日印関係最新情報

月間インド・ニュース(2015年2月分)

2015年3月10日掲載


Ⅰ.内政
2月7日、10日
*7日、デリー準州で準州議会選挙の投票が行われ、10日、選挙管理委員会は、デリー準州議会選挙の結果を以下のとおり発表した。
庶民党(AAP)       67議席(+39議席)
インド人民党(BJP)     3議席(-28議席)
コングレス党       0議席(- 8議席)
その他          0議席(- 3議席)
(各党獲得議席数の右隣括弧内の数字は前回選挙時との獲得議席数比)
2月20日
*20日、マンジ・ビハール州首相は、州議会議員による信任投票が可決する見込みがないことから、州首相を辞任した。その後、22日、ニティシュ・クマール前州首相(JD(U))が宣誓式を行い、再び州首相に就任した。
2月23日
*23日、インド連邦議会の予算国会が開幕し、ムカジー大統領は上・下院合同会議にて演説を行った。同演説では、モディ首相の経済政策につき強調する一方、内政や社会開発の面で、金融包摂やクリーン・インディア等、貧困層に配慮した政策が強調された。
2月28日
*28日、ジャイトリー財務大臣は、2015年度予算案を国会に提出し、財政演説を行った。

Ⅱ.経済 
2月3日
*3日、インド準備銀行(RBI)は、第6回隔月金融政策会合を開催し、政策金利を引き下げた1月の臨時会合以降、インフレ率や財政健全化の見通しに新たな進展がないことから政策金利を据え置くと発表した。また、RBIは、2016年1月のインフレ率(消費者物価指数)の見通しは6%を維持し、2014年度の実質GDP成長率の予測は5.5%を維持する一方、2015年度は6.5%へ上方修正(これまでは6.3%)した。
2月8日
*8日、インド首相府は、本年1月1日に設立されたインド政策委員会(NITI Aayog)の運営理事会の初会合が、モディ首相(同委員会委員長)及びパナガリヤ副委員長出席の下で開催されたことを発表した。初会合において、モディ首相は、各州首相を招集し、中央政府と州政府が一体となった「チーム・インディア」が共同して様々な課題を解決し、成長と繁栄に向けた目標に向けて協力する協調的連邦主義のモデルを形成すべく中央政府と協働するよう呼びかけた。
2月9日
*9日、インド政府統計・計画実施省(MOSPI)傘下の中央統計局(CSO)は、2014年度GDP成長率見通し及び第3四半期のGDP成長率を発表するとともに、第1及び第2四半期のGDP成長率(いずれも2011-2012年度ベース)の上方修正を発表した。CSOは、2014年度の実質GDP成長率の見通しは前年度比7.4%で、第1四半期は前年同期比6.5%(改訂前は5.7%)、第2四半期は同8.2%(改訂前は5.3%)にそれぞれ上方修正され、第3四半期は同7.5%を達成したとした。
2月27日
*27日、インド財務省は、2014年度エコノミック・サーベイを予算国会に提出した。同省は、サーベイの中で、2015年度のインド経済成長率の見通しは前年度比8.1%-8.5%、また、中期的には2桁成長を予測する強気な見通しを示している。
2月28日
*タイムズ・オブ・インディア紙ほか各紙報道によれば、ジャイトリー財務大臣は2015年度予算案を国会に提出し、財政演説を行った。同予算案は、全体のトーンとして、経済成長重視の路線を明確に打ち出している一方で、金融包摂等の実績を強調しつつ、包摂的成長の重要性を言及する等、貧困層にも目配りした内容となっている。さらに、「メイク・イン・インディア」や「スキル・インディア」等の経済発展キャンペーンや、「クリーン・インディア」、ガンジス河浄化やヨガ振興など、モディ首相の打ち出した各種イニシアティブも取り込んでモディ・カラーも出している。同予算案において、歳出総額は、対前年(改訂後ベース)比5.7%増の17.8兆ルピーで、インフラ向け予算は、2014年度に比べ、特に鉄道や道路の分野を中心に、7,000億ルピーの増加となった。歳入については、税収総額(地方交付分を含む)は対前年度比15.8%増の14.5兆ルピーとなった。

Ⅲ.外交
2月1日-3日
*インド外務省及びタイムズ・オブ・インディア紙ほかの報道によれば、スワラージ外相は、1日から3日にかけて中国を訪問し、中国の王毅外交部長との印中外相会談及び印中露外相会談を実施した。スワラージ外相は、印中外相会談後、NDA政権発足から1年が経過する5月26日までに、モディ首相が二国間会談のために中国を訪問すると述べるとともに、モディ首相の訪中を特に国境問題において成果を重視するものとすると述べた。また、同外相は、印中露外相会談後に、インドのAPECへの参加が中国とロシアによって歓迎されたと述べた。
2月2日-5日
*エコノミック・タイムズ紙の報道によれば、S. S. チョーハン・マディアプラデーシュ(MP)州首相は、MP州商工・雇用相等MP州政府幹部とともに、在米インド人や米国経済界関係者と会合し、MP州への海外投資(特にIT産業や農業分野)を誘致することを目的に米国を訪問した。
2月7日
*インド外務省の発表によれば、7日にインド外務省で開催された在外公館長会議にモディ首相が出席し、各在外公館長に対して、インドが世界平和に対する新たな脅威に対抗する世界を支援する大きな責任を有していること、古い考え方から出し、国際情勢の変化に迅速に適応すべきであること、及びインドが気候変動の課題への対処や同課題へのグローバルな姿勢の転換に向けた取り組みについて主導的な役割をとるべきであることを述べた。
2月15日-18日
*インド外務省の発表によれば、15日から18日の日程でスリランカのシリセナ大統領がインドを国賓として訪問した。モディ首相は、シリセナ・スリランカ大統領との共同記者発表において、インドが対スリランカ投資と観光客の増加を促進する準備があることを伝えるとともに、両国間で民生用原子力協定を締結したこと、本年3月にモディ首相がスリランカを訪問することを発表した。

Ⅳ.日印関係 
2月28日
*28日、デリーにおいて、北川国土交通副大臣およびシンハ鉄道閣外大臣の出席の下、インド高速鉄道セミナーが開催された。50周年を迎えた日本の新幹線の経験等につきプレゼンテーションが行われたほか、隣接の展示会場において、日本の新幹線技術等が紹介された。