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日印関係最新情報

月間インドニュース (2023年1月)

2023年3月3日掲載


1 内政

(選挙管理委員会)

●1月18日、当地メディアは、印選挙管理委員会が、トリプラ州、メガラヤ州、及びナガランド州議会選挙の日程を発表した旨報じた。投票日はトリプラ州で2月16日、ナガランド州及びメガラヤ州で2月27日となっている。開票は3州とも3月2日。3州はいずれも60議席を有する。


(中央政府)

●1月22日、当地メディアは、中央政府がユーチューブとツイッターに対し、英BBC制作のドキュメンタリー番組「India:The Modi Question」のリンク削除を要請した旨報じた。印外務省・内務省・電子IT省政府高官らが協議を行い、当該ドキュメンタリーはインドの主権と一体性を損ない、外国との友好関係や国内の秩序に悪影響を及ぼしかねないと判断した。

 

(共和国記念日)

●1月26日、第74回共和国記念日の式典が各地で行われた。パレードでは、インド軍が国産装備や武器を披露、伝統的に行われてきた英国統治時代の25ポンド砲による21発の祝砲は、今年から印国産の野戦砲に変更された。

●1月26日、当地メディアは、ジャンム・カシミール(JK)準州で行われた共和国記念日の演説において、シンハJK準州知事は、5月にJK準州で行われるG20会合は、何十年にも渡り卑劣なテロ行為によって市民の利益を攻撃してきた人類の敵に対するメッセージと述べた旨報じた。


(予算国会)

●1月30日、予算国会の開会前日に全党会議が開催された旨報じた。野党は、ヒンデンブルグ・レポートによるアダニ・グループの不正(※)とその影響、BBCドキュメンタリー番組に対する政府の対応、各州知事の行動、インフレ、カースト毎の世論調査について議論することを要求した。

(※:1月24日、米国の米投資調査会社ヒンデンブルグ・リサーチが、世界4位の資産を保有するゴータム・アダニ氏率いるアダニ・グループについて行った2年に渡る調査の結果、アダニ・グループは株価操作や不正会計により富を築いていると指摘した報告書「ヒンデンブルグ・レポート」を発表。これによりアダニ・グループ株が暴落し大きな影響が出ている。アダニ氏はグジャラート出身でモディ首相とも近いと言われている。)


(コングレス)

●1月30日、インドの最南端から開始されたラーフル元コングレス総裁主導による全国行脚キャンペーン(バーラト・ジョードー・ヤートラ)が、ジャンム・カシミール(JK)準州スリナガルで最終日を迎えた。オマール・アブドゥッラー元州首相JK民族協議会(JKNC)議長、メフブーバ・ムフティ元JK州首相JK人民民主党(PDP)、ほかドラビダ進歩連盟(DMK)、ジャールカンド解放戦線(JMM)など9政党が参加した。2024年下院選挙に向けて野党の結束を呼びかけ、カルゲ・コングレス上院議会団長が23政党を招待したが予想よりも参加政党が少なかったと報じられている。


(RSS)

●1月26日、当地メディアは、バグワットRSS総裁が、ジャイプールで行われた共和国記念日祝賀イベントに参加した旨報じた。イベントにおいて、バグワット総裁は、アンベードカル博士がかつて「インド人がイギリスに支配されたのは、敵の能力が高かったからではなく、内紛のためである。」と発言しているように、自由と平等のもとインドを繁栄させたいのであれば、人々の間の兄弟愛(brotherhood)を強化する以外に方法はない、旨述べた。


(ナガランド(NL)州)

●1月19日、当地メディアは、NL州東部6県(NL州議席中20議席が該当)を新たな州としての独立を求めている「東部ナガランド人民連合(ENPO)」は、昨年8月に、「州の設立が認められない限り州議会選挙に参加しない」とする取り決めを行っているが、ENPOの一部を構成する部族が運営するコニャク組合(Konyak Union)が、18日の印選挙管理委員会による選挙日程の発表後に会合を開き、引き続き選挙をボイコットする旨決議した旨報じた。ENPOは印内務省と新州設立の要求について協議を行っているとされている。

●1月24日、当地メディアは、ENPOが新州設立を求めている6県の選挙区に属する20人の州議会議員が選挙出馬を決意した旨報じた。

●1月26日、当地メディアは、選挙前の連立交渉の結果、リオNL州首相率いる国民民主進歩党(NDPP)が40議席、BJP20議席の配分で候補者を選出すると発表されたことに関し、NL州内でBJP候補者として選出されることを狙う希望者の多くからBJPの配分が少なすぎるとの声が上がっている旨報じた。一方、議席配分は、BJP中央からの勝利に向けた戦略としての決定であり、2018年の州議会選挙時も同様の配分で戦い、NDPPが40議席中17議席、BJPが20議席中12議席を獲得し連立政権を組んだ。


(メガラヤ(ML)州)

●1月18日、当地メディアは、サングマML州首相率いる国民人民党(NPP)とBJPの間に亀裂が生じている旨報じた。2018年の州議会選挙でNPPは、BJPやその他の地域政党と協力関係を持ちつつも、60議席中53議席を単独で候補者を擁立していた。BJPとの関係解消の背景には、アッサム警察特捜部がアッサム州内の警察署に対し、宗教の改宗者や州内のキリスト教会の数を調査させるよう命じていたことがあり、BJPに対しML州住民の不安が募っている。

●1月24日、当地メディアは、現在最大野党として8議席を有する全印草の根会議派(AITC)が、ML州60議席中52議席で候補者を擁立する旨報じた。「ベンガル人の政党」とみなされているAITCであるが、州西部ガロ・ヒルズの部族出身(かつ2010年から2018年までコングレス所属として州首相を務めた)ムクル・サングマ前ML州首相が現在AITCを率いており、部族社会からの支持を集める可能性がある。

●1月26日、当地メディアは、コングレスがML州議会(全60議席)選挙に出馬する候補者55人のリストを公表した旨報じた。うち20人以上が初出馬であり、10人が女性候補である。残る5人の候補者は後日公表予定。

●1月29日、当地メディアは、コングレスが残る5人の候補者を発表した。合計60人の候補者のうち約8割が初出馬であるが、パラML州コングレス代表は、大規模な集会の開催や著名な関係者(Star Campaigners)による選挙活動は実施しないと発表した。


(トリプラ(TR)州)

●1月23日付当地メディアは、TR州議会選挙に向け各政党間の連立交渉が活発化している旨報じた。2021年に結成した先住民進歩地域連盟(TIPRA)は、同じく部族コミュニティに支持層を有するトリプラ部族人民戦線(IPFT)との協力関係の構築を模索している。一方、インド共産党マルクス主義派(CPI(M))とコングレスの連立交渉は最終段階にあるとされている。


(カルナータカ(KR州))

●1月19日、モディ首相は、5月に州議会選挙を控えるKR州のコデカル(Kodekal)を訪れ、灌漑、飲料水、国道開発プロジェクトなど様々な事業の落成式に参加した。モディ首相は1月12日にもKR州を訪れており、今月2回目の訪問。


(ヒマーチャル・プラデシュ(HP)州)

●1月19日付当地メディアは、ラーフル・ガンディー・コングレス元総裁がHP州入りした旨報じた。18日にカングラ地区で開催された集会において演説し、同総裁率いる全国行脚キャンペーン「バーラト・ジョードー・ヤートラ」は、コミュナリズムや対立を煽るBJPやRSSの非人民的政策に対し、国民を一致団結させることを目的としている、と述べた。


(ジャンム・カシミール(JK)準州)

●1月19日、当地メディアは、クマールJK準州選挙管理委員長が、選挙前に行うプロセスは全て完了し、選挙日程は、今後の天候・安全保障・その他の選挙との兼ね合いを考慮し、発表する旨述べた。


(テランガナ(TR)州)

●1月19日、当地メディアは、ラオTR州首相が、昨年10月に全国政党として地盤拡大のため政党名を「テランガナ民族会議(TRS)」から「インド民族会議(BRS)」に変更して以来初となる集会をTR州カマム(Khammam)で集会を18日に開催した旨報じた。ラオ州首相のほか、ヴィジャヤン・ケララ州首相(CPI(M))、ケジリワル・デリー準州首相(AAP)、マン・パンジャブ州首相(AAP)、アキレシュ・ヤーダブSP党首などが出席した。また、ラオ州首相は、2024年の総選挙に向けて、打倒BJPを目指し、CPIやCPI(M)を含めた野党勢力と協力して行く旨述べた。

●1月25日、当地メディアは、連邦下院議員を9期務め、1999年にコングレス所属でオディシャ州首相を務め、2015年にコングレスからBJPに所属替えしたギリダール・ガマング(Giridhar Gamang)元オディシャ(OD)州首相とその息子が、BJPを離れ、ラオ・テランガナ(TS)州首相率いるテランガナ国民会議(TRS)入りした旨報じた。


(ビハール(BR)州)

●1月26日、当地メディアは、1月7日からBR州で開始されたカースト毎の人口調査(Caste-Base Survey,CBS)について、第一段階である世帯数の集計が終了し県行政が1月末までに報告書を提出予定である旨報じた。4月1日から始まる第2段階では、所属カーストや社会経済状況に関する情報が集計される予定。データ収集項目はまだ確定していないものの、土地・不動産所有、教育、雇用、携帯電話やインターネットの利用状況、収入など前例のない詳細な情報が収集される見込み。


(トリプラ(TR)州)

●1月26日、当地メディアは、CPI(M)率いる左翼戦線(Left Front)がTR州議会60議席のうち、CPI(M)が43議席、その他地域政党3党が1議席ずつ候補者を擁立する旨の候補者名簿が公表された旨報じた。残る13議席はコングレスからの候補者を擁立のためとされているがコングレス候補者の名簿は未発表。

●1月29日、当地メディアは、トリプラ王の末裔で、2019年に立ち上げられた先住民進歩地域連盟(TIPRA)の党首であるデブ・バルマ党首が、今次州議会選挙に合計20議席から候補者を選出する旨発表した。内訳は、指定部族(ST)枠から12人、指定カースト(SC)枠から2人、一般選挙区6議席。BJP中央政権からトリプラ自治区の独立の確約が得られなかったことから、TIPRA単独で候補者を選出することとなった。


(ケララ州)

●1月27日、当地メディアは、警察による厳戒態勢が敷かれる中、コングレスが26日にケララ(KL)州ティルバナンタプラムの海岸でBBC制作のドキュメンタリー「India:The Modi Question」の上映会を開催した旨報じた。コングレスは、前日にもKL州北部で上映会を開催しているが、26日の参加者の反応を受け更に今後上映会を実施する予定。


(カルナータカ(KA)州)

●1月1日、当地メディアは、KA州議会全224議席の選挙区において庶民党(AAP)が候補者を選出する旨発表した。間もなくケジリワル・デリー準州首相が州内の選挙活動を開始し、3月1週目には候補者を発表する予定。


(チャンドラ・ボース生誕126周年式典)

●1月23、当地メディアは、モディ首相が、チャンドラ・ボース生誕126周年記念式典にオンライン参加した旨報じた。式典において、モディ首相は、アンダマン・ニコバル諸島の21の島に、軍人に贈られる最高勲章とされるパラム・ヴィール・チャクラ賞歴代の受賞者21人の名前を付ける旨発表した。(モディ首相は、2018年にそれまでロス島と呼ばれた島をネタージー・スバース・チャンドラ・ボース諸島と改名する旨発表しているほか)2021年の125周年において、モディ政権は1月23日を「パラクラム・ディワス(勇気の日)」と命名し、インド門にチャンドラ・ボース像を建立しているが、今回、ネタージー・スバース・チャンドラ・ボース諸島にボース記念碑(National Memorial)を設置するモデル・プランを発表した。


2 経済

●当地報道は、印経済監視センターの発表として、インドの失業率が2022年11月の8%から、12月に8.3%に上昇し、過去16ヶ月で最高の数値を記録した旨報じた。都市部の失業率は前月の8.96%から10.09%に上昇し、農村部では7.55%から7.44%に低下した。


●現地報道によると、昨年12月以降、印商工省国内取引促進局(DPIIT)が新たな産業政策として「Industrial Policy 2022: Make In India For The World」の草案を作成し、関係省庁との協議を実施中。今次草案は約30年ぶりとなり、2023年度予算公表時に発表されるが可能性ある。競争力及び能力の重視、魅力的な投資先としてもインドの促進、グローバルな規模及びグローバルスタンダードの達成によるインド製品のブランド化などの目標が掲げられており、産業の急速な発展に向けての企業の資金調達強化策や産業立地促進案(土地利用管理を強化するために必要な土地法改正等)などが具体的な政策案として検討されている。


3 外交

(印英関係)

1月3日:モディ首相が、英国チャールズ国王と電話会談を実施。チャールズ国王就任以来、モディ首相との電話会談は初。


(印仏関係)

1月5日:第36回印仏戦略的対話をニューデリーで実施。印側からはドヴァル国家安全保障補佐官が出席。


(印ブルガリア関係)

1月1日~2日:ジャイシャンカル外相が、1月1日から3日にかけてオーストリアを訪問。1日にラデフ・ブルガリア大統領を表敬し、2日にシャレンベルク・オーストリア外相と面会。


(印イスラエル関係)

1月5日:ジャイシャンカル外相が、新たに外相に就任したコーヘン・イスラエル外相と電話会談を実施。

1月11日:モディ首相が、ベンヤミン・ネタニヤフ・イスラエル首相と電話会談を実施。


(印エジプト関係)

1月25日:ジャイシャンカル外相が、エルシーシ・エジプト大統領と会談。モディ首相が、エルシーシ・エジプト大統領と会談。また26日、エルシーシ・エジプト大統領は共和国記念日パレードを鑑賞。


(印モロッコ関係)

1月31日:ジャイシャンカル外相が、ブリタ・モロッコ外相と会談。


(印米関係)

1月30日:ドヴァル国家安全保障補佐官が訪米し、サリバン米国家安全保障担当大統領補佐、ミリー統合参謀本部議長、ヒックス国防副長官及びブリンケン国務長官と会談。また、ドヴァル国家安全保障補佐官はサリバン米国家安全保障担当大統領補佐と重要・新興技術に関する印米イニシアチブ(iCET)初の会合を共催。

1月31日:ジャイシャンカル外相が、ヌーランド米国務次官と会談。印米外務当局間会議をニューデリーで開催。印側からクワトラ外務次官が出席。


(印ブラジル関係)

1月5日:ジャイシャンカル外相が、新たに外相に就任したヴィエイラ・ブラジル外相と電話会談を実施。


(印ガイアナ関係)

1月9日:モディ首相が訪印中のイルファーン・アリ・ガイアナ大統領と面会。これは、マディヤ・プラデシュ州インドールで開催された在外インド系ディアスポラを対象とした大会Pravasi Bhartiya Divas(PBD)のサイドラインで実施されたもの。

1月10日:ムルム大統領が、インドールにてイルファーン・アリ・ガイアナ大統領と面会。


(印韓関係)

1月16日:第5回印韓外交政策・安全保障対話を韓国で実施。印側からは、クマール東担当次官が出席。

1月30日:ジャイシャンカル外相が、パク韓国外交部長官と電話会談。


(印タイ関係)

1月30日:ジャイシャンカル外相が、ポラマットウィナイ・タイ副首相兼外相と会談。


(印スリランカ関係)

1月20日:ジャイシャンカル外相がスリランカを訪問し、ウィクラマシンハ大統領、グナワルダナ首相、プレマダーサ野党党首、デバナンダ水産大臣、ラジャパクサ前大統領と会談。


(その他)

1月13日:1月12日から13日に、印が「グローバル・サウス・サミット」をオンラインで主催し、125か国が出席。モディ首相が開会及び閉会セッションにてスピーチを実施。

1月29日:クールシ国連総会議長が訪印し、30日にモディ首相及びジャイシャンカル外相と会談。


4 日印関係

1月11日:斉藤国土交通大臣は、ジョージ駐日インド大使による着任表敬を受けた。


1月12日:1月12日から26日まで、日本の百里基地でインド空軍と日本の航空自衛隊が参加する戦闘共同空軍演習「ヴィーア・ガーディアン2023」が開催された。この空軍演習では、印側部隊からは4機のSu-30MKI、2機のC-17、1機のIL-78が含まれる一方で、航空自衛隊は4機のF-2、4機のF-15をもって参加した。


1月19日:シビ・ジョージ駐日インド共和国大使は信任状を捧呈した。


1月25日:ジャイシャンカル外相が、森昌文総理補佐官と会談。


1月26日:武井俊輔外務副大臣は、科学技術振興機構(JST)の招へいで訪日中のムルティ・インド工科大学ハイデラバード校学長(Prof. Budaraju Srinivasa Murty, Director of Indian Institute of Technology Hyderabad)による表敬を受けた。