相は、ヴァラナシにおける集会で、コングレス党が長年に亘り汚職の問題を放置してきたとして批判し、BJPは4年半で汚職の根を85%掘り起こしたと述べた。
1月23日:プリヤンカ・ガンディー・ヴァドラ(ラーフル・ガンディー・コングレス党総裁の妹)がコングレス党幹事長に就任した。
1月28日:ラーフル・ガンディー・コングレス党総裁は、ライプルにおける集会で、コングレス党が政権を樹立すれば、貧しい全ての人々に対しベーシック・インカムを導入すると述べた。
1月29日:連邦議会の予算国会が開会した。
1月30日:モディ首相は、スーラトにおけるイベントでの演説で、単独過半数を有し、強く大きな決断のできる強力な政権が樹立できるようにと有権者に支持を訴えた。
シャーBJP総裁は、ラクナウにおける集会での演説で、BJPが「強い」政府を望んでいるのに対し、野党連合は「しようのない(helpless)」政府を望んでいるとして批判した。また、仮に野党連合が政権を樹立した場合、日替わりで首相が交代するであろうと揶揄した。

2. 経済
【インド経済(金融安定性報告書(Financial Stability Report)(2018年12月)の公表)】
2018年12月31日:インド準備銀行(RBI)が、金融安定性報告書(Financial Stability Report)を公表した。今回公表された統計では、商業銀行(scheduled commercial banks: SCB)における総不良債権比率(gross non-performing-assets: GNPA)は、2018年9月時点で10.8%となり、2015年3月以降初めて同比率が低下することとなった。

3. 外交
【第4回ライシナ対話 】
1月8日-10日:第4回ライシナ対話がニューデリーで実施された。
        ライシナ対話:インド政府が旗艦事業として全面的に支援する国際会議であり、印外務省とインド主要シンクタンクであるオブザーバー・リサーチ基金(ORF)が共催し、2016年以降首都デリーで毎年開催。主にインドを含む南アジア、ASEAN、欧米諸国が直面する諸課題を議論しており、例年、地域内外から外交・防衛に関わる閣僚・政府関係者や有識者が出席する等、国際的な関心も高い。

【印スペイン関係】
1月7日-10日:ボレル・スペイン外務・EU・協力大臣はライシナ対話出席のために訪印し、スワラージ外相等と会談した。
【印モンゴル関係】
1月7日-11日:ツォグトバータル・モンゴル外務大臣が訪印し、ライシナ対話のサイドラインでスワラージ外相と会談した。
【印マレーシア関係】
1月9日-10日:アンワル・イブラヒムPKR党首は、ライシナ対話のサイドラインでスワラージ外相と会談(9日)したほか、モディ首相を表敬(10日)した。
【印ネパール関係】
1月10日-11日:ギャワリ・ネパール外務大臣はライシナ対話出席のために訪印し、スワラージ外相と会談した。
【印パキスタン関係】
1月18日:印外務省報道官は、パキスタンによる「インドはアフガニスタンにおいて果たす役割はない」とのステートメントについて、コメントを発表した。
【印南アフリカ関係】
1月25日-26日:ラマポーザ南アフリカ共和国大統領は、26日に行われた第70回共和国記念日パレードの主賓として、初めてインドを公式訪問した。

4. 日印関係
1月7日-9日:河野外務大臣がインドを訪問した。
今月の注目点(その1):第10回日印外相間戦略対話(概要)
インドを訪問中の河野外務大臣は、7日(月曜日)、午後7時(現地時間)から約40分間、スシュマ・スワラージ・インド外務大臣(H.E. Mrs. Sushma Swaraj、 Minister for External Affairs)と第10回日印外相間戦略対話を行ったところ、概要は以下のとおりです。
1.冒頭
スワラージ外務大臣から、大臣の訪印を歓迎するとともに第10回目となる日印外相間戦略対話をデリーにて開催でき嬉しい、2018年のモディ首相の訪日は多くの成果があり成功であった、今回の会合が2019年のスタートであり、日印関係を幅広い分野で一層強化していきたいと述べました。
これに対して河野大臣から、大臣として初めて訪印することができて嬉しい、昨年10月のモディ首相訪日では日印両国が特別な関係であることを示すことができた、インドは自由で開かれたインド太平洋を実現する上での最重要パートナーであり、地域や世界の平和と繁栄を主導していきたい旨述べました。
2.二国間関係
(1)総論:河野大臣から、本年は日本がG20主催国であり、モディ首相やスワラージ大臣の訪日を楽しみにしている、また、本年は安倍総理が訪印する順番であり、2019年が日印関係深化にとって実りあるものになるように外相間で協議していきたい旨述べました。
これに対し、スワラージ大臣から、G20議長国である日本をインドとしてサポートしていく旨述べられました。
(2)安全保障:河野大臣から、両国の安保防衛協力を更に推進していく上で、昨年10月の日印首脳会談で合意した閣僚級2+2を本年中の可能な限り早期に開催したい、宇宙対話及びサイバー協議の早期開催に向けて調整を進めていきたい旨述べました。
これに対し、スワラージ大臣から、閣僚級2+2を早期に開催したいと述べた上で、宇宙対話、サイバー協議の早期開催とともにいわゆるACSA の早期交渉開始について言及がありました。

    ACSA:物品役務相互提供協定(ACSA: Acquisition and Cross-Servicing Agreement)は、自衛隊と外国の軍隊とが物品・役務を相互に提供する際の決済手続等の枠組みを定めるもの。

 (3)経済:河野大臣から、昨年12月の3件の円借款供与に係る交換公文署名を歓迎する旨述べました。
スワラージ大臣からは、日本企業によるさらなるインドでの投資への期待が示されました。
(4)人的交流
河野大臣から、今般、インドを代表する有識者や企業家から構成される印日友好フォーラムが立ち上げられたことを歓迎し、こうした日印間の人的・文化交流が一層進むことを期待する旨述べ、人的交流の拡大の重要性について両者で一致しました。
(5)連結性強化
河野大臣から、日印双方の自由で開かれたインド太平洋に向けたヴィジョンの実現に向け、第三国やインド北東州での協力の重要性について確認し、特にアクト・イースト・フォーラムを通じた協力の具体化を引き続き行っていくことで一致しました。
3.地域情勢及びグローバルな課題
両外相は、北朝鮮を含む地域情勢やG20、安保理改革、軍縮不拡散、RCEP等のグローバルな諸課題について意見交換を行いました。

今月の注目点(その2):河野外務大臣によるモディ・インド首相表敬(概要)
7日(月曜日)、インドを訪問中の河野外務大臣は、午後8時10分すぎ(現地時間)から約25分間、ナレンドラ・モディ・インド首相( H.E. Mr. Narendra Modi、 Prime Minister of India )を表敬したところ、概要以下のとおりです。
1.冒頭、モディ首相から、河野大臣の訪印を歓迎する、友人である安倍首相と日本国民の皆さんに対して、あけましておめでとう、と伝えたいと述べました。
2.河野大臣から、以下のとおり述べられました。
(1) 昨年10月のモディ首相訪日以来、再度お会いすることができ嬉しい。
(2)インドは自由で開かれたインド太平洋を実現する上での最重要パートナー。地域や世界の平和と繁栄を主導していきたい。
(3)本年は日本がG20主催国であり、昨年に続くモディ首相訪日を楽しみにしている。首脳間の相互訪問により本年は安倍総理が訪印する順番であり、安倍総理の訪印が実りあるものになるように調整していきたい。
(4)安全保障・防衛協力を進めるため、閣僚級2+2、ACSA交渉、宇宙・サイバー協議の早期開催に向けて調整を行い、また、印日友好フォーラムを活用して人的交流を強化していきたいと述べました。
最後に、印日友好フォーラム(India Japan Friendship Forum)は、芸術や文化、知的交流などを通じた日印間の相互理解の推進、インドにおける対日理解の促進、日印間の人の交流の促進を目的とし、先月新たに立ち上げられたフォーラムとなります。ワドワ元駐日大使が会長を務め、有識者や企業家から構成されています。
3.モディ首相からは、G20への出席、安倍総理の訪印を楽しみにしているとの発言がありました。
4.また、河野大臣とモディ首相は、地域情勢について幅広い意見交換を行い、今後も引き続き緊密に連携していくことで一致しました。