日印関係最新情報

月間インド・ニュース(2015年3月分)

2015年4月14日掲載


Ⅰ. 内政
3月1-4日
*各紙報道によれば、1日、庶民党(AAP)の創設メンバーで全国幹部の一人であるプラシャント・ブシャンによる、ケジリワル党首が独裁的になりつつあると批判する手紙(2月26日付)が公表された。同手紙の中で、AAP幹部のヨゲンドラ・ヤダブも昨年8月にインタビューで党の選挙戦略について不満を漏らしていると記載されていた。
4日、AAPは全国幹部による会議を開催し、ブシャン、ヤダブ両氏を政治問題委員会から除名することを決定(ただし両名は今後も党に残留する意向を表明)。
3月10-28日  土地収用法改正法案
*各紙報道によれば、土地収用法改正法案を巡る政争は以下のとおり。
・10日、下院は同法案を可決。
・16日、コングレス党員は、同法改正の反対を訴えデリーで数百名規模の抗議行進を実施。警察が放水するなどの衝突が発生。
・17日、ソニア・ガンディー・コングレス党総裁は、同法改正に対する抗議行進を実施。同行進には、シン前首相を含む100名以上の国会議員が参加。同総裁らがムカジー大統領に面会し、農民を守るために上院での同法改正を進めないよう求めた。
・17日、ソニア・ガンディー総裁は、アンナ・ハザレに対する返書の中で、コングレス党は反農民的な同法改正への反対を継続する旨記した。19日、ガドカリ道路交通相は、アンナ・ハザレとソニア・ガンディーの間に交わされた同法改正を批判する手紙のやりとりに反論するため、同法が反農民的ではない旨の公開書簡を送付。
・25日、ナイドゥー議会担当大臣は、政府が土地収用法に関する大統領令を延長せずに廃棄するのではないかとの報道を否定し、必要な措置が適切な時期に政府によってなされる旨発言。
・28日、連邦上院が閉会。
3月13日
*各紙報道によれば、13日、アミット・シャーBJP総裁は、全国幹部の新たなメンバー178名を発表。多くの閣僚・閣外相が同メンバーに含まれたが、モディ首相に近いとされていたイラニ人的資源開発相はメンバーから除外された。
3月25日
*各紙報道によれば、25日、マンモハン・シン前首相は、ヒンダルコ炭鉱を巡る汚職問題に係る特別法廷から被告として召還された件について、最高裁に訴えの棄却を求めた。

Ⅱ. 経済
3月12日
*各紙報道によれば、保険法改正法案は、4日に下院を通過し、12日、上院を通過した。大統領の署名後に法律となり、外資出資比率を26%から49%へ引き上げることが可能となる。冬期国会では成立せず、政府は大統領令を公布する事態に追い込まれていた。
*なお、同法案にはインド人による「経営及び支配(management and control)」という付帯条件が付されており、また、出資上限は、Composite(すなわち、FDI(海外直接投資)及びポートフォリオ投資の合計)の上限が49%とされている。
3月25日
*首相府発表によれば、モディ首相は、インド政府が各種プロジェクトの進捗管理を行うための多目的且つ複合的なプラットフォームであるプラガティ(PRAGATI: Pro-Active Governance And Timely - Implementation。注: ヒンディー語で進展の意)を25日設立し、初会合を実施。

Ⅲ. 外交 
3月10日-11日
*インド外務省の発表によれば、モディ首相は、3月10日から11日の日程で、セーシェルを訪問した。モディ首相はミッシェル・セーシェル大統領と会談後の記者発表で、両国の安全保障上のパートナーシップが強固であり、地域の海上安全保障の進展のために共通の責務を果たすことを可能としていると述べた。
3月11日-12日
*インド外務省の発表によれば、モディ首相は、3月11日から12日の日程でモーリシャスを訪問した。モディ首相は、ジュグノート・モーリシャス首相との会談後の記者発表で、会談の中で、インド洋の安全及び安定・繁栄したインド洋地域に関する共通の関心について協議した旨述べた。
3月13日-14日
*インド外務省の発表によれば、モディ首相は3月13日から14日の日程でスリランカを訪問した。モディ首相は、ウィクラマシンハ・スリランカ首相に迎えられ、シリセーナ同大統領他政府高官と会談した。今次訪問の際に、インドとスリランカは、スリランカの鉄道セクター向けに新しく3億1,800万ドルのクレジット・ラインを発表、インド準備銀行・スリランカ中央銀行間の15億ドルの通貨スワップ取引、また、海洋経済における協力のための合同作業部会の設置等に合意した。
3月23日
*インド外務省の発表によれば、23日、ニューデリーにおいて、ドバル国家安全保障補佐官と楊潔チ中国国務委員の間で第18回印中国境問題特別代表会合が開催された。今次会合は、モディ政権後初の特別代表会合であり、両代表は、これまでの会合につき包括的なレビューを行い、二国間関係の継続的な成長の前提である、国境地域での平和と平穏を維持するために必要な措置をとることで一致した。
3月25日
*25日、インド外務省報道官は、モディ首相は、4月9日から12日にかけてフランス、12日から14日かけてドイツ、14日から16日にかけてカナダを訪問することを発表した。モディ首相は、各国で、オランド・フランス大統領、メルケル・ドイツ首相、ハーパー・カナダ首相等と会談を行う予定。
3月28日
*28日付ヒンドゥスタン・タイムズ紙によれば、モディ首相は、5月14日から19日までの日程で中国、モンゴル、韓国を訪問する。今次訪問は、メイク・イン・インディアのイニシアティブと合わせ、戦略的に重要な地域におけるインドの外交政策にモメンタムを与えて、東アジア政策に活力を与えることを目的とする他、中国では国境問題、モンゴルでは、2009年にインド・モンゴル間で合意したウラン供給についての覚書の進展、韓国ではメイク・インディアといったことに焦点が当てられるとされる。

Ⅳ. 日印関係
3月30-31日
*外務省及び防衛省発表によれば、30日、訪日したパリカル・インド国防大臣は安倍総理を表敬し(下記写真)、中谷防衛大臣と防衛相会談を行い、31日、岸田外務大臣を表敬訪問した。パリカル国防大臣にとって今回の訪日は初の外遊となった。

出典:首相官邸ホームページ

出典:首相官邸ホームページ