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日印関係最新情報

月間インドニュース(2019年10月)

2019年11月22日掲載 NEW!


1 内政
【連邦政府/連邦議会】
10月9日:下院議会事務局は、11の議会委員会のメンバーを新たに発表した。そのうち5つの議会委員会の委員長に、BJP議員5名がそれぞれ任命された。
10月16日:財務省監査局(ED)は、中央捜査局(CBI)によって逮捕され刑務所に収監中のチダンバラム元財務大臣を資金洗浄の容疑で再逮捕した。
8月から継続的にバブリ・マスジッド跡地の所有権に係る最終審理を行っていた最高裁は審理を終了した。
10月18日:中央捜査局(CBI)は、海外直接投資にかかるチダンバラム元財務大臣等による汚職容疑の起訴状を裁判所に提出した。
10月23日:政府は、農民が生産コストの50%の利益を得られるよう、2020年度の乾期穀物(主に小麦。4-5月頃収穫される)の最低支持価格の引き上げを閣議決定した。
CBIは、ハリシュ・ラーワト前ヒマーチャル・プラデシュ州首相、ハラク・シン・ラーワト前州大臣(現BJP州政権の州大臣)等を贈収賄の容疑でFIR登録した。

【デリー準州】
10月13日:ティワリBJP準州支部長は、デリーにおいてメディアに対し、準州内の犯罪の80%が不法移民によるものであると述べた。また、国民登録簿(NRC)の実施に反対するケジリワル準州首相を批判した。
10月19日:ケジリワル準州首相は、市内の無料診療所100カ所の開所式を行った。また、11月に更に100カ所が開所される予定である旨述べた。

【ハリヤナ州】
10月11日:コングレスは、農民の債務の即時免除などを掲げたマニフェストを発表した。
10月13日:BJPは、農民支援や若者への技術支援などに焦点を当てたマニフェストを発表した。
10月17日:民主人民党(JJP)は、民間企業における地元民のための75%留保枠、高学歴の若者に対する月額11000ルピーの失業手当などを掲げたマニフェストを発表した。
10月21日:州議会選挙実施。投票率(暫定値)は、65%と、前回の76.5%を大幅に下回った。

【ビハール州】
10月17日:シャー内務大臣は、メディアに対し、来年後半に実施予定の同州議会選挙において、BJPはクマール州首相のリーダーシップの下、人民党統一派(JDU)と連合して戦うと述べた。

【ジャールカンド州】
10月23日:州野党であるコングレス及びジャールカンド解放戦線(JMM)所属の6名の州議会議員がBJPに移籍した。

【マハーラーシュトラ州】
10月8日:タークレー・シブ・セナ(SS)党首は、ムンバイにおける集会で、農民の債務免除を公約に掲げた。
シンデ元内務大臣(コングレス)は、コングレスと国民主義会議派(NCP)がいずれ再合流するであろうと述べた。それに対し、9日、パワル国民主義会議派(NCP)党首は、「シンデ元内務大臣はコングレスの状況につき述べたのであろうが、NCPについて言及することはできない。」と述べ、暗に再合流を否定した。
10月9日:ファドナビス州首相は、選挙集会において、ラーフル・ガンディー前総裁が選挙キャンペーンに参加していないため、野党のコングレス及びNCPは州議会選挙を前に敗北を認めたと述べた。同日、コングレスは、同前総裁が13日及び15日に同州において選挙キャンペーンを実施する旨発表した。
10月13日:モディ首相は、ジャルガオンにおける選挙演説の中で、憲法370条無効化、トリプル・タラーク禁止法などの成果を強調した。同日、ラーフル・コングレス党前総裁は、モディ政権が偽りの約束ばかりしている、失業率が過去40年間で最高となっているとして批判した。
10月15日:BJPは、余剰の水資源を有する河川と干ばつ地域をつなぐ大規模な灌漑整備事業などを含むマニフェストを発表した。
10月21日:州議会選挙実施。投票率(暫定値)は、60.5%と、前回の63.08%を下回った。

2 経済
10月7日:インド政府は所得税に対する電子税務調査(e-Assessment Scheme)実施に係る国家電子税務調査センター(NeAC: National e-Assessment Centre)の設立を公表した。
メモ: 電子税務調査制度のポイント
インド政府は従来の所得税に対する税務調査の方法を一新し、非対面を原則とする税務調査制度を導入。
従来の制度下での執行の不統一を解決するために、新制度において税務調査は中央政府が管轄するNeACにおいて一元管理される。
従来の対面式税務調査における問題であった汚職の問題を解決し、納税者の利便性を高めるために、新制度においては、担当税務調査官名は納税者に周知されず、コミュニケーション手段は原則として電子的方法による。
従来、担当税務調査官に集中していた権限を機能別に分割し、組織的に行使する。

10月23日:インド政府は、国営通信会社BSNL及びMTNLの7千億ルピーにもなる再建計画を最終承認した。再建計画には、政府保証債の発行、4G用周波数の割当て、希望退職スキーム、2社の合併が含まれる。

3 外交
(印中関係)
10月2日:印メディアは、インド軍が山岳地帯に対処するために新設した統合戦闘グループの訓練(ヒム・ビジャイ訓練)を、アルナチャル・プラデシュ州の実行管理ラインのインド側で開始したと報じた。同訓練は1ヶ月にわたり行われ、10月に予定される習近平・中国国家主席訪印中も行われる。
印メディアは、習近平国家主席の訪印に先立ち、中国がカーン・パキスタン首相を北京に招待する旨報じた。カーン首相は10月8日に北京で開催される中国・パキスタンビジネス・フォーラムに出席するため訪中する予定。
10月11日~12日:習近平中国国家主席はチェンナイを訪問し、第2回中印非公式首脳会談を開催した。

(印米関係)
10月1日:ジャイシャンカル外相は、国連総会出席のための訪米中、戦略国際問題研究所のセミナーで演説し、カシミールで課されている各種制限は同地域において人命を守るための措置であり、ソーシャルメディアやインターネットが、これまで人々をいかに急進化させてきたかを我々は見てきたと述べた。
10月2日:ジャイシャンカル外相は、カーネギー国際平和財団で演説し、次期米国政権に貿易問題を先延ばしすることなく、米印間の貿易問題は近いうちに解決することができる旨述べた。また、同外相は、モディ政権の優先事項は、現在世界第5位の経済大国でもうすぐ第3位となる新しいインドの現実と調和している旨述べた。

(印バングラデシュ関係)
10月5日:インドを訪問中のハシナ首相とモディ首相は、印・バングラデシュ共同声明を発表し、ハシナ首相訪印中に締結された覚書・合意一覧を発表した。
10月18日:印メディアは、バングラデシュとの国境付近で印国境警備隊とバングラデシュ国境警備隊の間で銃撃があり、印国境警備隊1名が死亡したと報じた。過去15年で初めての事案であり、印国境警備隊はバングラデシュ国境警備隊が突然銃撃してきたと述べている。

(印パキスタン関係)
10月6日:印メディアは、予定されているカーン・パキスタン首相の訪中では、カシミール、アフガニスタン、中パ経済回廊(CPEC)等が議論される予定である旨報じた。

(印仏関係)
10月8日:印メディアは、訪仏中のラージナート・シン国防大臣が仏政府から初となるラファール戦闘機を受け取った旨報じた。

(印オランダ関係)
10月14日~18日:アレクサンダー・オランダ国王及びマキシマ同王妃が訪印し、モディ首相との面会では、政治、経済、人的交流、移民、気候変動等について意見交換がなされた。

(印タイ関係)
10月10日:ジャイシャンカル外相、プラムドゥウィニ・タイ外相が出席し、第8回印・タイ共同委員会が開催された。同委員会では、政治、安保・防衛、経済、ビジネス、連結性、文化、観光、人的交流等における二国間関係の進展を確認し、また、インドのアクト・イースト政策とタイのルック・ウェスト政策の補完性について議論された。

(印フィリピン関係)
10月19日:コヴィンド大統領はフィリピンを訪問し、インド・フィリピン・ビジネス・コンクラーベ及び第4回インド・ASEANビジネスサミットで演説した。

(印コモロ関係)
10月11日:ナイドゥ副大統領はコモロを訪問し、アソーマニ大統領と面会、保健、再生エネルギー、IT及び海上安全保障等で両国が協力を進めていくことを確認した。また、同訪問中、印・コモロ共同声明が発表された。

(印メキシコ関係)
10月7日:印外務省は、第5回印・メキシコ外務協議が行われた旨発表した。協議では、政治、貿易、経済協力、農業、科学技術、エネルギー、観光、文化等における連携について議論され、定期的な協議を通じて更なる連携深化の必要性が確認された。

4 日印関係
10月21日~23日:即位礼正殿の儀に参列するため、コヴィンド大統領が訪日。
今月の注目点(その1):ハリヤナ州議会選挙:

10月24日に開票されたハリヤナ州議会選挙(10月21日実施)開票結果は以下のとおり(括弧内は前回獲得議席からの増減を表す)。
 
ハリヤナ州(全90議席)             
  BJP            40議席(-7)  
  コングレス          31議席(+16)      
  民主人民党(JJP)     10議席(+10)   
  インド国民民主党(INLD)  1議席(-18)   
  Haryana Lokhit Party      1議席(+1)
  無所属             7議席(+2)

BJPは、第一党となったものの議席を減らし過半数(46議席)には至らなかった。投票率(暫定値)は、65%と、前回の76.5%を大幅に下回った。

今月の注目点(その2):マハーラーシュトラ州議会選挙

10月24日に開票されたマハーラーシュトラ(10月21日実施)開票結果は以下のとおり(括弧内は前回獲得議席からの増減を表す)。

マハーラーシュトラ州(全288議席)
   BJP    105議席(-17)  
   シブ・セ    56議席 (-7) 
   コングレス   44議席 (+2) 
   NCP     54議席(+13) 
   その他     29議席 (+9)

BJPは、第一党となったものの議席を減らし過半数(145議席)には至らなかった。投票率(暫定値)は、60.5%と、前回の63.08%を下回った。

今月の注目点(その3): 第2回中印非公式首脳会談のプレスリリース

10月12日、印外務省は、第2回中印非公式首脳会談のプレスリリースを発出したところポイント以下のとおり。

1.11日-12日、チェンナイにおいて、モディ首相と習近平中国国家主席は、第2回中印非公式首脳会談を開催した。

2.中印首脳は、親密な雰囲気の中、総合的、長期的かつ戦略的なグローバル及び地域の重要な問題について突っ込んだ意見交換を実施した。

3.中印首脳は、国際情勢は大きな転換期に直面しているとの意見を共有した。中印首脳は、中印は、すべての国がルールに基づく国際秩序の中で発展できる平和で安全で繁栄した世界を目指すという共通の目的を共有しているという見解を述べた。

4.中印首脳は、中印は、21世紀の新しい現実を反映した改革を通じての実施も含め、ルールに基づく包摂的な国際秩序を遵守し促進させるという共通の関心を有していると評価した。中印首脳は、国際社会で合意された貿易の慣習や規範が選択的に問題とされることがある現代において、ルールに基づく多国間貿易システムの支援及び強化の重要性について合意した。

5.中印首脳は、テロが引き続き共通の脅威をもたらしていることへの懸念を表明した。中印首脳は、共通の共同での取組を継続し、国際社会がテロリストグループの訓練、財政、支援を阻止する枠組みを世界的に差別的でない形での強化確保することの重要性を認識した。

6.中印首脳は、地域の開放的で包摂的で繁栄かつ安定した環境が、地域における繁栄と安定の確保に重要であるとの意見を共有した。また、両首脳は、共通の利益となるバランスの取れたRCEP交渉を妥結させることの重要性に合意した。

7.中印首脳は、各国の経済発展目標にかかる共通のヴィジョンを共有した。中印首脳は、中印間で同時に発展していくことが、共通の利益機会をもたらす旨合意した。中印は、引き続き積極的で実利的かつ開放的な考えで、友好かつ協力的な方向性に基づく相互の政策や行動への理解を高めるだろう。これに関し、中印首脳は、すべての共通の関心事項に関する戦略的なコミュニケーションを強化し続けるとともに、対話メカニズムを十分に活用してハイレベルでの意見交換のモメンタムを継続させることで合意した。

8.中印首脳は、中印関係の前向きな方向性が、二国間関係をより高みへと持ち上げる可能性を広げてきたと述べた。中印首脳は、この努力は、両国の国民の強い支援を必要とする旨合意した。これに関し、中印首脳は2020年を中印の文化及び人的交流の年と定め、中印外交関係樹立70周年の2020年が、各州議会、政党、文化及び若者団体、軍等あらゆるレベルの意見交換を深化のために十分活用していくことで合意した。中印は、外交関係樹立70周年を祝うため、中印の国民の間の歴史的繋がりを辿る船旅をしながらの会議等、70の催しを開催する予定である。

9.中印首脳は、両国の経済協力の一層の深化とより緊密な開発パートナーシップを追求するため、強化された貿易及び商業関係の達成及び中印間の貿易バランスの改善を目的としたハイレベル経済・貿易対話メカニズムの設立を決定した。中印首脳は、製造パートナーシップを通じた特定部門への相互の投資を奨励することで合意し、このアイデアを第1回ハイレベル経済・貿易対話で議論するよう指示した。

10.中印首脳は、国境問題等の懸案事項についても意見交換した。中印首脳は、特別代表会合の取組を歓迎するとともに、この取組を継続し、2005年に中印間で合意された「政治的パラメーターと指針」に基づき、公平で合理的で相互に受け入れ可能な解決のための両国による合意枠組みを達成するよう要請した。中印首脳は、本取組は、国境地域における平和と安定を確保し続けるとともに、中印はそのために追加的な信頼醸成措置策定の取組を継続するとの認識を強調した。

11.モディ首相と習近平国家主席は、本非公式首脳会合が「武漢精神」と「チェンナイ・コネクト」に沿った首脳レベルでの対話の促進と二国間の相互理解促進のための重要な機会を提供したとして、肯定的な見方で本非公式首脳会合の実施を評価した。中印首脳は、非公式首脳会合の実施を継続することで合意した。習近平国家主席は、第3回非公式首脳会合のため中国を訪問するようモディ首相を招待した。モディ首相は本招待を受け入れた。