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日印関係最新情報

月間インドニュース(2020年7月)

2020年8月10日掲載


インド・ニュース(2020年7月)


1 内政

【連邦政府/連邦議会】

7月3日:モディ首相は、ラダック連邦直轄領を訪問し、インド軍兵士に対しその勇気を称える演説を行うとともに、6月15日に対中LAC(管理ライン、中国との間の実効支配線)沿いにおいて死去した兵士の殉教に弔意を示した。

ナイドゥ上院議長は、次期モンスーン国会実施に係る会議において、社会的距離を保った議会運営のため、議員の議場登院及び議会の他室からのビデオ参加の二手段を合わせたハイブリット議会の方法を検討するとともに、8月最終週及び9月第1週における開会の可能性を検討した。

7月22日:6月の選挙で新たに選出された上院議会議員45名が就任した。

【選挙管理委員会(EC)】

7月23日:ECは、空席となっている下院議会1議席及び5州議会7議席の補欠選挙につき、新型コロナウイルス拡大及び悪天候の影響を踏まえ、早くとも9月7日以降の実施とする旨決定した。

【インド人民党(BJP)】

7月4日:モディ首相は、全国の党員を対象としたビデオ演説において、新型コロナウイルス対応に係る党員の奉仕活動を称賛するとともに、BJPは選挙に勝利するための組織であるだけではなく、国民に奉仕し全国民に幸福及び繁栄をもたらす組織である、BJPは危機をチャンスに変えデジタル分野における変容を成し遂げた、などと述べた。

【コングレス】

7月11日:少なくとも7名のコングレス所属下院議員は、ソニア・ガンディー暫定総裁及びラーフル・ガンディー前総裁も出席するコングレス所属連邦議員らのビデオ会議において、ラーフル前総裁の総裁復帰を要求した。

【ジャンム・カシミール(JK)準州】

7月13日:JK国民会議(JKNC)は、2019年8月から拘留状態にある党員16名の釈放をJK準州高等裁判所に提訴した。(2019年8月に印憲法370条無効化が実施されて以降、Public Safety Actのもと拘留されている。)


2 経済

【インド経済(失業率、株式、為替)】

今般インド政府が公表した経済指標の概要は以下の通り。

ポイント

1 失業率

7月のインド国内の失業率は、都市部で9.15%(前月12.02%、前年同月8.3%)、農村部で6.66%(前月10.52%、前年同月6.9%)、インド国内全体で7.43%(前月10.99%、前年同月7.34%)だった。

7月の失業率は6月からさらに回復し、前年同期(7.34%)と同水準にまで回復した。

2 株式

SENSEX指数の7月31日(金)の終値は37、606.89ポイントであり、7月24日(金)から522.01ポイント下落した。

7月28日、米国による財政刺激策の期待から世界中の株価が上昇し、SENSEXも約500ポイント上昇した。過去5ヶ月で最高値に近い値をつけた。

3 為替

 7月31日(金)の終値は1ドル74.82ルピーであり、7月24日(金)から0.01ルピー高く終了した。ルピーは週を通してドルに対してほぼ横ばいで推移した。


3 外交

(印露関係)

7月2日:インド外務省は、モディ首相がプーチン露大統領と電話会談を実施した旨発表した。

(印韓関係)

7月10日:シン国防大臣は、韓国のチョン・ギョンドゥ国防大臣と電話会談を実施した。

(印EU関係)

7月15日:第15回印EU首脳会談がウェブ上で実施された。共同声明が発表されるとともに、「印EU戦略パートナーシップ:2025年までのロードマップ」及び「資源効率と循環型経済にかかる印EU共同宣言」について合意された。


(印米関係)

7月21-22日:米国商工会議所・米印ビジネスカウンシル主催のウェブ・セミナー「USIBC India Ideas Summit」が開催され、ポンペオ米国務長官(ビデオメッセージ)、ゴヤル商工・鉄道大臣が参加したほか、22日にはモディ首相及びジャイシャンカル外相がそれぞれ発言を行った。

7月22日:インドの現地メディアは、ゴヤル商工大臣が、米印はquick貿易協定(quick trade deal)への署名に近づいていると述べた旨報じた。

(印・サウジアラビア関係)

7月23日:インドの現地メディアは、ジャイシャンカル外相がファイサル・ビン・ファルハーン・アール・サウード・サウジアラビア外相と電話会談を実施した旨報じた。

(印・北朝鮮関係)

7月24日:インド外務省は、WHOからの要請に基づき北朝鮮に対して100万ドル規模の医療支援を実施した旨プレスリリースを発表した。

(印・イスラエル関係)

7月26日:ジャイシャンカル外相は、ガビ・アシュケナジー・イスラエル外相と電話会談を実施した。

(印・カナダ関係)

7月26日:ジャイシャンカル外相は、フランスワ=フィリップ・シャンパーニュ・カナダ外相と電話会談を実施した。

(印・インドネシ関係)

7月27日:インドネシアのプラボウォ・スビアント国防大臣がデリーを訪問し、シン国防大臣と会談を行った。

(印・ケニア関係)

7月28日:ジャイシャンカル外相は、レイチェル・アウォル・オマモ・ケニア外務大臣と電話会談を実施した。

(印・モーリシャス関係)

7月30日:インド外務省は、モディ首相がビデオ会議を通じてプラヴィン・クマール・ジャグナット・モーリシャス首相とともにモーリシャス最高裁判所の新しい建物のオープニング式典に出席した旨プレスリリースを発表した。

(印・ハイチ関係)

7月30日:ジャイシャンカル外相は、ボシット・エドモン・ハイチ外相と電話会談を実施した。


4 日印関係

7月29日:世界貿易機関(WTO)の紛争解決機関(DSB)は、インドによる情報通信技術(ICT)製品に対する関税引上げ措置について、日本の要請を受け、WTO協定に基づき紛争処理小委員会(パネル)を設置しました。

今月の注目点:印中国境情勢(モディ首相によるラダック訪問:首相府プレスリリース他)


7月3日、インド首相府は、モディ首相が同日ラダックを電撃訪問した旨プレスリリースを発出したところ、プレスリリース概要以下のとおり。

モディ首相は、今朝早くラワット参謀長とともにラダックのニムを電撃訪問した。ニムは(JK準州カルギル地方)ザンスカール山脈に囲まれインダス河沿いに位置する。モディ首相は、印陸軍最高司令官に面会した後、陸空軍及びインド・チベット国境警察の隊員らと意見交換した。


1.兵士の勇気に感謝の意を表する

・モディ首相は、陸軍の母なるインドへの勇気と献身は比類ないものであると述べ、印陸軍の勇気に対し、この上ない賛辞を表した。モディ首相は、国民は我が陸軍が堅く国家を守っていることを理解しているので、平和に過ごすことができるのであると述べた。

・モディ首相は、ここ数週間の陸軍の模範的な勇士のおかげで、世界はインドの強さに注目していると述べた。

2.ガルワン渓谷での犠牲者を忘れない

・モディ首相は、ガルワン渓谷で最大の犠牲を払った母なるインドのすべての誇り高き息子たちを想起した。モディ首相は、殉職した兵士らは、インド全土の一員であり、我々の国土の勇敢な精神を象徴する存在であると述べた。

・モディ首相は、レー・ラダックや、カルギル、シアチェン氷河であれ、高い山々の中や川に流れる氷のような冷水であれ、これらは印陸軍の勇敢さの証明であることを確認した。インドの敵は我が軍の攻撃と激しい怒りを目の当たりにしている。

・モディ首相は、母なるインドと比類なき努力でインドのために尽力するすべての勇敢な兵士と治安部隊の母の2つの「母」に敬意を払った。

3.我々の平和へのコミットメントは弱さではない

・モディ首相は、はるか昔より平和、友好、勇気の美徳がいかにインドの文化の一部であり続けているかについて詳細に述べた。モディ首相は、広く受け入れられてきた平和と発展の雰囲気を妨害しようとするいかなる者に対しても、インドが常に相応の報復を与えてきたことを想起した。

・モディ首相は、インドは、平和と友好にコミットしているが、この平和へのコミットメントはインドの弱さと見られるべきではないと主張した。今日、インドは、海空宇宙戦力であれ陸軍であれ、益々強くなっている。兵器の近代化とインフラ基盤の向上により、国防能力は何倍にもなってきた。

・モディ首相は、インド人兵士が2つの世界大戦を含む世界規模の戦争においても、歴史的に勇敢で優秀であったことを改めて強調した。

4.発展の時代

・モディ首相は、拡張主義の時代は終わったと述べた。今は発展の時代である。モディ首相は、甚大な被害をもたらしたものはまさにこの拡張主義の意識であると述べた。

・モディ首相は、この数年でインド軍の勤務環境や安全のための備えを向上するためのいくつかの措置が取られてきていると付け加えた。具体的に、近代兵器の使用、国境インフラ整備の拡大、国境地域の開発、道路網の拡張等である。さらに、モディ首相は、国境インフラ整備のための支出が3倍に増大していると述べた。

・モディ首相は、国家安全保障装置の強化及び我が陸軍の福利厚生の確保のための努力についても言及した。モディ首相は、過去数十年間に及ぶ軍人家族の福利厚生を確実に確保するための対策に加え、最近の政府のイニシアティブとして、統合参謀総長ポスト(CDS)の創設、大規模な国家戦争記念館の建設、OROP (One Rank One Pension)の達成を強調した。

5.ラダック文化への敬意

・モディ首相は、軍関係者らとの意見交換の間、ラダック文化の素晴らしさとクショ・バクラ・リンポチェ(注:十六羅漢のひとりの転生者とされているラダックの最高仏教指導者)の崇高な教えを想起した。モディ首相は、ラダックは犠牲になった土地であり、これまで愛国者を生み出してきた土地であると表現した。

・モディ首相は、インド国民は、その勇気が強い信念と慈悲心に結びついていたゴータマ・ブッタ(釈迦尊)の教えからインスピレーションを受けていることを強調した。