日印関係最新情報

月間インド・ニュース(2015年9月分)

2015年10月6日掲載


Ⅰ. 内政
9月9日
*9日、インド選挙管理委員会は、11月29日で任期満了となるビハール州議会の選挙日程等概要を以下のとおり発表した。
 ・州議会議席: 243議席(指定カースト(SC)に対する留保38議席、
  指定部族(ST)に対する留保2議席)
 ・有権者(9月7日時点): 66,826,658人
 ・投票所数: 62,779所
 ・投票日
  第1回投票( 49選挙区):10月12日(月)
  第2回投票( 32選挙区):10月16日(金)
  第3回投票( 50選挙区):10月28日(水)
  第4回投票( 55選挙区):11月 1日(日)
  第5回投票( 57選挙区):11月 5日(木)
 ・開票日: 11月8日(日)
9月10日
*10日、ムンバイ高等裁判所は、マトン販売者協会からの訴えを受けて、ジャイナ教の宗教行事に合わせ、ムンバイにおける全ての食肉の殺傷及び販売を4日間(9月10日、13日、17日、18日)禁止するというムンバイ市議会の決定は、ムンバイのような大都市では不適切であると疑義を呈した。11日には、BJP率いるムンバイ市議会が、各方面からの批判を受けて、食肉の殺傷及び販売を禁ずる処置を、4日から2日(10日、17日のみ)に減らすと発表した。14日、ムンバイ高等裁判所は、ムンバイ市議会の、17日に食肉の販売を禁じる決定は市民の食生活を突然制限することになり正しい行為と見なせないとして、食肉の販売を許可すべきとする暫定的な判決を下した。
9月13日
*13日付タイムズ・オブ・インディア(TOI)紙によれば、インド政府は、国内の防衛産業基盤活性化のため、航空機及び戦闘艦艇から戦車及び誘導ミサイルに至る6つの重要な分野で、選定された防衛産業関連企業と「戦略的パートナーシップ」を結ぶとした。パリカル国防大臣は、元国防研究開発機構(DRDO)所長のアートレ氏が率いる委員会にて、「メイク・イン・インディア」の一環として、戦略的パートナーシップを結ぶ民間企業選定に係るガイドラインが間もなく提言されるだろう、と述べた。
9月18日
*18日付TOI紙他は、米国の調査機関「Pew Research Center」が17日に発表した本年4月から5月にかけてインドで実施した調査で、モディ首相が引き続き高い支持を得ているとの結果が出た旨報じている。モディ首相の人気は、就任後1年を経ても引き続き上昇しており、調査を行った人のうち87%が、モディ首相に対し「好意的な」( favorable)見方を持っている旨回答した。その中にはコングレス党等のBJPのライバル政党の支持者も含まれている。

Ⅱ. 経済
9月1日
*インド財務省発表によれば、インド政府は、2015年4月1日より前の期間について、外国人機関投資家に対して最低代替税(Minimum Alternate Tax: MAT)課税を不適用とすることとし、所得税法(Income-Tax Act)の適切な改正を行うことを決めた。
9月14日
*14日、インド商工省は、同省産業政策・振興局、世銀、インド工業連合会( CII)及びインド商工会議所連盟(FICCI)等が共同で実施した、インド各州の改革実施状況の調査をまとめた報告書「州別ビジネス改革実施状況評価」を発表した。

Ⅲ. 外交
【インド・米国関係】
9月22日
*インド外務省発表等によれば、22日、ワシントンにおいて、スワラージ外相はケリー国務長官と初の米印戦略・通商対話を実施した。同対話後、共同声明、テロとの戦いに係る米印共同宣言、ファクトシート(①グローバルの協調、②商業、貿易及び経済に関する米印協力、③エネルギー・気候、環境、科学技術及び保健、④高等教育と技術研修)を発出した。
9月23日~28日 
*インド政府発表や報道によれば、モディ首相は、9月23日から28日まで米国(ニューヨーク及びサンノゼ)を訪問した。28日にオバマ大統領との首脳会談を実施した。
*モディ首相は、米金融セクターCEO、メディア及びエンターテイメント・セクターCEO、Fortune500・CEO、ブルームバーグ前NY市長、アップルCEOとそれぞれ会合を行った。また、デジタル・インディア・フォーラム(グーグル、マイクロソフト、アドビのCEO等)、フェイスブックCEOとのタウンホール・ミーティング、スタートアップ(新興企業)イベントを実施した。更に、企業視察(テスラ・モーターズ、グーグル)も実施した。
*モディ首相は、サンノゼにおいてインド人コミュニティ( 約18,000人)との会合を実施。
【インドの国連外交】
9月23日~28日 
*モディ首相は、9月23日から28日まで国連総会に際して米国を訪問し、国連サミット(「持続可能な開発のための2030アジェンダ」採択)、国連平和維持に関する首脳会合に参加した。
*モディ首相は、今次訪米に際して、米、英、仏、バングラデシュ、スリランカ、ブータン、セントビンセントおよびグレナディーン諸島、ガイアナ、スウェーデン、キプロス、エジプト、セントルシア、ヨルダン、パレスチナ、メキシコ等の首脳、国連事務総長、世銀総裁と会談を実施した。また、G4(インド、日本、ドイツ、ブラジル)首脳会合を実施した。
10月1日
*インド外務省発表によれば、10月1日、スワラージ外相は、国連総会一般討論演説において演説した。
【インド・スリランカ関係】
9月15日
*モディ首相は、15日、就任後初の外遊先としてインドを訪問したウィクラマシンハ・スリランカ首相と首脳会談を実施した。
【インド・ネパール関係】
9月20日 
*ネパールは、20日、新憲法を公布した。これを巡り、インド外務省は懸念を表明した。
*19日、ジャイシャンカル外務次官は、プレスステートメントを発出し、モディ首相の特使としてカトマンズを2日間訪問した旨、国民に幅広く受け入れられ、永続性と順応性を有する憲法を望む旨述べた。
*インド外務省は、21日、ネパール情勢に関する声明を発出し、20日の憲法公布後、インドとの国境沿いにあるネパール国内の地域において、死傷者を出すに至る暴力事件が生じていることに対し、深い懸念を有する旨表明した。

Ⅳ. 日印関係
9月2日~4日
*城内外務副大臣は、9月2日~4日の日程でインドを訪問し、デリーで開催されたセミナー「紛争回避と環境配慮に関するグローバルなヒンドゥー教・仏教イニシャティブ」に出席し、開会式でスピーチを行った。開会式では、安倍総理のビデオ・メッセージが紹介された。城内副大臣は、開会式の機会を捉えてモディ首相と短時間立ち話を行った他、リジシュ内務担当閣外大臣等と懇談した。
9月8日~13日
*ファドナヴィス・マハーラーシュトラ州首相は9月8日から13日の日程で訪日した。訪日中、同州首相は、宮沢経済産業大臣、太田国土交通大臣及び企業関係者と懇談した。宮沢経済産業大臣との懇談の際には、経済産業省とマハーラーシュトラ州の間で官民協力に関する覚書に署名がされた。
9月21日
*21日、モディ首相は、自身のツイッターのアカウントに、安倍総理の誕生日に寄せて「自分の友人である安倍総理の誕生日を祝福します。安倍総理のご長寿とご健康を祈念します。安倍総理との交流をいつも大切なものとして思い起こしています。」とツイートした。
9月26日
*外務省発表によれば、26日、モディ・インド首相が主催し、安倍総理、メルケル・ドイツ首相及びルセーフ・ブラジル大統領が出席して安保理改革に関するG4首脳会合がニューヨークにおいて行われた。
9月30日
*外務省発表によれば、ニューヨークにおいて、初の日米印外相会合が開催された。今次会合には、我が国から岸田外務大臣、米国からケリー国務長官、インドからスワラージ外務大臣がそれぞれ出席した。