
1.内政
【ジャイシャンカル外務次官の交代】
1月1日
インド内閣任用委員会は、今年1月28日に任期切れを迎えるジャイシャンカル印外務次官の後任として、ゴカレ外務省経済担当次官(前駐中大使)を指名した。
【冬期国会の閉会】
1月5日
冬期国会が閉会。冬期国会では両院で22の法案が通過した。
【アグニVミサイルの発射試験成功】
1月19日
インドは約5000Kmの射程を持つアグニVミサイルの導入前試験を成功させた。本ミサイルは、アジア全域を射程に収めることから、中国を核攻撃することもできる。インドは今年中にあと1回の導入前試験を実施する予定。アグニVミサイルが導入されれば、インドは、アメリカ、イギリス、ロシア、中国及びフランスと肩を並べることになる。
【州議会選挙】
1月18日
ナガランド州議会選挙日程(2月27日投票、3月3日開票)、メガラヤ州議会選挙日程(2月27日投票、3月3日開票)及びトリプラ州議会選挙日程(2月18日投票、3月3日開票)が発表された。
2.経済
【FDI制度改革に関するインド政府の発表】
1月10日
インド政府は、海外直接投資(FDI)制度に関する改革を発表。代表的な改革は以下のとおり。
単一ブランド小売業分野:現行政策では出資比率49%以下のFDIが自動認可ルート、それ以外のFDIは政府認可ルートであったのが、全てのFDIについて自動認可ルートを認められることとなった。
民間航空分野:現行政策では、外国航空会社はエア・インディアに出資できなかったのが、49%まで出資することを認めることとなった。
電力取引所:現行政策では、海外機関投資家(FII)/外国ポートフォリオ投資(FPI)は流通市場(secondary market)のみに限定されていたが、発行市場(primary market)においても電力取引所に投資することが認められることとなった。
【西ベンガル州政府主催投資誘致会合の開催】
1月16日-17日
コルカタにおいて第4回目となる西ベンガル州政府主催投資誘致会合が開催された。日本、伊、ポーランド、独、韓、チェコ、英、仏及びUAEの9カ国がパートナー国に就任、海外の32カ国から350名の企業関係者の出席があった。日本からは、野口JETRO理事率いる日本企業代表団が参加。
【物品・サービス税(GST)委員会第25回会合】
1月19日
中古車や公共運送に使用されるバイオ燃料のバスなど29品目の物品、及び政府機関等に対する法律サービスやメトロ及びモノレールプロジェクトの建設等54品目のサービスに係る税率の引下げ等が決定された。
3.外交
【インド・タイ関係】
1月4日-5日
スワラージ外相はタイを訪問し、ドーン・タイ外相と会談した。
【インド・インドネシア関係】
1月5日-6日
スワラージ外相はインドネシアを訪問し、ルトノ・インドネシア外相と会談したほか、第5回印インドネシア共同委員会会合及び第5回シンクタンクに関する印ASEANネットワーク円卓会議に出席した。
【インド・シンガポール関係】
1月6日-8日
スワラージ外相はシンガポールを訪問し、バラクリシュナン外相と会談した。
【インド・モルディブ関係】
1月10日-12日
アーシム・モルディブ外相兼大統領特使が訪印し、モディ首相を表敬したほか、スワラージ外相と会談した。
【インド・イスラエル関係】
1月14日-19日
ネタニヤフ・イスラエル首相が訪印し、モディ首相と会談した後、印イスラエル共同声明が発出されたほか、コヴィンド大統領を表敬及びスワラージ外相からの表敬を受けた。また、インド主催の国際会議「第3回ライシナ対話」、印イスラエル・ビジネスサミットに出席したほか、アグラ、アーメダバード、ムンバイを訪問した。
【インド・バングラデシュ関係】
1月17日
アリ・バングラデシュ外相が訪印し、スワラージ外相と会談した。
【インド・スイス関係】
1月22日-23日
モディ首相は世界経済フォーラム出席のためダボスを訪問し、23日に基調演説を行ったほか、ベルセ・スイス大統領と会談した。また、同フォーラムのサイドラインで、トルドー加首相及びマキシマ・オランダ王妃陛下と会談した。
【印ASEAN関係】
1月24-26日
印ASEAN対話開始25周年を記念し、ASEAN10カ国首脳が訪印。24日、モディ首相はアウンサン・スー・チー・ミャンマー国家最高顧問、フック越首相、ドゥテルテ比大統領と会談した。また、25日、印ASEAN記念首脳会合が実施され、「デリー宣言」が発出されたほか、サイドラインでモディ首相はジョコ・ウィドド尼大統領、トンルン・ラオス首相、ナジブ馬首相と会談した。26日、ASEAN10カ国首脳は印共和国記念日行事に出席した。なお、ASEAN10ヵ国からの出席者は次のとおり。ジョコ尼大統領、ドゥテルテ比大統領、ボルキア・ブルネイ国王、リー・シェンロン星首相、フック越首相、ナジブ馬首相、プラユット泰首相、トンルン・ラオス首相、フン・セン・カンボジア首相、アウンサン・スー・チー緬国家最高顧問。
4.日印関係
【河野外務大臣による「インド共和国記念日レセプション」出席】
1月26日
「インド共和国記念日レセプション」が開催され、日本政府を代表して河野外務大臣が出席。レセプションの開会式典において河野外務大臣は、インド共和国記念日について祝意を述べるとともに、インドは自由で開かれたインド太平洋戦略の推進にあたり最も重要なパートナーの一つであり、外務大臣として日印関係の更なる関係強化に向けて一層尽力していくとの決意を述べた。
今月の注目点:薗浦内閣総理大臣補佐官のインド訪問
1月16日から18日まで、薗浦健太郎内閣総理大臣補佐官が、インドのチェンナイ及びデリーを訪問した。詳細は以下のとおり。
(1)1月16日夜、薗浦補佐官は、チェンナイにおける第16回日印海上保安機関連携訓練の実施に際し、海上保安庁長官主催レセプションに出席し、日本の「自由で開かれたインド太平洋戦略」に言及しつつ、この連携訓練の重要性やスリランカ及びモルディブから初めてオブザーバー参加を得た意義について述べ、連携訓練の成功を祈念するとのスピーチを行った。また、1月17日には、日印海上保安機関連携訓練に参加する海上保安庁巡視船つがるを視察し、つがる乗組員を激励した。
(2)薗浦補佐官は、このチェンナイ訪問の際に、バドナガル・タミルナド州管区海軍司令官及びプロヒット・タミルナド州知事との間で、海上保安分野や防衛分野を始めとする様々な分野における日印間の更なる関係強化等について、幅広い意見交換を行った。また、日本企業関係者との意見交換を実施し、プロヒット州知事には、日本企業支援に関する働きかけを行った。
(3)1月17日夜、薗浦補佐官は、デリーにおいて、インド主催の国際会議「第3回ライシナ対話」に出席し、約120名の出席者を前にスピーチを行った。このスピーチにおいて、日本の「自由で開かれたインド太平洋戦略」の下での日本の取組について紹介しつつ、国際社会が連携してインド太平洋地域の平和と繁栄を確保すること、特にインドの役割が重要であることを述べつつ、米国、オーストラリア、ASEAN等との有志国と連携をさらに強化したい旨述べた。また、北朝鮮の核・ミサイル問題を解決するために国際社会が連携して圧力を高めていく必要性を強調した。
(4)1月18日、薗浦補佐官は、シン外務担当閣外大臣との間で、政治・安全保障、経済・経済協力、人的交流の日印二国間の課題、地域情勢やグローバルな課題について協議した。その中で、自由で開かれたインド太平洋戦略の実現に向けて引き続き協力していく点や、北朝鮮に対してさらなる圧力を強化する点で一致した。