
1 内政
【連邦議会】
1月14日
議会事務局は、予算国会を1月29日から4月8日まで開会すると発表した(ただし、2月16日から3月7日までは休会予定。)。
【農業関連法】
1月6日
BJP内で農業事業者らとの調整担当委員長に任命されたジャニ元パンジャブ州大臣は、メディアに対し、中央政府の者が出向き農業事業者らの話を聞くべきである、調整担当委員会が設置されたが中央政府が聞く耳を持たなければ意味がない、と述べた。
1月15日
ラーフル・ガンディー・コングレス前総裁は、デリー準州での農業関連法に対する同党の抗議活動において、モディ首相は農民に敬意を払わず、抗議活動中の農民を疲弊させていると述べ、中央政府と農業団体との会合は時間稼ぎであると批判した。
1月17日
シャー内務大臣は、カルナータカ州でのイベントにおいて、モディ首相の最優先事項は農民の収入を倍増させることであると述べるとともに、コングレスが中央政権を担っていた際には農業に係る予算が少額だったとして批判し、BJP政権は農業部門の改善及び農民の福祉向上のためあらゆることを実施すると述べた。
1月26日
デリー準州において農業団体によるトラクターを使った抗議活動が実施され、参加者の一部が暴徒化し、死傷者が発生する事態となった。
【コングレス】
1月22日
コングレスは、CWC(党の最高意思決定機関)会合を実施し、特に2020年8月以降党内で強く実施が求められてきた新総裁決定のための党内選挙を、予算国会開会及び農民による抗議活動の状況などを理由として本年6月まで延期する旨決定した。
【アッサム(AS)州】
1月19日
コングレスは、4月頃の実施が見込まれるAS州議会議員選挙において、インド共産党(CPI)、統一民主戦線(AIUDF)など5政党と同盟を組み議席を争う旨、反BJPを掲げる他政党の加盟も歓迎する旨発表した。
1月23日
モディ首相は、AS州でのイベントにおいて、AS州の土地所有証明書を持たない先住民(部族民)約10万世帯に対する証明書の発行を発表した。同証明書の発行は、2016年州議会議員選挙時のBJPの公約の一環であり、すでにその他10万世帯に対し証明書を発行済み。また、一部報道によると、同イベント開催地は、2019年12月に連邦議会で可決された改正市民権法(CAA)に対する抗議活動が盛んに実施された地域であり、同イベントは、4月頃の実施が見込まれるAS州議会議員選挙を前に、AS州有権者の取り込みを図るBJPの政治的キャンペーンであるとする見方がある。
2 経済
【インド経済】
1月25日―1月31日のインド政府・民間機関等が公表した経済指標の概要以下のとおり。
ポイント
1 IMFは先週、最新の世界経済見通しを公表し、インドの経済成長率見通しを2020年度(今年度)が▲8.0%、2021年度が+11.5%とした。IMFは主要国で2021年の夏までにワクチンが広く普及する前提で試算しており、2021年下期にかけて回復に弾みがつくと予想した。インドについては、ロックダウンが緩和されてから予想よりも強い回復が見られているということに言及している。なお、昨年1月のまだコロナによるパンデミックの影響が強く予測されていなかった頃にIMFから公表された世界経済見通しでは、インドの経済成長率は+5~6%台で推移すると予測されていたところ、それと比較すると今年度大きく落ち込み、来年度はその繰越需要等による成長が見込まれているとみることができる。
2 株式市場は、6日連続で下落し、先週一週間で2,000ポイント以上下落した。国内的要因としては、2月1日の予算案の発表に先立ち、パンデミック終息に向けたワクチン接種への予算支出のために一時的に税金を引き上げる可能性があること、対外的な要因としては、個人投資家の投機的な売買により米株式市場で不安定な動きが続くとの懸念から、運用リスク回避の目的で売りが先行した。
3 外交
(印・ネパール関係)
1月15日
インド外務省は、ギャワリ・ネパール外相が訪印し、ニューデリーにて第6回印ネパール共同委員会が開催された旨プレスリリースを発表した。印側はジャイシャンカル外相及びシュリングラ外務次官が出席した。同委員会では、両国間のあらゆる分野協力について包括的に評価され、両国の伝統的かつ友好的関係のさらなる強化のためのあり方について議論された。
(印・イスラエル関係)
1月27日
現地メディアは、ネタニヤフ・イスラエル首相が、インド共和国記念日に際して「72回目のインド共和国記念日に際して、自分の偉大な友人であるモディ首相とインド国民に祝意を伝える。我々の友情は年々増している。」とツイートした旨報じた。
(印米関係)
1月21日
現地メディアは、モディ首相がバイデン米大統領、ハリス米副大統領の就任に際し、祝意のメッセージを送った旨報じた。モディ首相は、「米国大統領就任に際し、バイデン大統領に祝意を伝える。米印戦略的パートナーシップを強化するために協力していくことを楽しみにしている。」とツイートした。
1月29日
インド外務省は、ジャイシャンカル外相がブリンケン米国務長官と電話会談を実施した旨プレスリリースを発表した。
(印・UAE関係)
1月28日
インド外務省は、モディ首相がシェイク・ムハンマド・ビン・ザーイド・アル・ナヒヤン・アブダビ皇太子及びUAE副総合司令官と電話会談を実施した旨プレスリリースを発表した。
(印英関係)
1月18日
現地メディアは、共和国記念日への欠席を伝えたジョンソン首相が、モディ首相に対して、6月のG7サミットより前に訪印することを強調した旨報じた。
(その他)
1月19日
インド外務省は、インド国内で製造された新型コロナウイルスのワクチンの無償供与が、近隣諸国及び主要パートナー諸国に対して20日から開始される旨のプレスリリースを発表した。
1月22日
インド外務省は、核兵器禁止条約に関するインド政府の見解についてプレスリリースを発出した。
1月27日
現地メディアは、インド共和国記念日に際して、マクロン仏大統領、ジョンソン英首相、モリソン豪首相がビデオメッセージを送った旨報じた。マクロン大統領は、印仏の共同プロジェクト及び「インド太平洋の大志(Indo-Pacific ambition)」に言及しつつ、「パンデミックにおいて、印仏はかつてないほどに同じ困難、闘い、万人を治療しパンデミックの困難にともに立ち向かう意思を共有している。」と述べた。モリソン首相は、印豪両国が民主主義、自由、多様性、機会の同じ理想を追求し、これらに基づいたより良い世界構築に向け協力していると述べた。ジョンソン首相は、世界最大の民主主義国家を創設した「最高の憲法」が誕生した日を祝福した。
4 日印関係
1月25日
インド内務省は、2021年パドマ賞の受賞者を発表し、安倍前総理にパドマ・ヴィブーシャン賞が授与される旨発表した。
今月の注目点:安倍前総理のパドマ・ヴィブーシャン賞受賞
1月25日、インド内務省は、2021年パドマ賞の受賞者を発表し、安倍前総理にパドマ・ヴィブーシャン賞が授与される旨発表したところ、概要以下のとおり。
国の最高叙勲であるパドマ賞は、パドマ・ヴィブーシャン、パドマ・ブーシャン、パドマ・シュリーという3つのカテゴリーで授与される。これらの賞は、芸術、社会活動、公的活動、科学技術、通商・産業、医学、文学、教育、スポーツ、行政といった様々な分野で与えられる。「パドマ・ヴィブーシャン」は特に卓越した業績のあった人物に、「パドマ・ブーシャン」は高度に卓越した業績のあった人物に、「パドマ・シュリー」は卓越した業績のあった人物に与えられる。この賞は、例年、共和国記念日の機会に発表される。
これらの賞は、毎年3月又は4月頃に大統領府で開催される式典において、大統領により授与される(ただし、2020年は新型コロナウイルスのため開催せず。)。本年、大統領は、2人組の1件を含む119名へのパドマ賞授与を認可した。内訳は、パドマ・ヴィブーシャン7名、パドマ・ブーシャン10名、パドマ・シュリー102名である。
(パドマ・ヴィブーシャン賞受賞者)
1 安倍前総理
2 SPバラスブラマニアム(歌手・俳優、死亡叙勲)
3 ベル・モナッパ・ヘッジ氏(医師)
4 ナリンダル・シン・カパニー氏(米在住物理学者、死亡叙勲)
5 モウラナ・ワヒドゥディン・カーン氏(イスラム教指導者)
6 B.B.ラル氏(考古学者)
7 スダルシャン・サホー氏(彫刻家)