日印関係最新情報

月間インドニュース(2012年12月)

2013年1月14日掲載


Ⅰ. 内政
12月5日
*5日付ヒンドゥー紙等は、インド人民党が下院に提出した小売分野におけるFDI規制緩和への反対の動議が否決されたことを報じている。反対票は253票、賛成票は218票。
12月6日
*7日付のヒンドゥー紙は、6日、インド原子力エネルギー規制委員会が、タミル・ナードゥ州にあるクダンクラム原子力発電所の第2段階の加熱を許可したことを発表。同発電所は、プーチン露大統領がインドを訪問する12月24日頃に臨界温度に達すると見られているが、同委員会はこれを単なる偶然であると否定しているとのことである。
*7日付のヒンドゥー紙によれば、BSPのマヤワティ党首は、上院(ラージャ・サバー)におけるFDI規制緩和反対の動議が提出されれば、与党統一進歩連合(UPA)を支持する姿勢を明らかにした。SPも9名の議員が投票時に議場を後にすることを明確にしており、また、元クリケット選手のサッチン・テンドゥルカール議員が当日不在であることが明らかとなっていることから、出席議員数は234名、UPAはBSPの支持を含めれば100票を有することとなり、9名の大統領任命議員9名を併せて、反対票は119票となり、動議を否決することができると報じている(注:後日報道によれば、7日に行われた上院の審議において、SP所属議員も反対票を投じ、否決されたとのことである)。
12月11日
*13日付のヒンドゥー紙は、シタール奏者のラビ・シャンカール氏が、アメリカのサンディエゴにおいて、妻と娘のアヌーシュカ・シャンカール・ライトとノラ・ジョーンズに見守られ息を引き取ったことを伝えている。
12月16日
*18日付ヒンドゥー紙他は、16日夜、南デリーにおいて、市内を走行中バスの車中で23歳の女性に対する集団暴行事件及び同行していた男性の友人に対する暴力事件が発生したことを報じている。同紙によれば、警察は、バスの運転手含む2名を逮捕、残り2名の容疑者を追跡しているとのことである。
12月17日
*18日付のヒンドゥー紙他は、インド政府の職員の昇進に関する留保枠を設定するための憲法第117条修正案が、上院において可決されたことを報じている。
12月20日
*インド政府発表によれば、11月22日に開幕したインド冬期国会が閉幕。今国会では、6法案(銀行法改正案、マネーロンダリング防止法改正案、非合法活動防止法改正法案等)が可決、懸案となっているオンブズマン制度導入法案(ロークパル法)、食糧安全保障法案、保険法改正法案や年金基金改正法案については、進展がなかった。
*インド選挙管理委員会は、グジャラート州及びヒマーチャル・プラデーシュ州の州議会選挙の結果を発表した。

Ⅱ. 経済
12月4日
*5日付のヒンドゥー紙等は、国際オリンピック委員会(IOC)が、同委員会の警告にも関わらず、インドオリンピック協会(IOA)が選挙を実施したことを理由として、資格停止を命じたことを報じている。
12月7日
*7日付のヒンドゥー紙は、モルジブのイブラヒム・ナシール国際空港から、インドの多国籍企業であるGMRが7日付で撤退、モルジブ空港会社(MACL)に経営権が引き渡されることが決まった旨報じている。これはシンガポールの控訴院が、モルジブ政府がGMRとの契約を破棄する権利を有しているとの判断を下したことに基づくものであるが、GMRの撤退は、モルジブへのインドの戦略的な関与と同地域におけるインドのイメージにとって深刻な後退となると報じている。ナシード・モルジブ前大統領は、「モ」政府に対して、GMRの撤退を見直すよう求めている。
12月8日
*9日付のヒンドゥー紙は、8日、カマル・ナート都市開発大臣が、年末年始を目処に、デリーメトロ空港線が開通予定であると述べたことを報じている。同路線は、建築中に発見された工事不備のため、閉鎖されていた。
12月11日
*12日付ヒンドゥー紙は、インド政府は、補助金付きのLPG家庭用ガスシリンダーの年間割当て数を6本から9本に引き上げることを検討していることを報じている。これは、10日のモイリー石油・天然ガス大臣が、報道関係者との会談において明らかにしたもの。
12月12日
*11日、インド統計局は、本年10月の鉱工業生産指数(IIP)の速報値を前年同月比8.2%増と発表。
12月18日
*19日付タイムス・オブ・インディア紙等は、12月28日付でサイラス・ミストリー・タタ・サンズ副会長が会長に就任し、ラタン・タタ会長が会長を辞任し、名誉会長に就任することを報じている。
*19日付のビジネス・スタンダード紙他によれば、インド準備銀行(RBI)は、政策決定会合において、政策金利であるレポレートと預金準備率を、それぞれ現行の8.0%と4.25%のまま据え置くことを決定。
12月20日
*21日付ビジネス・スタンダード紙他は、インド・ASEAN間のサービス貿易・投資に関するFTA交渉が完了し、2013年8月に署名されることを報じている。

Ⅲ. 外交
12月2日
*3日付のヒンドゥー紙は、メノン国家安全保障補佐官が、中国との間で、国境問題を含む戦略的な問題に関する両国の共通関心事項について協議するため、北京に到着したことを報じている。メノン補佐官の北京訪問は2日間であり、3日に予定される協議はあくまでも非公式なものであるとのこと。なお、インド外務省の発表によれば、両国は、11月30日、デリーにおいて第2回の作業メカニズム会合を開催している。
12月4日
*5日付のヒンドゥー紙は、中国との協議を終えたメノン国家安全保障補佐官が、国境問題について、「相当な進展があった」旨述べたことを伝えている。
12月10日
*11日付のヒンドゥー紙は、インドを訪問中のヤヌコーヴィチ・ウクライナ大統領とシン首相の会談において、インドとウクライナが両国間の広範な防衛協力について合意する内容の5つの文書に署名したことを伝えている。同紙によれば、インドは、これまでの軍備の売り買いという関係から、新型の共同開発の関係の構築を考えているとのこと。
12月20日
*21日付のヒンドゥー紙は、ケララ州高等裁判所が、拘留中のイタリア海兵隊員2名について、6千万ルピーの保釈金の支払い及びインドに帰国することを条件とし、2週間の帰国を許可したことを報じている(注: イタリアの民間船舶であるエンリカ・クレシー号に乗船していた2名のイタリア海兵隊員が、インドの漁民2名を殺害したとして、ケララ州警察に逮捕され、裁判が行われている)。
12月20~21日
*インド外務省発表によれば、デリーにおいて、インド・ASEAN記念サミットが開催された。
12月24日
*インド外務省発表によれば、24日、インドを訪問中のプーチン露大統領とシン首相との間で第13回年次首脳会談が行われ、両首脳は共同声明を発表。

Ⅳ. 日印関係
12月28日
*日インド外相間電話会談及び首脳間の電話会談を実施。
(概要は、外務省HPにておいてご確認いただけます)
日インド首相電話会談
 URL http://www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/s_abe2/121228_02.html
日インド外相電話会談
 URL http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/24/12/1228_06.html