
1 内政
【国会】
4月5日
印議会下院において、ウクライナ情勢へのインドの対応に関し、審議が行われ、ジャイシャンカル外相が演説を行った。同演説では、インドが他国同様自国の利益を最優先している旨説明しつつ、「インドがどちらかの側を選ぶとすれば、それは平和の側であり、暴力の即時停止を求める側である」と述べた。
4月7日
印予算国会が閉会した。同国会では11の法案が成立した。
【カルナータカ州】
4月14日
現地メディアは、道路工事の代金を支払われなかった請負業者の自殺に関与したとされる、エシュワラッパ・カルナータカ州農村開発・パンチャーヤト大臣(BJP)が辞任した旨報じた。
【ヒマーチャル・プラデシュ(HP)州】
4月15日
タクールHP州首相(BJP)は、同州チャンバ市で開催された第75回HP州記念日式典において、女性の公共バス乗車賃の半額や、一定数までの電力無償化、村落部に暮らす州民に対する水道料金免除を発表した。
【コングレス】
4月17日
ソニア・ガンディー・コングレス暫定総裁は選挙戦略家のプラシャント・キショールと会議を行い、キショールが提案した2024年総選挙に向けた同党の再生計画を検討する為の委員会を立ち上げた。
【グジャラート州】
4月18日~20日
モディ首相がグジャラート州を訪問。州都ガンディーナガル市の教育関連施設を視察したほか、WHOがGJ州ジャムナガル市内に開設する世界伝統医療センター(Global Centre for Traditional Medicine、GCTM)の定礎式に出席した。また、ガンディーナガル市内において、グローバルAYUSH投資・イノベーションサミットの開会式に参加した後、同州ナルマダ川流域のダホド地区において、部族民大会(Adijati Maha Sammelan)に出席し、同地域への水供給計画など、総額2200億ルピー相当の各種開発計画の着手を発表した。
【マハーラーシュトラ(MH)州】
4月17日
マハーラーシュトラ復興軍団(MNS)党首のラージ・タークレーは、4月2日に続き、MH州政府に対し同州内のモスクにおけるスピーカーの使用禁止を訴えた、同氏は5月3日までに訴えが聞き入れられない場合、相応の対応をする必要があると述べた。
4月18日
MH州内務省は、宗教施設での正式な許可のないスピーカーの使用は認められない旨発表した。
【ジャンム・カシミール(JK)準州】
4月24日
モディ首相はJK準州を訪問し、JK市民への演説で、「JK準州の草の根レベルに民主主義が行き届いていることを誇りに思う」と述べた。
2 経済
石油やディーゼルに対する税の削減に関する中央政府からの要請を聞き入れなかった、野党が政権を握る州内での石油価格高騰に関して、モディ首相は、税の削減に取り組むよう訴え、この世界的危機にあって協調的な連邦主義の精神のもと行動するよう求めた。モディ首相は、これらの州は、人々に利益をもたらさないことで、不正義を行っており、近隣諸州にも不利益をもたらしていると述べた。
3 外交
(印・露関係)
4月1日
印外務省は、ジャイシャンカル外相がラヴロフ露外相と会談を行った旨発表した。両外相は貿易及び経済関係における最近の進展の影響を考察し、ジャイシャンカル外相は、経済的発展途上国として、様々な分野における国際的不安定性について、インドは特別の関心を持っていると強調したと発表した。また、両外相はウクライナに関する情勢を議論し、ラヴロフ露外相はインド側に、現在進行中の交渉を含め、ロシアの見方を説明した。ジャイシャンカル外相は、暴力の停止と戦闘の終了の重要性を強調し、意見の相違や紛争は、対話や外交を通じ、また国際法、国連憲章、国家の主権及び領土一体性を尊重することによって解決されるべきである旨伝えたと発表した。
(印・ネパール関係)
4月2日
4月1日から3日にかけて、デウバ・ネパール首相が訪印した。2日、印外務省は、モディ首相がデウバ首相と首脳会談を行った旨発表した。両首相は、政治、経済、貿易、エネルギー、安全保障、開発問題など二国間のアジェンダを幅広く検討した。ジャイシャンカル印外相及びアジット・ドヴァル印国家安全保障担当補佐官が、デウバ首相に表敬した。
4月4日
印政府は4月30日にシュリングラ外務次官が引退するにあたり、ヴィナイ・モハン・クワトラ駐ネパール大使を外務次官に任命することを承認した旨発表した。
(印・イスラエル関係)
4月4日
印外務省は、同日にモディ首相がベネット・イスラエル首相と電話会談を実施した旨発表した。
(印・米関係)
4月11日
印外務省は、モディ首相がバイデン米大統領とテレビ会談を行った旨発表した。両首脳は、新型コロナのパンデミック、気候変動対策、ウクライナ情勢など、地域的及び世界的な問題について、広範な意見交換を行った。また、印米包括的グローバル戦略的パートナーシップの更なる強化が両国にとって多大な利益となり、世界の平和、繁栄及び安定に貢献することになるとの考えで一致した。
印外務省は、ワシントンにおいて第4回米印外務・防衛(2+2)閣僚会合が実施された旨発表した。共同記者会見にて、ジャイシャンカル印外相は、ブリンケン長官との会談では、多くの影響を及ぼしているウクライナで進行中の紛争についてかなりの部分が費やされた、我々(インド)は、米国が日米豪印に注いでいる関心とエネルギーを高く評価しており、実際、日米豪印は、強力なグローバルな善の勢力となっている旨発言した。
(印・英関係)
4月21日-22日
ジョンソン英首相が訪印した。二国間会談において、両首脳は2021年5月のテレビ首脳会談で立ち上げられたロードマップ2030における進展を歓迎し、二国間関係の全分野における強固で行動志向の協力へのコミットメントを再確認した。また現在進行中のFTA交渉と貿易促進パートナーシップ(Enhanced Trade Partnership)実施の進展を歓迎し、2022年10月末までに包括的でバランスの取れた貿易合意を締結することで合意した
両首脳は共同開発及び共同生産を含む防衛協力を議論した。サイバー・ガバナンス、サイバー抑止、重要国家インフラの保護等サイバーセキュリティ協力を強化する共同声明を発出した。テロや原理主義に対する協力でも合意した。
両首脳はインド太平洋、アフガニスタン、国連安保理、G20、コモンウェルス等における協力等を議論した。インドは英国がインド太平洋イニシアティブの海洋安全保障の柱に参加することを歓迎した。両首脳はウクライナ・ロシア紛争を議論した。モディ首相は悪化する人道危機に深い懸念を表明し、戦闘の即時停止と直接対話と外交への回帰への訴えを再度強調した。
モディ首相はパリ合意の目標達成とグラスゴー気候合意実施のための野心的な気候行動へのコミットメントを確認した。洋上風力やグリーン水素を含むクリーンエネルギーの導入に関する協力を強化し、COP26で印英が立ち上げたISAの「Global Green Grids - One Sun One World One Grid Initiative(OSOWOG)」とCDRIのIRISの早期運用開始に向け協力することで合意した。
グローバル・イノベーション・パートナーシップ実施及び原子力グローバルセンター(GCNEP)に関するMoUが交換された。GIPを通じて、印英は、気候変動に対応した持続可能なイノベーションの第三国への移転と拡大を支援すべく、最大 7500 万ポンドの共同出資を行う。本パートナーシップの下で設立された GIP ファンドは、インドのイノベーションを支援するために市場から 1 億ポンドの調達を目指す。戦略技術対話(Strategic Tech Dialogue)(5GやAI等新興通信技術に関する閣僚レベルの対話)及びCollaboration on Integrated Electric Propulsion(両国海軍間の共同技術開発)が発表された。
ジョンソン首相は21日にグジャラート州アーメダバードを訪問し、サバルマティ・アシュラム、JCB工場、グジャラート・バイオテクノロジー大学等を訪問した。
モディ首相はインドが議長国を務める2023年のG20にジョンソン首相を招待した。ジョンソン首相はモディ首相を英国に招待し、モディ首相は承諾した。
(印・モルディブ関係)
4月25日
ジャイシャンカル外相がナシード・モルディブ議長と面会した。
(印・欧州関係)
4月25日
モディ首相とライアン欧州委員会委員長が、印・EUによる輸出入・技術委員会設置に関する共同声明を発表した。
(印・独関係)
4月27日
モディ首相が、5月2日から4日にかけてドイツを訪問した。印独政府間協議には、モディ首相とショルツ首相が出席した。
冒頭発言で、両首脳は二国間関係の重要な側面を強調し、地域・国際情勢について見方を共有した。モディ首相は、印独関係は複雑な政界における成功例となり得ると強調し,インドの「自立したインド(Atmanirbhar Bharat)」計画にドイツが参加するよう招待した。
両国からの参加閣僚・政府高官は、以下のIGCの様々な分野の会合について報告を行った。印側からはシタラマン財相、ジャイシャンカル外相、シン科学・技術,宇宙科学閣外大臣,ジェインDPIIT省次官and Secretary DPIIT Shri Anurag Jainが報告を行った。
・国際情勢・安全保障
・経済、財政政策、科学・社会交流
・気候、環境、持続可能な開発とエネルギー
プレナリー・セッションは、両首脳の)「グリーンで持続可能な開発のためのパートナーシップに関する共同声明(JDI) 」で締めくくられた。本パートナーシップは、SDGs及び気候行動に関する協力に向けた政府全体での取組を構想するものである。本パートナーシップの下、ドイツは2030年までに100億ユーロの新たな開発援助の事前コミットメントを行うことを決定した。また、ハイレベルの調整と政治的方向付けを提供するための閣僚級メカニズムを創設する。
その他,印独共同声明が採択され,閣僚級二国間会談において多くの合意が結ばれた。
(その他)
4月23日 モーリシャス首相がジャイシャンカル外相を表敬した。
4月24日 ジャイシャンカル外相が各国外相と面会した(アルゼンチン、フィリピン、ナイジェリア)。
4月25日 ジャイシャンカル外相がライシナ対話の開会セッションに参加した。
4月26日 ジャイシャンカル外相が各国外相と面会(リトアニア、ノルウェー、オランダ、ルクセンブルク)
4月27日 ジャイシャンカル外相が各国外相と面会した(ポルトガル、マダガスカル、ガイアナ)。
4月28日 ジャイシャンカル外相が、4月28日から30日にかけてバングラデシュ及びブータンを訪問した。
4 日印関係
4月28日
本田太郎外務大臣政務官は、在京インド大使館主催による「日印国交樹立70周年記念祝賀会」に出席し、70年前にインドが日本の国際社会への復帰に際し、名誉と平等の立場が確保されるべきとの考えから個別の平和条約締結を選んだことを想起し、この記念すべき日を日印関係のために尽力されておられる方々と共にお祝いできることを大変嬉しく思う旨述べた。また、本田外務大臣政務官は、長年にわたり日印関係を支え、深みのあるものにしているのは人的交流や文化交流である旨述べつつ、国交樹立70周年という節目の年に、日印関係が幅広い分野で一層強化されるよう、取り組んでいく旨述べた。