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日印関係最新情報

月間インドニュース(2021年5月)

2021年6月18日掲載


1 内政

【州議会選挙】

5月2日:アッサム州、西ベンガル州、タミル・ナドゥ州、ケララ州、ポンディチェリ準州における各州議会選挙の開票が実施された。


【西ベンガル(WB)州】

5月5日:ママタ・バナジー(草の根会議派:AITC)WB州首相が、同州首相に再任した。

5月28日:モディ首相は、インド東部を襲った大型サイクロンによる被害状況の確認と州政府関係者との打ち合わせの為WB州を訪問し、バナジー同州首相と会談を行った。会談後、モディ首相他WB州知事等の関係者を含めた打ち合わせが予定されていたが、バナジー同州首相はこれを欠席し、被災地の視察に向かった。その後、中央政府からWB州首席次官に対し解任命令が出されたが、バナジーWB州首相はこれに反発。同首席次官は、同命令を拒否する形で同職を辞職し、バナジー州首相の首席顧問に就任した。

【タミル・ナドゥ(TN)州】

5月7日:MKスターリンAIADMK(全インド・アンナ・ドラヴィダ進歩党)党首が、TN州首相に就任した。

【コングレス】

5月10日:コングレスは、今次州議会選挙における敗北を検証する委員会を立ち上げる旨及び延期され続けているコングレス総裁選挙を6月に再延期する旨発表した。

【アッサム(AS)州】

5月11日:ヒマンタ・ビスワ・サルマ(BJP)前AS州財務大臣が、同州首相に就任した。

【ケララ(KL)州】

5月25日:ピナライ・ビジャヤン(インド共産党マルクス主義派:CPI(M))KL州首相が、同州首相に再任した。

【農民の抗議運動】

5月26日:農民団体が、農業関連法に反対する抗議運動の開始後6か月が経過したことを受け、農民団体が同日を「ブラック・デー」と称し、デリー準州境や近隣州で黒い旗を立てる等の抗議運動を行った旨報じた。同抗議運動に先立ち、コングレス等の12の野党は同抗議運動を支持する旨の共同声明を発表していた。

【BJP】

5月30日:現地メディアは、モディ政権が5月30日に満7周年を迎え、政権8年目に入った旨報じた。

2 経済

【インド経済】

5月31日、2020年度第4四半期(2021年1―3月期)のGDP成長率が公表され、前年同期比+1.6%であった。前四半期の+0.5%から2四半期連続で成長ペースは加速した。また、2020年度全体のGDP成長率は▲7.3%となった。

3 外交

(印・EU関係)

5月3日:インド外務省は、印EU首脳電話会談が実施された旨発表した。

5月4日:G7外相会合出席のため訪英中のジャイシャンカル外相は、ボレルEU外務・安全保障政策上級代表と外相会合を実施した。

5月8日:インド外務省は、印EU首脳テレビ会談が実施された旨発表した。


(印英関係)

5月3日-6日:ジャイシャンカル外相は、ロンドンを訪問し、インドがゲスト国として招待されたG7外相会合に出席した。

5月4日:インド外務省は、印英首脳テレビ会談が実施された旨発表した。

5月6日:G7外相会合出席のため訪英中のジャイシャンカル外相は、ラーブ英外相とテレビ会談を実施した。

(印米関係)

5月3日:G7外相会合出席のため訪英中のジャイシャンカル外相は、ブリンケン米国務長官と外相会合を実施した。

5月24日-28日:ジャイシャンカル外相は訪米し、ブリンケン米国務長官、オースティン米国防長官、グテレス国連事務総長等と面会した。

(仏豪印関係)

5月4日:G7外相会合出席のため訪英中のジャイシャンカル外相は、仏豪印外相会合に出席した。


(印・カナダ関係)

5月5日:G7外相会合出席のため訪英中のジャイシャンカル外相は、ガルノー・カナダ外相とテレビ会談を実施した。

(印豪関係)

5月5日:G7外相会合出席のため訪英中のジャイシャンカル外相は、ペイン豪外相とテレビ会談を実施した。

5月7日:インド外務省は、豪印首脳電話会談が実施された旨発表した。


(印ブータン関係)

5月11日:インド外務省は、印ブータン首脳電話会談が実施された旨発表した。


(印エストニア関係)

5月21日:ジャイシャンカル外相は、リーメッツ・エストニア外相とテレビ会談を実施した。


(印仏関係)

5月26日:インド外務省は、印仏首脳電話会談が実施された旨発表した。


4 日印関係

5月5日:G7外相会合出席のため訪英中の茂木外務大臣は、ジャイシャンカル外相とテレビ会談を実施した。

今月の注目点:インドにおける新型コロナ対応のための緊急無償資金協力

 5月28日、我が国政府は、インドにおける新型コロナウイルス感染症の急拡大への対応のため、新たに約1,480万ドル(約16億円)の緊急無償資金協力を実施することを決定しました。


1 4月30日に、日本政府は、人工呼吸器300台及び酸素濃縮器300台の供与を発表し、また、5月5日に、インド側のニーズを踏まえつつ、追加的に最大5,000万ドル(約55億円)の無償支援を行う用意があることを茂木大臣からジャイシャンカル外相に伝えています。これらを踏まえて、5月14日に、国連プロジェクトサービス機関(UNOPS)を通じて、上記人工呼吸器300台の輸送等を実施するとともに、人工呼吸器500台及び酸素濃縮器500台を追加で供与することを発表しました。

2 今般決定した新たな緊急無償資金協力では、上記の最大5,000万ドルの支援の一環として、UNOPSを通じて、人工呼吸器1,000台及び酸素濃縮器2,000台を追加で供与します。これにより、既に発表済みのものとあわせ、人工呼吸器1,800台及び酸素濃縮器2,800台をインドに供与することとなります。

3 我が国としては、友好国でありパートナーであるインドが新型コロナウイルスに対処する努力を支援すべく追加的な緊急援助を行うこととしたものであり、我が国の支援が、インドにおける新型コロナの感染状況の緩和・収束に寄与することを期待します。

(参考1)我が国のインドにおける新型コロナウイルス感染の急拡大に対する支援

(1)4月30日、インド側との調整が整えば、酸素濃縮機300台及び人工呼吸器300台を供与する手続を進めることを発表(このうち、酸素濃縮器300台は既にインド側に引き渡し済)。

(2)5月5日、インド側のニーズを踏まえつつ、上記(1)に加えて、最大5,000万ドル(約55億円)の無償支援を行う用意があることを茂木外務大臣からジャイシャンカル印外相に伝達。

(3)5月14日、約1,850万ドル(約20億円)の緊急無償資金協力の実施を発表。国連プロジェクトサービス機関(UNOPS)を通じた支援により、上記(1)の人工呼吸器300台の輸送等を実施し、また、上記(2)の支援に含まれるものとして、人工呼吸器500台及び酸素濃縮器500台を追加供与。

(4)今回決定した新たな支援により、上記(2)の支援に含まれるものとして、UNOPSを通じ、人工呼吸器1,000台及び酸素濃縮器2,000台を追加供与する。

(参考2)感染状況

5月27日(現地時間)現在、インドにおける新型コロナウイルス感染状況は、累計感染者数2,736万9,093人、累計死亡者数31万5,235人に上る。