日印関係最新情報

月間インドニュース(2017年7月分)

2017年9月12日掲載


1.内政
【連邦政府・連邦議会】
7月18日
ヴェンカイア・ナイドゥ副大統領候補の大臣職辞任に伴い,イラニ情報・放送大臣(繊維大臣兼任)及びトーマル住宅・都市大臣(農村開発大臣,町村自治大臣,飲料水・衛生大臣兼任)が就任した。BJPはモンスーン国会後の内閣改造の可能性を示唆した。

【大統領就任式】
7月20日
17日に投票が行われた大統領選挙の開票が行われ,BJP率いる与党国民民主連合(NDA)が擁立したラーム・ナート・コヴィンド候補がインド大統領に選出された。25日に就任式が行われた。
メモ:インド大統領選挙の投票者
今回の大統領選挙は、総投票者数は4896人(上院議員:233人,下院議員:543人,州議会議員4120人),投票数の合計は109万8903票。憲法第55条の規定に基づき,国会議員(上下両院議員)と州議会議員の持ち票には差が設けられており,州議会議員については,州毎の議員1人当たりの有権者数の格差を是正するための補正がなされている。

【副大統領選挙】
7月17日
シャーBJP総裁は,ナイドゥ情報・放送大臣(住宅・都市大臣)を副大統領選挙における与党候補とすることを発表した。同日,ナイドゥ候補は大臣職を辞任した。

【地域政党・地域情勢】
(ジャナタ・ダル統一派(JDU)/ビハール州)
7月27日
ニティシュ・クマール・ビハール州首相(ジャナタ・ダル統一派(JDU)党首)がBJPの支持を得て新州政権を発足させ,改めて州首相に就任した。同州副首相にはスシール・クマール・モディBJP幹部が就任した。
7月28日
ビハール州議会特別議会においてクマール州首相に対する信任決議案が投票に付され,過半数の131票を獲得して信任された。


2.経済
【物品・サービス税(GST)】
7月18日
GST委員会の第19回目の会合が開催され、同委員会は、タバコに対するGSTに関して、GST本税の税率は28%で維持し、諸税(Cess)を引き上げることを決定した。


3.外交
【印ネパール関係】
7月2日-4日
マハラ・ネパール副首相兼外務大臣が訪印した。3日,同副首相兼外務大臣はスワラージ外相と会談し,進行中の連結性及び開発プロジェクトを含む,相互利益に関する広範な二国間問題について議論した。

【印ベトナム関係】
7月3日-6日
ファム・ビン・ミン・ベトナム副首相兼外務大臣が訪印し,スワラージ外相によって代表団レベルの協議及び同外相主催の昼食会が行われた。両国は,相互利益に関する広範な二国間問題等について議論した後,2017-2020年において包括的戦略パートナーシップを遂行するための計画(the Plan of Action)が両大臣によって署名された。また,同ベトナム副首相兼外務大臣は,ジャイトリー財務兼国防相と会談したほか,ムカジー大統領及びアンサリ副大統領それぞれを表敬した。

【印イスラエル関係】
7月4日-6日
モディ首相は,印首相として初めてイスラエルを訪問した。モディ首相は,ネタニヤフ首相と会談し,両国は水,農業分野等の合意文書の署名及び印イスラエル共同声明を発出した。また,モディ首相は,リヴリン・イスラエル大統領を表敬したほか,ヘルツォグ野党代表から表敬を受けた。

【モディ首相のドイツ訪問】
7月6日-8日
モディ首相は訪独し,ハンブルクで開催されたG20サミットに参加した。G20のサイドラインでは,BRICS5ヵ国首脳による非公式会合が開催されたほか,日印首脳会談が行われた(日印関係参照)。
また,モディ首相は,トルドー・カナダ首相,文在寅・韓国大統領,ジェンティローニ・イタリア首相,ソールベルグ・ノルウェー首相,マクリ・アルゼンチン大統領,メイ英国首相,フック・ベトナム首相,ペニャ・ニエト・メキシコ大統領と会談を行った。

【印フィンランド関係】
7月10日
モディ首相は,シピラ・フィンランド首相と電話会談を行った。シピラ・フィンランド首相は,GSTの実施についてモディ首相に祝辞を述べたほか,両首脳は二国間貿易及び投資関係を更に強化する方法について議論した。

【印イラク関係】
7月10日-15日
V.K.シン外務担当閣外相はイラクを訪問し,クルディスタン地域政府高官らと会談したほか,ジャアファリー・イラク外務大臣,アラク・イラク閣僚評議会議長(Secretary General of Council of Ministers of Iraq),ファイヤード・イラク国家安全保障担当顧問,ハイラッラー・イラク外務次官それぞれと会談した。今次イラク訪問は,ISからのモースル解放を受け,ISの人質となっているとされている39名のインド人の捜索のために行われた。
7月16日
スワラージ外相は,3年前にイラクでISにより誘拐された39名の家族と会合し,シン外務担当閣外相によって集められた情報をブリーフした。同外相は,39名のインド人はバドゥシュ(Badush)で収監されている可能性があり,24日にジャアファリー・イラク外務大臣が訪印する際に最新の情報が得られるだろうと述べた。
7月24日-26日
ジャアファリー・イラク外務大臣が訪印し,24日,スワラージ外相と会談した。両外務大臣は二国間,地域間,国際情勢に関する相互利益の問題について議論したほか,スワラージ外相は,2014年6月にモースルで誘拐された39名のインド人の捜索及び右に関してイラク政府からの助力の継続を再び要請した。また,同日,ジャアファリー・イラク外務大臣は,プラダン石油・天然ガス大臣と会談したほか,アンサリ副大統領を表敬した。

【印シンガポール関係】
7月22日
シャンムガラトナム・シンガポール副首相はモディ首相を表敬した。モディ首相は,投資,都市開発,民間航空,技術開発等のセクターにおける親密な二国間協力を高く評価したほか,両リーダーはバンキング,デジタル・ファイナンス,観光,イノベーションにおける二国間協力の可能性について議論した。


4.日印関係
【日印首脳会談】
7月7日
●安倍総理は,G20出席のため訪問中のドイツ・ハンブルクにて,モディ・インド首相との間で会談(両首脳間で9回目)を行った。
●冒頭,モディ首相より,国際会議の機会のたびにお会いでき嬉しく思う,2014年以来の日印の特別戦略的グローバル・パートナーシップは大きく開花しており,安倍総理のインド訪問を心待ちにしていると述べた。これに対し,安倍総理から,昨年日本でお会いして以来,再会できて嬉しい,日印の戦略的な対話は進んでおり,本年のインド訪問を楽しみにしていると述べた。
●安倍総理より,モディ首相と共に「日印新時代」を更に大きく飛躍させ,インド太平洋地域と世界の平和と繁栄を主導していきたい,来るインド訪問においては,「自由で開かれたインド太平洋戦略」と「アクト・イースト」政策の連携を具体的に示したい,と述べた。これに対し,モディ首相より,日印両国は民主主義や法の支配の秩序作りの上で大きな役割を果たす,日印の連携を更に一層強化していきたいと述べた。
●安倍総理より,来週の日印米海上共同訓練マラバールは日印防衛協力,日印米協力の象徴であると述べ,モディ首相からも日本との防衛協力,日印米三か国による具体的協力を更に進めていきたいと述べた。
●安倍総理より,日印原子力協定の早期発効及び原子力協力の具体化への期待を表明し,モディ首相より日本側取組への謝意が表明された。
●両首相は,ムンバイ・アーメダバード間の高速鉄道についても,具体的成果を早期に示せるよう着実に進めていくことで一致した。
●両首相は,地域の諸課題について,首脳間での率直な議論が重要であることで一致するとともに,北朝鮮をめぐる問題等について更に情報交換を行い,国際社会による制裁が実効的なものとなるよう緊密に連携していくことを確認した。

【高木経済産業副大臣によるインド訪問】
7月12日-14日
●高木経済産業副大臣は,7月12日から14日の日程でインドを訪問し,ナイドゥ・アンドラ・プラデシュ(AP)州首相との会談,及び昨年に引き続き日本からのミッション(21社・10機関総勢72名)を率いて出席した日AP州官民合同会議において,同州の新州都開発及び産業集積の形成促進について議論した。また,新州都開発及び産業協力にかかる取組のさらなる具体化のために,経済産業省とAP州の間で,共同声明に署名した。さらに,ガンワール・インド財務副大臣及びクマール・ビハール州首相との会談を行った。
(AP州新州都開発及び産業協力にかかる共同声明に署名)
●AP州新州都開発及び産業協力にかかる,これまでの日本とAP州の取組の進捗を確認するとともに,今後,取組をさらに具体化することを目的に,経済産業省とAP州との間で,同州新州都開発及び産業協力にかかる共同声明に署名した。
(ナイドゥAP州首相との会談及び日AP州官民合同会議出席)
●ナイドゥ州首相とは5回目の会談となり,新州都の開発及び産業協力に向けて,ひとつひとつの日本とAP州の協力プロジェクトにについて丁寧な議論を行い,それぞれの加速について合意するとともに,信頼関係をさらに強固なものとした。
●AP州新州都建設に対する日本の協力について,ナイドゥ・AP州首相とのバイ会談,及び高木副大臣とナイドゥ州首相を議長に日本とAP州双方の官民の関係者約140名が参加した日AP州官民合同会議において,現在の進捗を確認するとともに,今後の方向性について議論した。
●また,AP州から要請がある,新州都におけるICT整備計画の策定について,経産省が国内関係機関の協力を得ながら,計画の具体化に必要な調査を実施することを表明した。同じく,AP州から支援要請がある,エレクトロニック・シティ・ゾーン,スポーツ・ゾーンの開発について,マスタープランの策定等日本の知見を提供する用意がある旨表明した。
●さらに,インド全土に12ある「日本工業団地」の一つである,AP州南部のスリシティ地域における,投資促進や人材育成について意見交換を行った。具体的には,同地域に進出する日本企業が抱える課題や要望の共有,解決に向けた取組について議論した。
●加えて,今年9月,AP州において,日本の重電メーカーである明電舎とNBKR科学技術大学との間で,寄附講座の開始について合意されたことを双方で歓迎した。本取組みは,昨年の日印首脳会談の合意事項である,インド進出日系企業を人材面で支援するとともに,“メイク・イン・インディア”,“スキル・インディア”に貢献する「寄附講座」の設置の第一号案件。
(ガンワール・インド財務副大臣との会談)
●ガンワール・インド財務副大臣とは,AP州新州都開発,グジャラート州における投資環境整備,メトロや都市鉄道等のインフラ整備,環境自動車普及の可能性にかかる協力について意見交換をしました。
(クマール・ビハール州首相とのバイ会談)
●クマール・ビハール州首相とは,仏教を通じた両国の絆の深さを再確認し,両国の人的交流や観光交流について意見交換をしました。さらに,ビハール州の産業発展にかかる協力の方策について議論をしました。

【日・インド包括的経済連携協定に基づき設置された合同委員会の第4回会合の開催】
8月4日
●東京において,「日本国とインド共和国との間の包括的経済連携協定」(日インドCEPA)に基づき設置された合同委員会の第4回会合が開催された。
●この会合では,日本側は山﨑外務審議官が,インド側は・テオティア商工省商務次官が共同議長を務めたほか,両国から関係省庁の関係者が出席した。
●日・インド双方の出席者は,この会合において,発効後6年が経過する日インドCEPAの運用と実施について,意見交換を行った。また双方は,この会合に先立ち開催された原産地規則に関する小委員会,強制規格,任意規格及び適合性評価手続並びに衛生植物検疫措置(TBT・SPS)に関する小委員会,サービスの貿易に関する小員会,自然人の移動に関する小委員会,並びに,ビジネス環境の整備に関する小委員会での議論を含め,日インドCEPAの主要な論点について議論した。
●4 双方は,日インドCEPAに基づき,両国の経済関係を一層拡大させるよう引き続き緊密に協力していくことで一致した。