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日印関係最新情報

月間インドニュース (2022年10月)

2022年11月22日掲載



1 内政
(中央政府)
19日付、当地メディアは、内務省が、市民権改正法(CAA)にかかる規制の策定に関し、3カ月の猶予を求めた旨報じた。
23日、内務省は、ソニア・ガンディー・コングレス暫定総裁が率いる2つのNGO、ラジブ・ガンディー財団、及びラジブ・ガンディー慈善信託の有していたインド国外からの海外献金を受けるためのライセンス(FCRA登録)を取り消した旨発表した。
27日及び28日、シャー内相出席のもと、ハリヤナ州にインド各州の内務担当大臣が集まり、内相会議が実施された。会議ではサイバー犯罪管理のためのエコシステムの開発、警察の近代化、刑事司法制度における情報技術の利用拡大、土地・国境管理、沿岸警備など、国内の安全保障に関する事柄も議論された。
 
(BJP)
4日付、当地メディアは、2024年総選挙に向けBJP党内で組織改正が進められており、ナッダ同党総裁が任期を1年延長するほか、選挙対策チームが編成される可能性がある旨報じた。
 
(コングレス)
17日、コングレス総裁選挙の投票が行われた。
19日、コングレス総裁選挙の開票が行われ、マルカルジュン・カルゲ上院議員が新総裁に選ばれた。なお、カルゲ上院議員が全投票数の約84%にあたる7,897票を獲得、対抗馬のシャシ・タルール下院議員は約11%にあたる1,072票を獲得した。
26日、カルゲ上院議員がコングレス総裁に就任した。
 
(RSS)
2日、ホサバレRSS事務総長がRSS関連団体主催のウェビナーに参加し、インド国内の貧困、失業、及び不平等に警告を発し、「インドの貧困は我々の前に悪魔の様に立ちふさがっており、これを退治することが重要である。2億人が未だに貧困ライン以下の生活を送っており、少なくとも2億3000万人が1日当たり375ルピー以下の収入しか得ていない。また、国内には4000万人の失業者が存在し、失業率は7.6%に上る」と述べた。
5日、バグワットRSS総裁は、マハーラーシュトラ州ナーグプル市内で開催されたRSS年次総会に出席し、女性に対する平等な権利と働く自由、並びに、インドにおける人口抑制の重要性を強く訴えた。同日、バグワット総裁はモスクやマドラサを訪問しイスラム教聖職者と面会し、RSSがムスリム・コミュニティーへのアウトリーチを拡大する旨公表した。
7日、バグワットRSS総裁は、カースト制度に関する「ヴァルナ」と「ジャーティ」の概念は既に過去のものであり忘れられるべきであるとした上で、社会的平等はインドの伝統の一部であったがそれが忘れられていると述べた。
16日から4日間の日程で、ウッタル・プラデーシュ州において、RSSの全国執行委員会会合が開催された。会合では2025年に迎えるRSS創設100周年に向けた各種活動の進捗状況の確認や組織内における女性活動家の役割強化などについて協議が行われた。
 
(デリー(DL)準州)
17日、マニーシュ・シソーディアDL準州副首相(庶民党)は、中央捜査局(Federal Central Bureau of Investigation、CBI)の命令に応じ、デリー市内にある同捜査局の本部に出頭し、約9時間に渡り物品税政策に関する汚職の疑いで尋問を受けた。
 
(グジャラート(GJ)州)
2日、ケジリワル・デリー準州首相(庶民党)は、GJ州の有権者に対し、来る同州議会選挙において、大きな変化を起こすために庶民党に投票し、全182議席中150席を獲得するという目標に協力を呼び掛けたほか、コングレスへの投票はBJPの勝利に繋がるとして、コングレスに投票しないよう訴えた。
8日から3日間の日程で、モディ首相がGJ州を訪問した。
12日、ナッダBJP総裁がGJ州を訪問し、選挙キャンペーンを実施した。
13日、シャー内相がアーメダバード市内で演説を行い、「BJPはGJ州議会選挙において3分の2以上の議席を獲得し勝利する」と述べたほか、長年に渡る州民からのBJP政権への信頼に感謝の念を示した。
19日、モディ首相が、GJ州都ガンディーナガル市で開催された国際防衛見本市「DefExpo 2022」の開幕式に参加した。
29日、GJ州政府は、同州内に於ける統一員法(UCC)の導入に向けた委員会を設置する旨閣議決定がなされたと発表した。
30日より3日間の日程で、モディ首相がGJ州を訪問した。
30日、GJ州モルビ市のマッチュ川にかかる吊り橋が崩落し、多数の死傷者が出る事件が発生した。1887年に建設された同吊り橋は、最近修繕工事が完成し、26日に一般公開されたものであった。30日は吊り橋公開から初の週末であり多くの人出があり、吊り橋の上には一時的に400名程が集まっていた。当地報道によると130名ほどの市民が死亡した。
モディ首相は吊り橋の崩落事件に対し、犠牲者の1家族に対し20万ルピーの見舞金、また負傷者1人に対して5万ルピーの支払いを発表した。
30日、モディ首相はGJ州バドーダラ市内でインド空軍のためのC295中型輸送機の製造施設建設に向けた定礎式典に参加、インドは「世界に向けてインドで製造する(Make in India、 Make for the Globe)」の標語のもと前進を続けており、大型旅客機がインド国内で製造される日も遠くないと述べた。

(ヒマーチャル・プラデシュ(HP)州)
5日、モディ首相がHP州を訪問し、同州ビラスプル県に設置された全インド医科大学(AIIMS)コティプラ校の開校した他、水力工学専科大学設置計画や医療機器産業地区、及び道路拡張計画の定礎式に出席した。その後、同県内で政治集会を開き、州民に対し「HP州はチャンスの土地であり、特に医療と観光に多くの可能性を秘めている」と述べた。
13日、モディ首相はHP州を訪問し、インド工科大学(IIT)ウナ校の開校式典や各種開発プロジェクトの立ち上げを行った。
14日、印選挙管理委員会はHP州議会(全68議席)の選挙日程を発表した。投票日は11月12日(土)、開票は12月8日(木)に行われる予定。
 
(パンジャブ(PB)州)
3日、PB州議会において、マン同州首相及び同内閣に対する信任投票が行われ可決された。
 
(北東州)
4日付、当地メディアは、中央政府がアッサム州、マニプール州、ナガランド州、及びアルナーチャル・プラデシュ州に施行されている軍事特別法(AFSPA)を解除する可能性がある旨報じた。
8日から10日にかけて、シャー内相が北東部の視察を行った。8日、シャー内相は北東部8州の州首相、長官、及び警察長官を招集した会議を開き、同地域内における麻薬問題や財政問題につき話し合った。
12日、モディ内閣が、新たな北東部開発計画「首相による北東部開発イニシアチブ(Prime Minister’s Development Initiative for North East Region)」を承認した。2025年までの4年間をかけ、北東部においてインフラ整備や産業支援、社会開発、及び若者や女性向けの生活基盤確保に向けた雇用創出などに取り組む。中央政府が予算の660億ルピー全額を拠出し、北東部開発省が計画の実施機関となる。
21日、アルナーチャル・プラデシュ州内において、陸軍のヘリコプターが墜落し、乗員5人が死亡した。
(ジャンムー・カシミール(JK)準州)
4日から6日にかけ、シャー内相がJK準州を訪問した。国境沿いに位置する同準州ラジョウリー地区で開催された選挙集会においてシャー内相は、同地における民主化の進展を強調、モディ首相がJK準州議会選挙を間もなく実施すると述べた旨繰り返し強調した。
11日、ラバサJK準州副長官は、同準州内に1年以上居住しているもの全員に対し居住証明書を発行する命令を発出した。これに対し同準州各党は「JK準州議会選挙に向けたBJPによる選挙戦略であり、非地元住民に投票権を拡大するもの」と遺憾の念を表明。同12日、副長官による命令が撤回された。
24日、モディ首相はカルギル地区を訪問し、国境地帯を警護する兵士たちと共に、ヒンドゥー教の祝祭「ディワリ」を祝った。
 
(ウッタル・プラデーシュ(UP)州)
7日付、当地メディアは、BJPが今後同州内で予定されている自治体選挙において、ムスリムの候補者を擁立する旨検討していると報じた。
8日、印選挙管理委員会は、シブ・セナ(SS)の選挙シンボルである「弓と矢」の使用を凍結する旨の暫定命令を発出した。
10日、社会主義党(SP)の創設者であるムラヤム・シン・ヤーダブが死去した。モディ首相は、ヤーダブ氏に対し弔辞を送り、「謙虚で地に足の着いた指導者であった」と述べた。
16日、BJPはUP州内において同党初となる後進的ムスリム・コミュニティーの指導者との会合を実施した。
 
(ウッタラカンド(UK)州)
11日、モディ首相はUK州ウジャインを訪問し、総工費85億ルピー相当のマハーカレシュワーラ―寺院宗教回廊開発計画を発足させた。
22日、モディ首相は、UK州内のケダルナート及びハドリナート寺院を訪問し、右寺院へのロープウェイの設置など、総額340億ルピー相当の開発計画を定礎式典に参加した。

(西ベンガル(WB)州)
9日、コルカタ市内においてヒンドゥー、ムスリム・コミュニティー間の散発的な衝突が発生し、警察により41名が逮捕、夜間外出禁止令が発出された。
 
(タミル・ナド(TN)州)
9日、州与党DMKが党役員の改選を行い、スターリンTN州首相が同党総裁に再選された。
10日、スターリンTN州首相は、公用語に関する議会委員会が学校教育において英語に代わりヒンディー語の使用を求めていると批判し、中央政府は新たな言語戦争を仕掛けるなとツイートした。

(テランガナ(TG)州)
5日、ラオTG州首相は、国政に進出するため、与党TRSの党名をBRS(インド国民会議)に変更する旨宣言した。
 
(ケララ(KL)州)
11日、ヴィジャヤンKL州首相は、公用語に関する議会委員会が作成した報告書に関し、教育現場でのヒンディー語の使用を押し付けるべきではない旨が書かれた書簡をモディ首相に送った。

(カルナータカ(KA)州)
3日、ラーフル前コングレス総裁がマイソール市内のヒンドゥー寺院、モスク及びキリスト教教会を訪問し、宗教間の和解がインドの平和をもたらすと述べたほか、BJPによるKA州政権がインドで最も腐敗していると批判した。
6日、ソニア・ガンディー暫定総裁及びプリヤンカ・ガンディーがKA州を訪問し、同州で行われているラーフル前総裁主導の全国行脚キャンペーン「Bharat Jodo Yatra」に参加した。

2 経済
現地報道によると、インド国内の主要空港(ベンガルール、チェンナイ、デリー、ハイデラバード、コルカタ、ムンバイ)における発着便数(旅客・貨物の国内便・国際便の総計)について、月総便数を2021年9月と2022年9月で比較した結果、及び1日平均の便数を2019年9月から2022年9月で比較した結果を基に、次の通り、報じている。
・2020年9月の2019年に対する落ち込みは、ベンガルールとハイデラバードで5割程度、ムンバイ及びチェンナイではパンデミック前の3割台まで落ち込んだ。
・2022年9月と2019年9月を比較すると、ベンガルール、デリー、ムンバイは9割まで回復。

3 外交
(印露関係)
 10月4日:モディ首相が、ゼレンスキー・ウクライナ大統領と電話会談。
 10月26日:シン国防相が、ショイグ露国防相と電話会談。

(印ニュージーランド関係)
 10月6日、ジャイシャンカル外相がニュージーランドを訪問し、アーダーン・NZ首相やマフタ・NZ外相と会談。

(印豪関係)
 10月10日、ジャイシャンカル外相が豪州を訪問し、ウォン・豪外相やマールズ・豪副首相兼国防大臣と会談。

(印エジプト関係)
 10月13日、ジャイシャンカル外相がエジプトを訪問し、シュクリ・エジプト外相と会談。

(印ボツワナ関係)
 10月19日、ジャイシャンカル外相が、クワペ・ボツワナ外務国際協力大臣とグジャラートで会談。

(国連)
 10月20日、グテーレス国連事務総長が、モディ首相を表敬。

(印独関係)
 10月22日、ジャイシャンカル外相が、ベアボック・ドイツ外相と電話会談。

(印英関係)
 10月25日、ジャイシャンカル外相がスナク氏の就任に合わせ、クレバリー英外相と電話会談。
 10月27日、モディ首相が、スナク英首相に電話で首相就任の祝辞を伝達。

(印カタール関係)
10月29日、モディ首相が、タミーム・カタール首長と会談。

(CTC特別会合)
 10月29日、ジャイシャンカル外相が、CTC特別会合のサイドラインでアダモ・ガボン外相、ボチュウェイ・ガーナ外相、ハーシミー・UAE国際協力担当国務大臣、クレバリー英外相、フィノ・アルバニア外務副大臣と会談。
(印米関係)
 10月29日、ジャイシャンカル大臣が、ブリンケン国務長官と電話会談。

4 日印関係
 10月31日、岸田総理大臣及び林外務大臣より、インドにおける吊り橋崩落事故に関するお見舞いメッセージを発出。