《写真提供: 内閣広報室》
10月24日、タイにおけるアセアン関連の首脳会議の際、鳩山首相はインドのシン首相と会談した。両首相は、去る9月24-25日にピッツバーグで開催されたG20首脳会議でも顔合わせをしている。
当協会が外務省から入手した会談の概要は次のとおり。
1.日印二国間関係
(1)DFCおよびDMIC計画
両首脳は、最大の懸案である(イ)デリー・ムンバイ間の貨物新線(DFC)建設計画、(ロ)この新線に沿う形で建設する20以上の産業地帯からなるデリー・ムンバイ産業大動脈(DMIC)構想の推進を確認した。
なお、その後27日には、わが国の独立行政法人国際協力銀行とインド政府との間で、DFC計画の最初の詳細調査のための円借款26億円強を貸し付ける契約が調印された。
(2)日印EPA(包括的経済連携協定)締結問題
シン首相より、この協定締結は両国の利益になるので、双方が柔軟性を発揮して早期締結に持って行きたいとの意向を示した。
(協会注)EPA交渉は、インドから日本への後発医療薬(ジェネリックス)の輸出のための日本側の認可手続きについて決着が延びている。
2.国際問題
(1)気候変動問題
シン首相より、鳩山首相の気候変動イニシャティブへの歓迎を表明しインドの排出量は世界全体の4%、一人当たりの排出量は世界平均のわずか4分の1に過ぎないが、責任ある国際社会の一員として気候変動問題に貢献する、そのために国内対策を講じていると述べた。鳩山首相は、12月にコペンハーゲンで行われるCOP15(気候変動枠組み条約第15回締約国会合)の成功のためにはインドのコミットが不可欠であり、国内的取り組みを国際的コミットにするよう促した。
シン首相は、再生可能エネルギーや原子力発電についての日本の協力への期待を表明した。
(2)核軍縮・核不拡散
シン首相より、核のない世界に向けて「思いを同じくする国」と協力したい、インドは核実験モラトリアムを実施し、FMCT(兵器用核分裂性物資生産禁止条約)の協議にも参加していると述べ、検証可能な非差別的枠組みを構築したいと述べた。
鳩山首相は、核廃絶の推進を重視しており、その第1歩として、インドがCTBT(包括的核実験禁止条約)に早期に署名・批准することを促した。
(3)国連安全保障理事会改革
シン首相は、国連の改革、特に日印の常任理事国入りを含む安保理改革について日印で協力していきたいと述べた。
3.日印首脳交流
シン首相から鳩山首相に対し、早期のインド訪問を要請したのに対し、鳩山首相は、できるだけ早く訪印したいと応じた。
(協会注)日印両国政府は、毎年交互に首相が相手国を訪問するとの合意がある。昨年10月にはシン首相が訪日し麻生当時の首相と会談したので、次回は鳩山首相が訪印する番である。国会も始まり、多忙な鳩山首相は今年中に訪印できるであろうか。
(了)
10月24日、タイにおけるアセアン関連の首脳会議の際、鳩山首相はインドのシン首相と会談した。両首相は、去る9月24-25日にピッツバーグで開催されたG20首脳会議でも顔合わせをしている。
当協会が外務省から入手した会談の概要は次のとおり。
1.日印二国間関係
(1)DFCおよびDMIC計画
両首脳は、最大の懸案である(イ)デリー・ムンバイ間の貨物新線(DFC)建設計画、(ロ)この新線に沿う形で建設する20以上の産業地帯からなるデリー・ムンバイ産業大動脈(DMIC)構想の推進を確認した。
なお、その後27日には、わが国の独立行政法人国際協力銀行とインド政府との間で、DFC計画の最初の詳細調査のための円借款26億円強を貸し付ける契約が調印された。
(2)日印EPA(包括的経済連携協定)締結問題
シン首相より、この協定締結は両国の利益になるので、双方が柔軟性を発揮して早期締結に持って行きたいとの意向を示した。
(協会注)EPA交渉は、インドから日本への後発医療薬(ジェネリックス)の輸出のための日本側の認可手続きについて決着が延びている。
2.国際問題
(1)気候変動問題
シン首相より、鳩山首相の気候変動イニシャティブへの歓迎を表明しインドの排出量は世界全体の4%、一人当たりの排出量は世界平均のわずか4分の1に過ぎないが、責任ある国際社会の一員として気候変動問題に貢献する、そのために国内対策を講じていると述べた。鳩山首相は、12月にコペンハーゲンで行われるCOP15(気候変動枠組み条約第15回締約国会合)の成功のためにはインドのコミットが不可欠であり、国内的取り組みを国際的コミットにするよう促した。
シン首相は、再生可能エネルギーや原子力発電についての日本の協力への期待を表明した。
(2)核軍縮・核不拡散
シン首相より、核のない世界に向けて「思いを同じくする国」と協力したい、インドは核実験モラトリアムを実施し、FMCT(兵器用核分裂性物資生産禁止条約)の協議にも参加していると述べ、検証可能な非差別的枠組みを構築したいと述べた。
鳩山首相は、核廃絶の推進を重視しており、その第1歩として、インドがCTBT(包括的核実験禁止条約)に早期に署名・批准することを促した。
(3)国連安全保障理事会改革
シン首相は、国連の改革、特に日印の常任理事国入りを含む安保理改革について日印で協力していきたいと述べた。
3.日印首脳交流
シン首相から鳩山首相に対し、早期のインド訪問を要請したのに対し、鳩山首相は、できるだけ早く訪印したいと応じた。
(協会注)日印両国政府は、毎年交互に首相が相手国を訪問するとの合意がある。昨年10月にはシン首相が訪日し麻生当時の首相と会談したので、次回は鳩山首相が訪印する番である。国会も始まり、多忙な鳩山首相は今年中に訪印できるであろうか。
(了)