日印関係最新情報

月間インド・ニュース(2013年2月) 

2013年3月12日掲載


Ⅰ. 内政
1月31日
*1日付ヒンドゥスタン・タイムス(HT)紙は、31日、民族主義会議派(NCP)のシャラド・パワル党首が政界引退を明らかにした旨報じている。同党首は、引退後も引き続き党首の座に就く予定であること、及び、同党とコングレス党との合併を否定したとのことである。
2月1日
*2日付HT紙他は、閣議において、女性に対する性犯罪の厳罰化のための刑法改正が承認されたことを報じている。同法令は、大統領の署名後に効力を有し(3日、大統領が本件改正に合意し署名)、その後6ヶ月以内の国会承認が必要となる。4日付の同紙によれば、ビハール州において、同改正に基づき、4歳の姪を暴行の上殺害したとして死刑判決の決定がなされた。
2月4日
*5日付のヒンドゥー紙は、西ベンガル州ダージリンのビマル・グルン・ゴルカ人民解放戦線(GJM)党首が、ゴルカランド地域行政府(GTA)の長を辞任する意向を明らかにしたことを報じている。同報道によれば、ダージリンの集会において、グルン党首は、ゴルカランド設立要求実現のため同党党首に就任したが、GTAの長に就いていること自体が同要求との関係で不適切である旨述べたとされる。
2月6日
*7日付のヒンドゥー紙によれば、ヒンドゥー祭(マハー・クンブメーラー)に参加するためにアラハバードを訪問中のラージナート・シン・インド人民党(BJP)党首は、アヨーディヤのラーマ神寺院建設について、本件は選挙公約といった問題ではなく、インド人の誇りに関する問題であり、宗教や国家の問題である旨語ったとのことである。また、世界ヒンドゥー協会(VHP)関係者は、モディ州首相は、故ネルー首相に与えられていたものと同様の支持を国民から集めているとメディアに語り、モディ首相を支持する姿勢を明らかにしたとのことである。
*7日付のHT紙は、モディ・グジャラート州首相が、学生達が抗議を行う中、デリー大学シュリラーム商業校において演説を行い、成長、資本主義に基づく野心、また、若者の力について語ったことを報じている。
2月10日
*10日付HT紙他は、10日午前10時、2001年12月13日に発生したインド国会襲撃事件に関与したとされるアフザル・グル死刑囚の死刑執行について旨報じている。同事件では、警備にあたっていた8名の警備担当含む10名が死亡し、実行犯のテロリスト5名はその場で射殺された。カシミール州での反発を懸念し、刑の執行は秘密裏に行われた。
2月15日
*16日付のHT紙他は、インド政府が、イタリアのフィンメッカニカ社の系列会社の英アグスタ・ウェストランド社との間での12機のヘリコプターの購入に係る367億ルピーの契約を白紙に戻す決定を行ったことを報じている。同報道によれば、イタリアは、今後5年間はインド政府の防衛に関する一切の取引に参加出来なくなる可能性があるとのこと。また、今回の契約破棄により、ロシアが漁夫の利を得ることになりそうであると報じられている。
2月21日
*インド議会省発表によれば、インドの予算国会が開幕。本年の予算国会は、2月21日から5月10日を予定している。うち、3月23日から4月21日まで休会となる。
2月21日
*22日付ヒンドゥー紙他は、21日午後7時ごろ、アンドラ・プラデーシュ州ハイデラバード市近郊の複数の場所において同時爆発事件が発生したことを報じている。報道によれば、同爆発により少なくとも13名が死亡、80名以上が負傷したとのことである。
2月28日
*インド予算案およびが国会に提出された。鉄道予算案は、2月26日に一般予算案に先立って提出されている。

Ⅱ. 経済
2月1日
*1日付のヒンドゥー紙は、デリー市内の電気料金が1.5%~3%値上げされる予定であることを報じている。
2月3日
*4日付のヒンドゥー紙他は、3日、オディシャ州において、地元住民の反対する中で、韓国製鉄企業ポスコが工場建設のため土地収用を実行した旨報じている。ポスコは、既に2、000エーカーの土地を収用しており、今回は残りの700エーカーを収容するための措置であるが、400のビンロウ園が取り壊されたとのことである。
2月7日
*7日、インド政府中央統計局は、2012年度の実質GDP成長率予測を発表。前年度比5.0%と大幅の下方修正となった。8日付のHT紙他は、本年度のGDP成長率は、干ばつの影響を受けた2002年度以来10年ぶりの最低値となっており、成長率において、インドは中国に次いで世界第2位の地位をインドネシアに譲ることになると報じている。チダンバラン財務大臣は、今回の数値が予期していた数値より低かったことを認め、状況をよく観察しながら、成長回復のために適切な措置を講じたい旨述べたとのことである。
2月13日
*インド商工省は、2013年1月の貿易額(暫定値)を発表。同プレス・リリースによると、輸出は8ヶ月振りに前年同期比で増加に転じるも、貿易赤字は引き続き拡大傾向にある。フィナンシャル・エクスプレス紙等は、輸出は僅かに0.82%増となるも、石油輸入のため、輸入は過去最高の455億ドルに到達し、貿易赤字も1月は200億ドルに拡大。ラオ次官は、貿易赤字の拡大は最大の懸念である旨発言。
2月12日
*13日付ヒンドゥー紙は、アマゾン社グローバル副社長がシャルマ商工相と面会し、電子商取引における小売分野の海外直接投資(FDI)解禁を求めたことを報じている。現行法においては、企業間の電子商取引におけるFDIは認められているも、小売分野へのFDIは認められていない。同紙によれば、アマゾンは、昨年、ジャングリー・ドットコムを開設。同サイトは、基本的にはアマゾンと同じく、購入者がウェブサイト上で、インド国内外の商品を選択することが可能であるが、購入に際して第三者である供給者が設置するサイトまたは直接の訪問により購入する必要がある。
2月20日
*21日付HT紙によると、タタ・グループがマレーシアに本拠を置くエア・アジアと共同で、低コスト(LOC)の航空会社を立ち上げることを検討していることを報じている。同報道によれば、20日エア・アジア社とタタ・サンズ社は、格安航空会社インドに立ち上げる内容の合意を行ったとのことである。
2月28日
*インド政府中央統計局は、2012年度第3四半期(9~12月)の成長率4.5%となったことを発表。


Ⅲ. 外交
2月7日
*8日、インディアン・エクスプレス紙は、全EU加盟国の大使がドイツ大使公邸に集まり、2時間に亘りモディ・グジャラート州首相と昼食を共にしたことを報じている。モディ州首相がヨーロッパの外交官と会合を持つのは2002年のグジャラート州での暴動以降初めてのこととなる。
2月8日
*8日付及び9日付のヒンドゥー紙は、ティンレイ・ブータン首相のインド訪問について報じている。同紙によれば、本年総選挙を控えたブータンは、チダンバラン財相が財政赤字削減のためブータンへの支援を含めた各省の予算を圧縮する意図を表明したことに懸念を有しており、インドの援助に基づく水力発電等ブータンの開発への引き続きの支援について関心を表明したとのことである。同首相は、7日にマタイ外務次官、8日にムカジー大統領と面会した。
2月14日
*インド外務省は、インドを訪問しているオランド仏大統領とシン首相との間の首脳会談後に発表された共同声明を発表。同大統領は、14~15日にインドを訪問、相互に関心を有する両国間、地域的、国際的な問題について協議した。15日付タイムス・オブ・インディア紙によるオランド仏大統領の独占インタビューにおいて、同大統領は、インドをアジアで最初の訪問先として選んだことは、フランスにとって対インド関係の優先度が高いことの現れであること、防衛、対テロ、宇宙、民生用原子力、サイバー・セキュリティ、麻薬取引についても緊密に協力していくこと、Ragale戦闘機の購入に関する契約締結の期待等について明らかにした。
2月14日
*15日付HT紙によれば、ナシード前モルディブ大統領によるマレのインド大使館への亡命について、クルシード外相が、アブドゥッラー・モルディブ外相との電話会談を通じて、関係者全員が納得するような解決に向け有意義な意見交換が行われたことを明らかにした。ナシード大統領側によれば、同大統領の逮捕が回避されるだけでは十分ではなく、同大統領を庇護する国が決められない限りインド大使館を離れるつもりがないとのことである。ナシード大統領は、逮捕命令が発出された13日、インド大使館に避難している。
*15日付タイムス・オブ・インディア紙は、3月にシン首相がアラブ首長国連邦(UAE)を訪問する旨報じている。訪問が実現すれば、インドの首相が湾岸諸国を訪問するのは32年ぶりとなる(1981年のインディラ・ガンディー元首相の訪問)。
2月19日
*インド外務省及び20日付のヒンドゥー紙他は、インドを訪問中のキャメロン英首相が、シン首相と首脳会談を行ったことを報じている。
2月20日
*21日付HT紙等は、パンジャーブ州アムリットサルを訪問したキャメロン英首相が、ジャリアンワーラー・バーグ(広場)を訪問し献花を行ったことを報じている。同広場を訪問した英首相は初めてとなる。
2月20日~22日
*インド外務省は、2月20~22日に行われたマタイ外務次官の訪米に関するプレス・リリースを発表した。訪米中、同次官は、ケリー国務長官と会談した他、カーネギー国際平和財団において「平和・繁栄・前進のための21世紀の印米パートナーシップ」と題する講演を行ったとのことである。