日印関係最新情報

第2回日米豪印首脳会合

2021年9月25日掲載


(外務省HPより https://www.mofa.go.jp/mofaj/fp/nsp/page4_005424.html)

 現地時間9月24日午後2時(日本時間25日午前3時)から約2時間20分、ワシントンDCを訪問中の菅義偉内閣総理大臣は、スコット・モリソン・オーストラリア連邦首相(The Hon Scott Morrison, MP, Prime Minister of the Commonwealth of Australia)、ナレンドラ・モディ・インド首相(H.E. Mr. Narendra Modi, Prime Minister of India)、ジョセフ・バイデン米国大統領(The Honorable Joseph R. Biden, Jr., President of the United States of America)との間で首脳会合を行ったところ、概要は以下のとおりです。会合後、共同声明及びファクトシートが発出されました。

  1. 4か国の首脳は、本年3月の日米豪印首脳テレビ会議で一致したとおり、今般、対面での日米豪印首脳会合が開催されたことを、4か国の強い結束とインド太平洋地域への強いコミットメントを示すものとして歓迎し、地域の安全と繁栄のため、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向け取り組んでいくことを再確認しました。
  2. 4か国の首脳は、日米豪印は基本的価値を共有し、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の強化にコミットしており、4か国の協力を一層強化していくこと、また、法の支配、航行及び上空飛行の自由、紛争の平和的解決、民主的価値、領土の一体性といった原則を支持することで一致しました。
  3. 4か国の首脳は、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向け、引き続き様々なパートナーとの連携を広げ、具体的協力を積み上げていくことで一致しました。また、ASEANの主体的な取組である「インド太平洋に関するASEANアウトルック」や、ASEANの一体性及び中心性に対する強い支持も、改めて確認しました。また、4か国の首脳は、EUの「インド太平洋における協力のための戦略」も歓迎しました。
  4. 4か国の首脳は、国際社会が直面する喫緊の課題である新型コロナ感染症対策に関し、日米豪印がワクチン供与や資金拠出を通じて、インド太平洋地域における、安全性、有効性、品質が保証されたワクチンへの公平なアクセスの確保に向け大きな役割を果たしていることを確認するとともに、ワクチンの生産拡大、インド太平洋地域への供給を含め、新型コロナ感染症対策において引き続き協力していくことで一致しました。
  5. 4か国の首脳は、ワクチン協力をはじめとするコロナ対策の他にも、3月の首脳テレビ会議で立ち上げた重要・新興技術、気候変動に関する作業部会でも着実に成果が積み上げられていることを確認しました。この関連では、重要・新興技術に関して、「技術の設計・開発・ガバナンス及び利用に関する日米豪印原則」声明を採択しました。また、気候変動分野では、菅総理から、バイデン大統領が主導する「グローバル・メタン・プレッジ」への参加を表明しました。
  6. 日米豪印の間では、これまでも、質の高いインフラ、海洋安全保障、テロ対策、サイバー・セキュリティ、人道支援・災害救援を始め、様々な分野で実践的な協力が行われていますが、今回、4か国の首脳は、それらの協力の進展を歓迎し、宇宙、サイバーの分野で作業部会等を立ち上げるとともに、クリーン・エネルギー、人的交流といった分野でも協力を強化することでも一致しました。
  7. アフガニスタン情勢について、菅総理からは、希望者等の安全な出国の確保は極めて重大な課題である旨を指摘するとともに、アフガニスタンを二度とテロの温床にさせないよう国際社会が緊密に連携して対応していくことが必要である旨述べ、4か国は引き続き緊密に連携していくことで一致しました。
  8. 東シナ海、南シナ海情勢については、菅総理から、力を背景とした現状変更の試みについて深刻な懸念を表明し、4か国の首脳は、国連海洋法条約を含む国際法を始めとするルールに基づく海洋秩序への挑戦に対抗するため、連携していくことで一致しました。また、菅総理から、香港、新疆ウイグル、台湾に関する我が国の基本的立場を述べました。
  9. 北朝鮮について、菅総理から、先般の弾道ミサイル発射は安保理決議に明白に違反するものであり、強く非難したと述べ、4か国の首脳は、国連安保理決議に従った北朝鮮の完全な非核化へのコミットメントを再確認した上で、北朝鮮に対し、国連の義務に従い、挑発行動を控えるとともに、実質的な対話を行うよう求めました。また、菅総理から拉致問題の即時解決に向けた各国の理解と協力を求め、各国から支持を得ました。
  10. ミャンマー情勢について、菅総理から、ミャンマー国軍に対し、暴力の即時停止、アウン・サン・スー・チー国家最高顧問を含む被拘束者の解放、民主的な政治体制の早期回復を粘り強く求めてきている旨述べ、事態の打開に向けて、ASEANの「5つのコンセンサス」を具体的成果につなげていくことが重要である旨述べました。4か国の首脳はミャンマーで早期に民主主義を回復させる必要性を強調し、「5つのコンセンサス」の早期履行を求めました。
  11. 4か国の首脳は、今回の首脳会合によって高まった日米豪印のモメンタムを今後も維持・強化していくことを確認し、今後毎年、日米豪印首脳会合を開催することで一致しました。
  12. また、日米豪印首脳会合の後、菅総理とモリソン・オーストラリア首相はハリス米国副大統領との懇談を行いました。懇談では、菅総理から、今回の日米豪印首脳会合は、「自由で開かれたインド太平洋」という共通のビジョンへのコミットメントを確かなものとする極めて有意義なものとなった旨述べるとともに、先月、ハリス米国副大統領の夫君であるエムホフ氏にパラリンピック開会式に参加いただいたこと、オリンピック・パラリンピックに米国から一貫して力強い支持を頂いたことに、改めて謝意を表明しました。その後、新型コロナ対策、地域情勢、サイバー・技術等について意見交換が行われました。

成果文書