1.内政
【ミサイル発射試験】
3月2日
インド海軍は、アラビア海において国産潜水艦「カルヴァリ」からの対艦ミサイル発射試験に成功した。インドにおいて建造される「カルヴァリ」型潜水艦の6隻全てに既に実戦で証明済みの対艦ミサイルが装備される予定。これらのミサイルにより、潜水艦は長距離にある水上艦艇を無害化させる能力を持つこととなる。
【インド海軍空母の除籍】
3月6日
インド国防省プレスリリースによると、インドが英国から購入し、英国海軍で27年、インド海軍において30年就役し、世界で最も長く就役中の艦艇としてギネスブックで認定されていたインド海軍の空母「ヴィラート」が、6日の日没と共に除籍となった。
【列車内爆発事案】
3月7日
マディヤ・プラデシュ(MP)州ジャブリ駅において、ボパール、ウジェイン間を走行する旅客列車内で、爆発事案が発生した。MP州及びウッタル・プラデシュ(UP)州警察は合同捜査を展開し、8名を逮捕した。UP州の州都ラクナウにおいては被疑者とみられる者1名が住居に立てこもり、当局との間で12時間に及ぶ銃撃戦へと発展し、当局は同人を殺害した。
【州選挙】
3月11日
インド政府選挙管理委員会は、2月4日から3月8日に投票が行われた5州(UP州、パンジャブ州、ウッタラカンド州、マニプール州、ゴア州)の州議会選挙の確定開票結果を公表。連邦政府与党のインド人民党(BJP)がUP州及びウッタラカンド州で単独過半数を獲得。マニプール州では、第一党とはならなかったものの、大幅に議席数を増やした。政権を握っていたゴア州では議席を減らし第2党となり、パンジャブ州では、連立するシロマニ・アカリ・ダル(SAD、パンジャブ州の地域政党)とともに大幅に議席を減らし政権を失った。
【パリカル辞任】
3月13日~14日
13日に国防大臣を辞任したパリカル前国防大臣は、14日、ゴア州首相就任宣誓を行った。パリカル前国防大臣は、2000年10月から2002年2月までゴア州首相1期目を、2002年6月から2005年まで2期目を務め、2012年からの3期目在任中、2014年11月にゴア州首相を辞任し、国防大臣に就任した。今回は4回目のゴア州首相就任となる。就任宣誓式にはアミット・シャーBJP総裁らも出席した。
【スワラジ外務大臣の国会出席】
3月15日
スワラジ外務大臣が、腎臓移植後初めて国会に出席し、米国内でのインド人への犯罪に対する政府対応について答弁した(予算国会後半会期は3月9日に開会)。
【アグラにおける爆発事案】
3月18日
タージマハルで有名なアグラにおいて、2件の小規模な爆発事案が発生。1件目は、ラスルプル(タージマハルの西方約5km)の民家にて爆発が発生し、2件目は同ラスルプル駅近くのゴミ容器付近で爆発が発生した。いずれの爆発事案においても死傷者は生じていない。
【インド鉄道事故】
3月30日
UP州でジャパルプールからデリーに向かっていたマハコシャル・エクスプレスの脱線事故が発生。客車8両が脱線し、少なくとも6名が負傷した。鉄道省によると、マハコシャル・エクスプレスの後部の8車両が脱線したとのことである。救援活動、乗客に対する水・食料の支援、代替輸送などが迅速に行われた。
2.経済
【物品・サービス税(GST)】
3月4日
4日、GST委員会の第11回会合が開催された。同会合では、中央GST(CGST)法案及び統合GST(IGST:州をまたぐ物品及びサービスに課されるもの)法案が合意に至った。7月1日からの施行に向けて、9日から再開される予算国会に同法案が提出される。他方で、貿易連合会(Confederation of All India Traders)は、7割の中小企業がデジタル化に対応しておらず短期間での適応が難しいことから、7月1日のGST施行を9月1日に延期してほしい旨要望しているとの報道もある。
メモ:法案の主要点は以下のとおり。
(1)納税者による申告、納税、その他のコンプライアンスを満たすため州毎に登録。税務コンプライアンスのほとんどをオンラインで実施。州内外の供給、国外への輸出にかかわらず、州毎に申告書を提出。
(2)税の累積を避けるため、法律が定める少数の例外を除き、事業に使用される物品及びサービスについてITS(仕入税額控除)が認められる。仕入にかかるIGSTは、受取CGST、SGST、連邦直轄地GST(UTGST)に対して控除可能。仕入にかかるCGST、SGST、UTGSTは、受取IGSTに対して控除可能。
(3)輸出者の資本の固定化(lock-in)を回避するため、還付申請提出から7日以内に、還付請求額の80%を仮還付。
3月16日
16日、GST委員会の第12回会合が開催された。同委員会では、州及び連邦直轄地におけるGST施行にかかる法案を承認した。中央政府は、4法案(中央GST、統合GST、連邦直轄地GST及び補償)を次週の国会に提出する予定。なお予算国会は4月12日に閉幕予定。
メモ:各種報道によれば、今回の委員会では、経済特区(SEZ)への供給については物理的輸出とみなし、無税とすることを決定するとともに、健康及び環境へ悪影響を及ぼす物品への諸税を最高15%とした。本諸課税はGST補償基金へ収集され、導入後5年間の州の歳入ロス補償に充てられる予定。GSTは基本税率が5、12、18、28%となっているが、今後検討する個別物品へ適用される税率について承認を与えるため、再度委員会が開催される見込み。
【北東州ビジネスサミット】
3月9日~10日
9日及び10日、デリーにて、インド商工会議所(ICC:Indian Chamber of Commerce)が主催する北東州ビジネスサミットが開催された。これは、北東州地域への投資促進とビジネス機会創出を目的としたもので、プラブー鉄道大臣がオープニング・セッションにビデオメッセージを送り、クロージング・セッションではシン北東州開発大臣が挨拶した。本サミットには、政策関係者、各種専門家、企業代表などが参加した。
メモ:プラブー鉄道大臣は、メッセージの中で、北東州の手工芸品・織物を販売する電子商取引プラットフォームを賞賛し、これを通じて地域の起業家が生産物を市場化するよう促し、北東州地域がインドの緑の製造ハブ(Green Manufacturing Hub)となるべきと述べるとともに、観光推進と雇用創出のため、シッキム州およびダージリン地域への鉄道延長に係るトンネル工事が開始された旨述べた。
またシン北東州開発大臣は、北東州開発省は、インドの東部国境と接する国々へのアプローチのために東部国境地域を整備し、ひいては「アクト・イースト」政策を補完するために、北東州が国内他地域からの投資家にインセンティブを提供するよう積極的に取り組んでいると述べた。また、アルナチャル・プラデシュ州やメガラヤ州はミャンマーやブータン等の近隣国と食や生活習慣に共通性があり、生産ポテンシャルがある旨述べた。
3.外交
【IORA(環インド洋地域協力連合)】
3月7日
7日、IORA(環インド洋地域協力連合)リーダーズ・サミットがインドネシアのジャカルタで開催され、アンサリ副大統領が出席した。アンサリ副大統領は演説で、インドにおけるIORA研究機関(IORA Centre of Excellence)設立を提案した。アンサリ副大統領は、IORAリーダーズ・サミットのサイドラインで、インドネシア大統領、スリランカ大統領、イエメン大統領、インドネシア副大統領、イラン外相と会談した。またIORAリーダーズ・サミットに先立つ閣僚級会合にV.K.シン外務担当閣外相が出席した。
【インド・アフリカ関係】
3月9日~10日
CII(Confederation of Indian Industries: インド工業連盟)-EXIM銀行(インド輸出入銀行)主催、印外務省及び印商工省共催により、第12回CII-EXIMインド・アフリカ・プロジェクト会議が開催された。ムスワティ3世スワジランド国王及びルグンダ・ウガンダ首相が主賓として参加したほか、アフリカの37カ国から33名の閣僚級が参加した。
【インド・パキスタン関係】
3月11日
11日、インド外務省は、駐印パキスタン次席高等弁務官を召喚し、停戦ライン(LoC)及び国境において継続して生じているパキスタン側の停戦違反に対する深刻な懸念と強い非難を伝えた。
【インド・ロシア関係】
3月17日、18日、23日
17日、ジャイシャンカル外務次官は、印露外務次官級対話出席のため訪露し、第18回印露年次首脳会談の準備、サンクトペテルブルグで開催される経済フォーラムへのモディ首相の出席、外交関係樹立70周年記念行事等について協議した。
15日~18日、トルトネフ露副首相兼極東連邦管区大統領全権代表が訪印した。ムンバイにおいて産業界の代表と会談したほか、17日には、スワラジ外相と会談し、インドとロシア極東地域間の貿易及び投資拡大について協議した。
23日、ウリヤノフ露外務省不拡散・軍事管理局長がインドを訪問し、デリーで行われた軍縮・不拡散に関する二国間年次協議に参加した。インド側代表はシャルマ外務省軍縮・国際安全保障局長が務めた。
【インド・アフガニスタン関係】
3月16日
対テロ会議参加のため訪印中のカルザイ・アフガニスタン副首相は、アクバル外務担当閣外相、ジャイシャンカル外務次官及びシンハ経済担当外務次官と会談した。
【インド・BIMSTEC関係】
3月21日
BIMSTEC国家安全保障担当補佐官の第一回会合がデリーで開催された。ドバル印国家安全保障担当補佐官が議長を務めた。
メモ:BIMSTEC(ベンガル湾多分野技術経済協力イニシアティブ)は、インド、ネパール、ブータン、バングラデシュ、スリランカ、ミャンマー、タイをメンバーとする地域経済協力枠組み。本会合では、BIMSTEC加盟国が共通の安全保障上の課題に直面することが指摘され、伝統的及び非伝統的な課題に対処する必要性と、ベンガル湾が共通の安全保障空間であるとの認識の重要性が強調され、加盟国共同の戦略を打ち立てることが合意された。具体的には、警察、情報機関、治安機関間の協力拡大及び能力構築のための具体策、サイバーセキュリティーに関する共同フォーラム、HA/DR(人道支援・災害救援)を含む海洋安全保障協力の強化、宇宙技術の利用、トラック1.5のBIMSTEC安全保障対話フォーラムの立ち上げ等が決定された。さらに本会合を年次会合とすること及び次回会合はバングラデシュが主催することが決定された。
4.日印関係
【日インド次官級2+2対話】
3月8日
第4回日インド次官級2+2対話が東京において開催された。日本側から秋葉剛男外務審議官及び真部朗防衛審議官が、インド側からはジャイシャンカル外務次官及びモハン・クマール国防次官が出席した。
メモ:本対話では、現下の国際情勢の下、地域やグローバルな諸課題の対応にあたり、日本とインドの連携が一層不可欠となっているとの基本認識を共有するとともに、日本の「自由で開かれたインド・太平洋戦略」とインドの「アクト・イースト」政策を連携させ、開かれ安定した海洋、地域の安定と繁栄という共通目標の実現に共に取り組むことで一致した。また、昨年11月の日印首脳会談において2+2対話等を通じて安全保障・防衛分野の協力に関する対話をさらに強化することを再確認したことを踏まえ、防衛装備協力、テロ対策、海洋安保協力、平和維持活動、サイバー・宇宙等の分野における協力強化のあり方について議論した。さらに、北朝鮮情勢について、北朝鮮によるいかなる挑発行動も容認できず、国際社会が断固たる姿勢で対応し、安保理決議の実効性を確保すべく連携することで一致した。その他、東アジア、南アジア情勢を含む地域情勢及び地球規模課題の幅広い事項についても認識が共有された。
【インドの鉄鋼製品に対するセーフガード措置についてのWTO協定に基づくパネル設置の要請】
3月9日
日本は、ジュネーブにおいて、インドによる鉄鋼製品に対するセーフガード措置について世界貿易機関(WTO)協定に基づくパネル設置を要請した。
今月の注目点:
インドによる鉄鋼製品に対するセーフガード措置についてのWTO協定に基づくパネル設置の要請
インドは、輸入される鉄鋼製品について2015年9月14日から2年6か月間の追加関税措置を実施。追加関税率は、最初の1年間は20%、その後18%、15%、10%と半年毎に逓減。また、2016年2月5日から一部製品に最低輸入価格を設定し、この価格を下回る製品の輸入を禁止・制限する措置を実施した。こうした措置がWTO協定上の義務に違反しているおそれがあり、2016年12月、日本はインドに対して協議を要請し、2月6日及び7日に協議を実施した。この協議結果を踏まえ、3月9日にインドによるセーフガード措置について、パネル設置を要請。本件では、インドが鉄鋼製品に対して課しているセーフガード措置について、「千九百九十四年の関税及び貿易に関する一般協定(GATT)」及び「セーフガードに関する協定」との整合性が問題となっている。日本は、本件がWTOのルールに従って適切に解決されるよう、今後の手続を進めていく予定。(なお、4月3日、WTO紛争解決機関(DSB)は、インドの鉄鋼製品に対するセーフガード措置について、我が国の要請を受けWTO協定に基づきパネルを設置した。)
【ミサイル発射試験】
3月2日
インド海軍は、アラビア海において国産潜水艦「カルヴァリ」からの対艦ミサイル発射試験に成功した。インドにおいて建造される「カルヴァリ」型潜水艦の6隻全てに既に実戦で証明済みの対艦ミサイルが装備される予定。これらのミサイルにより、潜水艦は長距離にある水上艦艇を無害化させる能力を持つこととなる。
【インド海軍空母の除籍】
3月6日
インド国防省プレスリリースによると、インドが英国から購入し、英国海軍で27年、インド海軍において30年就役し、世界で最も長く就役中の艦艇としてギネスブックで認定されていたインド海軍の空母「ヴィラート」が、6日の日没と共に除籍となった。
【列車内爆発事案】
3月7日
マディヤ・プラデシュ(MP)州ジャブリ駅において、ボパール、ウジェイン間を走行する旅客列車内で、爆発事案が発生した。MP州及びウッタル・プラデシュ(UP)州警察は合同捜査を展開し、8名を逮捕した。UP州の州都ラクナウにおいては被疑者とみられる者1名が住居に立てこもり、当局との間で12時間に及ぶ銃撃戦へと発展し、当局は同人を殺害した。
【州選挙】
3月11日
インド政府選挙管理委員会は、2月4日から3月8日に投票が行われた5州(UP州、パンジャブ州、ウッタラカンド州、マニプール州、ゴア州)の州議会選挙の確定開票結果を公表。連邦政府与党のインド人民党(BJP)がUP州及びウッタラカンド州で単独過半数を獲得。マニプール州では、第一党とはならなかったものの、大幅に議席数を増やした。政権を握っていたゴア州では議席を減らし第2党となり、パンジャブ州では、連立するシロマニ・アカリ・ダル(SAD、パンジャブ州の地域政党)とともに大幅に議席を減らし政権を失った。
【パリカル辞任】
3月13日~14日
13日に国防大臣を辞任したパリカル前国防大臣は、14日、ゴア州首相就任宣誓を行った。パリカル前国防大臣は、2000年10月から2002年2月までゴア州首相1期目を、2002年6月から2005年まで2期目を務め、2012年からの3期目在任中、2014年11月にゴア州首相を辞任し、国防大臣に就任した。今回は4回目のゴア州首相就任となる。就任宣誓式にはアミット・シャーBJP総裁らも出席した。
【スワラジ外務大臣の国会出席】
3月15日
スワラジ外務大臣が、腎臓移植後初めて国会に出席し、米国内でのインド人への犯罪に対する政府対応について答弁した(予算国会後半会期は3月9日に開会)。
【アグラにおける爆発事案】
3月18日
タージマハルで有名なアグラにおいて、2件の小規模な爆発事案が発生。1件目は、ラスルプル(タージマハルの西方約5km)の民家にて爆発が発生し、2件目は同ラスルプル駅近くのゴミ容器付近で爆発が発生した。いずれの爆発事案においても死傷者は生じていない。
【インド鉄道事故】
3月30日
UP州でジャパルプールからデリーに向かっていたマハコシャル・エクスプレスの脱線事故が発生。客車8両が脱線し、少なくとも6名が負傷した。鉄道省によると、マハコシャル・エクスプレスの後部の8車両が脱線したとのことである。救援活動、乗客に対する水・食料の支援、代替輸送などが迅速に行われた。
2.経済
【物品・サービス税(GST)】
3月4日
4日、GST委員会の第11回会合が開催された。同会合では、中央GST(CGST)法案及び統合GST(IGST:州をまたぐ物品及びサービスに課されるもの)法案が合意に至った。7月1日からの施行に向けて、9日から再開される予算国会に同法案が提出される。他方で、貿易連合会(Confederation of All India Traders)は、7割の中小企業がデジタル化に対応しておらず短期間での適応が難しいことから、7月1日のGST施行を9月1日に延期してほしい旨要望しているとの報道もある。
メモ:法案の主要点は以下のとおり。
(1)納税者による申告、納税、その他のコンプライアンスを満たすため州毎に登録。税務コンプライアンスのほとんどをオンラインで実施。州内外の供給、国外への輸出にかかわらず、州毎に申告書を提出。
(2)税の累積を避けるため、法律が定める少数の例外を除き、事業に使用される物品及びサービスについてITS(仕入税額控除)が認められる。仕入にかかるIGSTは、受取CGST、SGST、連邦直轄地GST(UTGST)に対して控除可能。仕入にかかるCGST、SGST、UTGSTは、受取IGSTに対して控除可能。
(3)輸出者の資本の固定化(lock-in)を回避するため、還付申請提出から7日以内に、還付請求額の80%を仮還付。
3月16日
16日、GST委員会の第12回会合が開催された。同委員会では、州及び連邦直轄地におけるGST施行にかかる法案を承認した。中央政府は、4法案(中央GST、統合GST、連邦直轄地GST及び補償)を次週の国会に提出する予定。なお予算国会は4月12日に閉幕予定。
メモ:各種報道によれば、今回の委員会では、経済特区(SEZ)への供給については物理的輸出とみなし、無税とすることを決定するとともに、健康及び環境へ悪影響を及ぼす物品への諸税を最高15%とした。本諸課税はGST補償基金へ収集され、導入後5年間の州の歳入ロス補償に充てられる予定。GSTは基本税率が5、12、18、28%となっているが、今後検討する個別物品へ適用される税率について承認を与えるため、再度委員会が開催される見込み。
【北東州ビジネスサミット】
3月9日~10日
9日及び10日、デリーにて、インド商工会議所(ICC:Indian Chamber of Commerce)が主催する北東州ビジネスサミットが開催された。これは、北東州地域への投資促進とビジネス機会創出を目的としたもので、プラブー鉄道大臣がオープニング・セッションにビデオメッセージを送り、クロージング・セッションではシン北東州開発大臣が挨拶した。本サミットには、政策関係者、各種専門家、企業代表などが参加した。
メモ:プラブー鉄道大臣は、メッセージの中で、北東州の手工芸品・織物を販売する電子商取引プラットフォームを賞賛し、これを通じて地域の起業家が生産物を市場化するよう促し、北東州地域がインドの緑の製造ハブ(Green Manufacturing Hub)となるべきと述べるとともに、観光推進と雇用創出のため、シッキム州およびダージリン地域への鉄道延長に係るトンネル工事が開始された旨述べた。
またシン北東州開発大臣は、北東州開発省は、インドの東部国境と接する国々へのアプローチのために東部国境地域を整備し、ひいては「アクト・イースト」政策を補完するために、北東州が国内他地域からの投資家にインセンティブを提供するよう積極的に取り組んでいると述べた。また、アルナチャル・プラデシュ州やメガラヤ州はミャンマーやブータン等の近隣国と食や生活習慣に共通性があり、生産ポテンシャルがある旨述べた。
3.外交
【IORA(環インド洋地域協力連合)】
3月7日
7日、IORA(環インド洋地域協力連合)リーダーズ・サミットがインドネシアのジャカルタで開催され、アンサリ副大統領が出席した。アンサリ副大統領は演説で、インドにおけるIORA研究機関(IORA Centre of Excellence)設立を提案した。アンサリ副大統領は、IORAリーダーズ・サミットのサイドラインで、インドネシア大統領、スリランカ大統領、イエメン大統領、インドネシア副大統領、イラン外相と会談した。またIORAリーダーズ・サミットに先立つ閣僚級会合にV.K.シン外務担当閣外相が出席した。
【インド・アフリカ関係】
3月9日~10日
CII(Confederation of Indian Industries: インド工業連盟)-EXIM銀行(インド輸出入銀行)主催、印外務省及び印商工省共催により、第12回CII-EXIMインド・アフリカ・プロジェクト会議が開催された。ムスワティ3世スワジランド国王及びルグンダ・ウガンダ首相が主賓として参加したほか、アフリカの37カ国から33名の閣僚級が参加した。
【インド・パキスタン関係】
3月11日
11日、インド外務省は、駐印パキスタン次席高等弁務官を召喚し、停戦ライン(LoC)及び国境において継続して生じているパキスタン側の停戦違反に対する深刻な懸念と強い非難を伝えた。
【インド・ロシア関係】
3月17日、18日、23日
17日、ジャイシャンカル外務次官は、印露外務次官級対話出席のため訪露し、第18回印露年次首脳会談の準備、サンクトペテルブルグで開催される経済フォーラムへのモディ首相の出席、外交関係樹立70周年記念行事等について協議した。
15日~18日、トルトネフ露副首相兼極東連邦管区大統領全権代表が訪印した。ムンバイにおいて産業界の代表と会談したほか、17日には、スワラジ外相と会談し、インドとロシア極東地域間の貿易及び投資拡大について協議した。
23日、ウリヤノフ露外務省不拡散・軍事管理局長がインドを訪問し、デリーで行われた軍縮・不拡散に関する二国間年次協議に参加した。インド側代表はシャルマ外務省軍縮・国際安全保障局長が務めた。
【インド・アフガニスタン関係】
3月16日
対テロ会議参加のため訪印中のカルザイ・アフガニスタン副首相は、アクバル外務担当閣外相、ジャイシャンカル外務次官及びシンハ経済担当外務次官と会談した。
【インド・BIMSTEC関係】
3月21日
BIMSTEC国家安全保障担当補佐官の第一回会合がデリーで開催された。ドバル印国家安全保障担当補佐官が議長を務めた。
メモ:BIMSTEC(ベンガル湾多分野技術経済協力イニシアティブ)は、インド、ネパール、ブータン、バングラデシュ、スリランカ、ミャンマー、タイをメンバーとする地域経済協力枠組み。本会合では、BIMSTEC加盟国が共通の安全保障上の課題に直面することが指摘され、伝統的及び非伝統的な課題に対処する必要性と、ベンガル湾が共通の安全保障空間であるとの認識の重要性が強調され、加盟国共同の戦略を打ち立てることが合意された。具体的には、警察、情報機関、治安機関間の協力拡大及び能力構築のための具体策、サイバーセキュリティーに関する共同フォーラム、HA/DR(人道支援・災害救援)を含む海洋安全保障協力の強化、宇宙技術の利用、トラック1.5のBIMSTEC安全保障対話フォーラムの立ち上げ等が決定された。さらに本会合を年次会合とすること及び次回会合はバングラデシュが主催することが決定された。
4.日印関係
【日インド次官級2+2対話】
3月8日
第4回日インド次官級2+2対話が東京において開催された。日本側から秋葉剛男外務審議官及び真部朗防衛審議官が、インド側からはジャイシャンカル外務次官及びモハン・クマール国防次官が出席した。
メモ:本対話では、現下の国際情勢の下、地域やグローバルな諸課題の対応にあたり、日本とインドの連携が一層不可欠となっているとの基本認識を共有するとともに、日本の「自由で開かれたインド・太平洋戦略」とインドの「アクト・イースト」政策を連携させ、開かれ安定した海洋、地域の安定と繁栄という共通目標の実現に共に取り組むことで一致した。また、昨年11月の日印首脳会談において2+2対話等を通じて安全保障・防衛分野の協力に関する対話をさらに強化することを再確認したことを踏まえ、防衛装備協力、テロ対策、海洋安保協力、平和維持活動、サイバー・宇宙等の分野における協力強化のあり方について議論した。さらに、北朝鮮情勢について、北朝鮮によるいかなる挑発行動も容認できず、国際社会が断固たる姿勢で対応し、安保理決議の実効性を確保すべく連携することで一致した。その他、東アジア、南アジア情勢を含む地域情勢及び地球規模課題の幅広い事項についても認識が共有された。
【インドの鉄鋼製品に対するセーフガード措置についてのWTO協定に基づくパネル設置の要請】
3月9日
日本は、ジュネーブにおいて、インドによる鉄鋼製品に対するセーフガード措置について世界貿易機関(WTO)協定に基づくパネル設置を要請した。
今月の注目点:
インドによる鉄鋼製品に対するセーフガード措置についてのWTO協定に基づくパネル設置の要請
インドは、輸入される鉄鋼製品について2015年9月14日から2年6か月間の追加関税措置を実施。追加関税率は、最初の1年間は20%、その後18%、15%、10%と半年毎に逓減。また、2016年2月5日から一部製品に最低輸入価格を設定し、この価格を下回る製品の輸入を禁止・制限する措置を実施した。こうした措置がWTO協定上の義務に違反しているおそれがあり、2016年12月、日本はインドに対して協議を要請し、2月6日及び7日に協議を実施した。この協議結果を踏まえ、3月9日にインドによるセーフガード措置について、パネル設置を要請。本件では、インドが鉄鋼製品に対して課しているセーフガード措置について、「千九百九十四年の関税及び貿易に関する一般協定(GATT)」及び「セーフガードに関する協定」との整合性が問題となっている。日本は、本件がWTOのルールに従って適切に解決されるよう、今後の手続を進めていく予定。(なお、4月3日、WTO紛争解決機関(DSB)は、インドの鉄鋼製品に対するセーフガード措置について、我が国の要請を受けWTO協定に基づきパネルを設置した。)