1. 内政
【コングレス党動向】
6月6日
コングレス党は、党の最高決定機構である党作業委員会を開催し、10月に同党総裁選挙を実施することを承認した。
【大統領選挙関連】
6月7日
ムカジー大統領の任期終了(7月24日まで)を受け、選挙管理委員会が第15回大統領選挙に関するプレスリリースを発表した。主な日程以下のとおり。
投票日 7月17日(月)
開票日 7月20日(木)
6月19日
アミット・シャーBJP総裁は、ラーム・ナート・コヴィンド・ビハール州知事をBJP率いるNDA政権の次期大統領候補者として指名した。本件決定は、19日に行われたBJP議会理事会の後になされた。シャー総裁は、「モディ首相は、本件につき、ソニア・ガンディー・コングレス党総裁、マンモハン・シン前首相その他の政治指導者に通知した」、「コヴィンド氏の候補についてコンセンサスが得られることを希望している」と述べた。
(メモ)コヴィンド氏は、ウッタル・プラデーシュ州カンプール・デハット出身の71歳(1945年10月1日生)。ダリットの指導者であり、現在ビハール州知事を務める。政界進出前は弁護士として従事。1994年から2006年にかけ、BJP党員として連邦上院議会議員を2期連続務めた。
【連邦議会】
6月13日
モンスーン国会の会期を7月12日から8月11日とするプロポーザルが議会省内閣委員会に提出された。
【北東部の開発】
6月15日
マハジャン下院議長は、マニプール州インパールにおける第16回北東部連邦議会連盟会議において、インドは北東部の発展なしには発展できないと述べ、連邦政府は「アクト・イースト」政策に高い優先度をつけており、北東部は重要なパワーセンターとなる潜在力を有していると述べた。
【副大統領選挙】
6月29日
アンサリ副大統領の任期終了(8月10日まで)を受け、選挙管理委員会が第15回副大統領選挙に関する主な日程を発表した。
候補者の締め切り 7月18日(火)
投票日 8月5日(土)
開票日 8月5日(土)
2.経済
【物品・サービス税(GST)】
6月3日、11日、18日
6月3日、GST委員会の第15回会合が開催され、前回会合では未定であった貴金属(金・銀)、ダイアモンド、ビスケット類、繊維及び靴等に関する税率を決定した。
6月11日、GST委員会の第16回会合が開催され、業界からの意見を踏まえこれまでに決定された税率に関しレビューが行われた。軽減が求められていた133品目に関し、66品目の税率が下方修正され、小規模の企業やレストランのための譲歩的な納税スキームの対象範囲が拡張された。
6月18日、GST委員会の第17回会合が開催され、宝くじに対するGSTの税率が設定された他、観光客の多い州からの要望に応じてホテルの宿泊サービスに対する税率が修正された。また、低下したGST税率から得られる利益を製品価格の引下げに反映することを企業に求める反不当利益行為ルール(anti-profiteering rules)が承認され、今後、ここの企業を検査する常設委員会が設置される。GSTは7月1日から導入予定。
3.外交
【インド・ロシア関係】
5月31~6月2日
モディ首相はロシアを訪問し、サンクトペテルブルク国際経済フォーラムに出席したほか、印露首脳会談が実施された。また、原子力協力等に関する合意文書が交わされたほか、サンクトペテルブルク宣言が発出された。
【インド・フランス関係】
6月2~3日
モディ首相はフランスを訪問し、マクロン・フランス大統領と会談した後、共同プレス発表を行った。
【インド・スリランカ関係】
6月6日~7日
カルナナヤケ・スリランカ外務大臣が訪印し、モディ首相を表敬したほか、スワラージ外相と会談した。
【上海協力機構アスタナ首脳会合】
6月8~9日
モディ首相はカザフスタンを訪問し、上海協力機構(SCO)アスタナ首脳会合に参加した。今次会合において、インド、パキスタンの正規加盟が決定した。また、同会合に併せて、モディ首相は、ナザルバエフ・カザフスタン大統領、習近平中国国家主席、ミルジヨーエフ・ウズベキスタン大統領、ガーニ・アフガニスタン大統領それぞれと会談した。
【インド・カナダ関係】
6月19日
モディ首相はトルドー・カナダ首相と電話会談を行い、両首相は、特に気候変動における相互利益の発展について意見交換を行った。モディ首相は、インドがパリ合意の実施を進める努力をすることを再確認した。
【インド・ポルトガル関係】
6月24日
モディ首相はポルトガルを訪問し、コスタ・ポルトガル首相と会談した後、プレス・ステートメントを発表したほか、宇宙分野における提携等の合意文書が署名された。
【インド・米国関係】
6月26日
モディ首相が米国を公式訪問。同日に、米印首脳会談、共同記者会見、ワーキングディナー、ティラソン国務長官、マティス米国防長官のモディ印首相表敬が行われた。
【インド・オランダ関係】
6月27日
モディ首相は訪蘭し、ルッテ蘭首相と会談した後、印蘭共同コミュニケが発出された。両首脳は、テロとの戦い及び過激主義の防止にコミットすることを再確認したほか、オランダはインドのNGSへの早期加盟及び国連安保理常任理事国入りを支持した。
4.日印関係
【インド高速鉄道に関する第5回合同委員会】
6月14日
東京において、インド高速鉄道に関する第5回合同委員会が開催された。
第5回会合の日本側代表団には、日本側の共同議長を務める和泉洋人内閣総理大臣補佐官を団長として、関係各省(外務省、財務省、経済産業省、国土交通省)の次官・局長級幹部が参加し、インド側代表団には、アルビンド・パナガリヤ行政委員会副委員長(インド側の共同議長)を始め、鉄道省、外務省等の関係各省の次官級が参加。
第5回合同委員会では、プロジェクトの円滑な推進のためのモニタリングの仕組みについて議論するとともに、メイク・イン・インディア(インドにおける現地生産)や人材育成など、ムンバイ・アーメダバード間高速鉄道計画の進捗が確認された。また、本年あり得べき首脳会談に向けて、両国間で作業を行っていくことで一致。
日本政府としては、ムンバイ・アーメダバード間高速鉄道への新幹線システムの導入の実現に向け、引き続き両国間で取り組んで行く考え。
今月の注目点:日印原子力協定
6月7日、日印原子力協定は、参議院本会議において可決され、国会による承認を得た。
【背景】2008年、インドは「約束と行動」と呼ばれる核実験モラトリアム等の政策を表明し、原子力の平和的利用を進める固い決意を表明。これを前提として、原子力供給国グループ(NSG)は、核兵器不拡散条約(NPT)を締結していないインドへの原子力関連資機材等の移転を例外的に可能とする旨を決定した。これまでに米・仏を始めとする9か国がインドとの原子力協定を締結している。インドでは、2022年には世界一(約14億人)となる人口増加と経済成長が見込まれ、高い電力需要がある。インドは、2050年までに総電力供給の25%を原子力とすることを目指し、高い技術を持つ日本との協力を強く希望していた。
【主な内容】両国間の原子力の平和的利用分野における協力を実現する上で必要となる法的枠組みを定めるもの(特定のビジネスやプロジェクトについて取り決めるものではない)。具体的には以下のとおり。
① 核物質等の平和的目的に限った利用 【第3条】
② 国際原子力機関(IAEA)による保障措置の適用 【第4条】
③ 核物質等に関する情報の交換 【第5条】
④ 核物質等の防護措置の確保 【第7条】
⑤ インドにおける再処理 【第11条】
⑥ 協定の終了、協力の停止、再処理の停止等 【第14条】
【意義】日印原子力協定の発効は、戦略的に最も重要なパートナーの一つであるインドとの関係を深化・拡大につながるもの。また、原子力の平和的利用についてインドが責任ある行動をとることを確保し、NPTを締結していないインドを国際的な不拡散体制に実質的に参加させることにつながる。
【コングレス党動向】
6月6日
コングレス党は、党の最高決定機構である党作業委員会を開催し、10月に同党総裁選挙を実施することを承認した。
【大統領選挙関連】
6月7日
ムカジー大統領の任期終了(7月24日まで)を受け、選挙管理委員会が第15回大統領選挙に関するプレスリリースを発表した。主な日程以下のとおり。
投票日 7月17日(月)
開票日 7月20日(木)
6月19日
アミット・シャーBJP総裁は、ラーム・ナート・コヴィンド・ビハール州知事をBJP率いるNDA政権の次期大統領候補者として指名した。本件決定は、19日に行われたBJP議会理事会の後になされた。シャー総裁は、「モディ首相は、本件につき、ソニア・ガンディー・コングレス党総裁、マンモハン・シン前首相その他の政治指導者に通知した」、「コヴィンド氏の候補についてコンセンサスが得られることを希望している」と述べた。
(メモ)コヴィンド氏は、ウッタル・プラデーシュ州カンプール・デハット出身の71歳(1945年10月1日生)。ダリットの指導者であり、現在ビハール州知事を務める。政界進出前は弁護士として従事。1994年から2006年にかけ、BJP党員として連邦上院議会議員を2期連続務めた。
【連邦議会】
6月13日
モンスーン国会の会期を7月12日から8月11日とするプロポーザルが議会省内閣委員会に提出された。
【北東部の開発】
6月15日
マハジャン下院議長は、マニプール州インパールにおける第16回北東部連邦議会連盟会議において、インドは北東部の発展なしには発展できないと述べ、連邦政府は「アクト・イースト」政策に高い優先度をつけており、北東部は重要なパワーセンターとなる潜在力を有していると述べた。
【副大統領選挙】
6月29日
アンサリ副大統領の任期終了(8月10日まで)を受け、選挙管理委員会が第15回副大統領選挙に関する主な日程を発表した。
候補者の締め切り 7月18日(火)
投票日 8月5日(土)
開票日 8月5日(土)
2.経済
【物品・サービス税(GST)】
6月3日、11日、18日
6月3日、GST委員会の第15回会合が開催され、前回会合では未定であった貴金属(金・銀)、ダイアモンド、ビスケット類、繊維及び靴等に関する税率を決定した。
6月11日、GST委員会の第16回会合が開催され、業界からの意見を踏まえこれまでに決定された税率に関しレビューが行われた。軽減が求められていた133品目に関し、66品目の税率が下方修正され、小規模の企業やレストランのための譲歩的な納税スキームの対象範囲が拡張された。
6月18日、GST委員会の第17回会合が開催され、宝くじに対するGSTの税率が設定された他、観光客の多い州からの要望に応じてホテルの宿泊サービスに対する税率が修正された。また、低下したGST税率から得られる利益を製品価格の引下げに反映することを企業に求める反不当利益行為ルール(anti-profiteering rules)が承認され、今後、ここの企業を検査する常設委員会が設置される。GSTは7月1日から導入予定。
3.外交
【インド・ロシア関係】
5月31~6月2日
モディ首相はロシアを訪問し、サンクトペテルブルク国際経済フォーラムに出席したほか、印露首脳会談が実施された。また、原子力協力等に関する合意文書が交わされたほか、サンクトペテルブルク宣言が発出された。
【インド・フランス関係】
6月2~3日
モディ首相はフランスを訪問し、マクロン・フランス大統領と会談した後、共同プレス発表を行った。
【インド・スリランカ関係】
6月6日~7日
カルナナヤケ・スリランカ外務大臣が訪印し、モディ首相を表敬したほか、スワラージ外相と会談した。
【上海協力機構アスタナ首脳会合】
6月8~9日
モディ首相はカザフスタンを訪問し、上海協力機構(SCO)アスタナ首脳会合に参加した。今次会合において、インド、パキスタンの正規加盟が決定した。また、同会合に併せて、モディ首相は、ナザルバエフ・カザフスタン大統領、習近平中国国家主席、ミルジヨーエフ・ウズベキスタン大統領、ガーニ・アフガニスタン大統領それぞれと会談した。
【インド・カナダ関係】
6月19日
モディ首相はトルドー・カナダ首相と電話会談を行い、両首相は、特に気候変動における相互利益の発展について意見交換を行った。モディ首相は、インドがパリ合意の実施を進める努力をすることを再確認した。
【インド・ポルトガル関係】
6月24日
モディ首相はポルトガルを訪問し、コスタ・ポルトガル首相と会談した後、プレス・ステートメントを発表したほか、宇宙分野における提携等の合意文書が署名された。
【インド・米国関係】
6月26日
モディ首相が米国を公式訪問。同日に、米印首脳会談、共同記者会見、ワーキングディナー、ティラソン国務長官、マティス米国防長官のモディ印首相表敬が行われた。
【インド・オランダ関係】
6月27日
モディ首相は訪蘭し、ルッテ蘭首相と会談した後、印蘭共同コミュニケが発出された。両首脳は、テロとの戦い及び過激主義の防止にコミットすることを再確認したほか、オランダはインドのNGSへの早期加盟及び国連安保理常任理事国入りを支持した。
4.日印関係
【インド高速鉄道に関する第5回合同委員会】
6月14日
東京において、インド高速鉄道に関する第5回合同委員会が開催された。
第5回会合の日本側代表団には、日本側の共同議長を務める和泉洋人内閣総理大臣補佐官を団長として、関係各省(外務省、財務省、経済産業省、国土交通省)の次官・局長級幹部が参加し、インド側代表団には、アルビンド・パナガリヤ行政委員会副委員長(インド側の共同議長)を始め、鉄道省、外務省等の関係各省の次官級が参加。
第5回合同委員会では、プロジェクトの円滑な推進のためのモニタリングの仕組みについて議論するとともに、メイク・イン・インディア(インドにおける現地生産)や人材育成など、ムンバイ・アーメダバード間高速鉄道計画の進捗が確認された。また、本年あり得べき首脳会談に向けて、両国間で作業を行っていくことで一致。
日本政府としては、ムンバイ・アーメダバード間高速鉄道への新幹線システムの導入の実現に向け、引き続き両国間で取り組んで行く考え。
今月の注目点:日印原子力協定
6月7日、日印原子力協定は、参議院本会議において可決され、国会による承認を得た。
【背景】2008年、インドは「約束と行動」と呼ばれる核実験モラトリアム等の政策を表明し、原子力の平和的利用を進める固い決意を表明。これを前提として、原子力供給国グループ(NSG)は、核兵器不拡散条約(NPT)を締結していないインドへの原子力関連資機材等の移転を例外的に可能とする旨を決定した。これまでに米・仏を始めとする9か国がインドとの原子力協定を締結している。インドでは、2022年には世界一(約14億人)となる人口増加と経済成長が見込まれ、高い電力需要がある。インドは、2050年までに総電力供給の25%を原子力とすることを目指し、高い技術を持つ日本との協力を強く希望していた。
【主な内容】両国間の原子力の平和的利用分野における協力を実現する上で必要となる法的枠組みを定めるもの(特定のビジネスやプロジェクトについて取り決めるものではない)。具体的には以下のとおり。
① 核物質等の平和的目的に限った利用 【第3条】
② 国際原子力機関(IAEA)による保障措置の適用 【第4条】
③ 核物質等に関する情報の交換 【第5条】
④ 核物質等の防護措置の確保 【第7条】
⑤ インドにおける再処理 【第11条】
⑥ 協定の終了、協力の停止、再処理の停止等 【第14条】
【意義】日印原子力協定の発効は、戦略的に最も重要なパートナーの一つであるインドとの関係を深化・拡大につながるもの。また、原子力の平和的利用についてインドが責任ある行動をとることを確保し、NPTを締結していないインドを国際的な不拡散体制に実質的に参加させることにつながる。