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Japan-India News

Japan-India News (November 2022-December 2022)

Posted January 27, 2023



1 内政

(最高裁)

●11月7日、インド最高裁は、これまで留保制度の対象外であった上位カースト内の経済的弱者に対する、教育機関及び政府職における10%の留保枠の確保に関し、3対2の賛成多数でその有効性を支持した。


(中央政府)

●12月2日、現地メディアは、7日から開始される冬期国会向け、中央政府は、16法案を提出予定である旨報じた。

●12月24日、冬期国会が閉会した。

 

(コングレス)

●12月3日夜、全国行脚キャンペーン中のラーフル・ガンディ元コングレス総裁が、ラジャスタン州入りした。州内では行脚ルートに沿って、ポスター設置などの準備が進められているが、ゲーロットRJ州首相とパイロット州議会議員との内紛が報じられている中パイロット支持者が設置した掲示板を県行政が撤去するなど、コングレスの内紛が継続している。

●12月24日、ラーフル元コングレス総裁主導による全国行脚キャンペーン(Bharat Jodo Yatra)一行がデリー入りした。


(RSS)

●11月16日、モーハン・バグワットRSS総裁は、(ムスリムやキリスト教徒含め)インドに暮らす全ての人は「ヒンドゥー」であり、全てのインド人のDNAは同じであると述べ、誰も信仰の形を変更する必要は無いと主張。同総裁は、ヒンドゥーの定義について、インドを「母なる大地」と考え、宗教、文化、言語、食習慣、イデオロギーに関係なく、多様性の中の統一を望み、それに向け努力する全ての人々であると述べた。

●11月28日、ビハール州を訪問中のバグワットRSS総裁が、RSSメンバーを対象とした会合において講演し、インドに住んでいる人々は皆ヒンドゥー教徒(Hindus)であることを理解するべきであり、ヒンドゥトゥワは、何世紀にも渡り受け継がれてきた文化を称するものであると述べた。


(グジャラート(GJ)州)

●12月8日、インド選挙管理委員会はGJ州議会選挙結果を発表した。全182議席中156議席をBJPが獲得した。

●12月12日、現地メディアは、ブペンドラ・パテルGJ州首相が、州首相に再任され宣誓式が行われた旨報じた。

●12月14日に行われたBJP党員の会合において、モディ首相は、グジャラート州BJP代表のCRパテル下院議員の手腕を評価し、今後選挙が行われる他州においてもGJ州の選挙モデルにならい州議会選挙に向けて対策を行うよう呼びかけた。


(ヒマーチャル・プラデシュ(HP)州)

●12月8日、インド選挙管理委員会は、HP州議会選挙結果を発表した。全68議席中コングレスが40議席、BJPが25議席獲得した。

●12月10日、現地メディアは、スクビンダル・シン・スクーHP州コングレス選挙対策委員長が、HP州首相に就任し宣誓式が行われた旨報じた。


(ジャンム・カシミール(JK)準州)

●11月26日、ジャンム・カシミール(JK)準州選挙管理委員長が新たに登録された最終選挙人名簿総数を発表、有権者総数として7万7,200人増となる835万9,771人が登録された。

●12月12日、ジャンム・カシミール(JK)準州北カシミールで地区開発評議会(District Development Council)の補欠選挙結果が発表された。以前は武装勢力の活動が相当数発生していた地域において、国民会議(NC)候補が3259票を獲得し勝利したもののBJP候補者が4位につけ、コングレス候補者の746票やPDPの612票よりも多い887票を獲得し、次期準州議会選挙の準備が進められているJK準州においてBJPが一定の支持を得てこれまでとは異なる政治動向が見られた。

●BJP主要幹部が、2023年5月頃にジャンム・カシミール準州議会選挙が実施される可能性を示唆した。


(ラジャスタン(RJ)州)

●11月24日、ゲーロットRJ州首相(コングレス)が、NDTVのインタビューに応じ、「サチン・パイロット州議会議員(コングレス)は裏切り者であり、次期州首相候補にはなり得ない。BJP側から1億ルピーの見返りを受けている」と非難した。パイロット側は「根拠が無く全くの誤りである」と述べており、来年州議会選を迎えるRJ州内コングレス内における内紛が報じられている。

●12月1日、現地メディアは、ナッダBJP総裁が、ラジャスタン州ジャイプールで行われたBJP関係者の会合において、RJ州の開発に遅れているのは「州政権がダブル・エンジン(中央と州が同じ政党で運営)」ではないことが原因であると述べ、次期州議会選挙ではBJPに投票するよう呼びかけた。


(グジャラート(GJ)州)

●11月26日、ナッダBJP総裁は、BJPのGJ州選挙マニフェストを発表した。マニフェストでは、2036年インド・オリンピック招致に向けた「GJ州オリンピック・ミッション」の設置、テロ対策部門の設置、統一民法(Uniform Civil Code)の導入、1兆ルピー州経済の実現、200万人の新規雇用の実現、女子児童への無償教育の実現等が挙げられた。


(ビハール(BR)州)

●12月16日、ニティシュ・クマールビハール州首相(自民党統一派、JDU党首)が、テジャスリ・ヤーダブBR州副州首相(国民主義人民党、RJD)を2025年の州議会選挙に向けた政党連合(MGB)の代表に据える意向と述べた。


(トリプラ(TR)州)

●12月18日、モディ首相がトリプラ州アガルタラにおいて合計1000億ルピーの道路連結性開発パッケージなどの開発プロジェクトの開始を発表した。


(メガラヤ(ML)州)

●12月18日、現地メディアは、モディ首相が、ML州シロンで開催された北東協議会(NEC)の50周年を記念式典に参加し、メガラヤ州・マニプール州、アルナチャル・プラデシュ州における合計245億ルピーの道路事業等のプロジェクトの発足を発表した。


2 経済

●12月7日、インド準備銀行(RBI)は12月5日~7日に開催した金融政策決定会合(MPC)の結果を公表した。・政策金利であるレポレートは、35bps利上げし、6.25%となった。利上げは5会合連続(5月の臨時会合含む)。利上げ及び利上げ幅はおおむね市場予想どおり。政策スタンスについて、引き続き「緩和的」を維持。おおむね市場予想どおり。国内経済の今後の見通しについて、インフレ率は2023年第1四半期まで、6%近くまたはそれを超えて推移、2023年9月にインフレ圧力は緩和すると考えられるが、政策目標(4%)を大きく超える水準に留まるとした。成長率見通しは、消費面、生産面は力強いとしつつも、地政学的緊張等が見通しに大きな影響を与えていると指摘し、2023年10ー12月期以降について総じて引き下げた。

3 外交

(印露関係)

11月8日

●ジャイシャンカル外相がロシアを訪問し、ラブロフ露外相及びマントゥロフ副首相兼露産業商務大臣と会談。

12月16日

●モディ首相が、プーチン大統領と電話会談。


(印ベラルーシ関係)

11月9日

●ジャイシャンカル外相が、マケイ・ベラルーシ外相と会談。


(印ASEAN関係等)

11月11日

●ダンカル副大統領がカンボジアを訪問し、ASEAN・印記念サミットと第17回東アジア首脳会議に出席。また、シハモニ・カンボジア国王、フン・セン・カンボジア首相、チュム・カンボジア上院議長とも会談。


(米印関係)

11月13日

●ジャイシャンカル外相が、ASEAN印首脳会談のサイドラインでブリンケン国務長官と会談。


(国連)

12月14日

●ジャイシャンカル外相がニューヨークで、クールシ国連総会議長、山田外務副大臣と会談。

●ジャイシャンカル外相が国連安保理で、「マルチラテラリズム改革の新たな方向性(New Orientation for Reformed Multilateralism )」のテーマのもと大臣級会合の議長を務めた。

12月15日

●ジャイシャンカル外相が国連安保理で、「テロ対策に向けたグローバル・アプローチ(Global Approach to Counter Terrorism)」のテーマのもと大臣級会合の議長を務めた。


(G20)

11月14日

●モディ首相が、14日から16日までインドネシア・バリを訪問し、第17回G20首脳会談に出席。15日、サイドラインでバイデン米大統領、ウィドド尼大統領と会談。ウィドド大統領主催夕食会で習国家主席と面会。16日、リー星首相、マクロン仏大統領、ショルツ・独首相、メローニ伊首相、アルバニージー豪首相、スナク英首相と会談。

12月1日

●インドが、正式にG20議長国に就任。


(印シリア関係)

11月18日

●ミクダード・シリア外相が訪印し、ダンカル副大臣及びジャイシャンカル外相と会談。


(印UAE関係)

11月21日

●アブダッラーUAE外務・国際協力相が訪印し、ジャイシャンカル外相と会談。

●ジャイシャンカル外相がUAEを訪問し、インド・グローバル・フォーラムに出席。

●ジャイシャンカル外相が、アブダッラーUAE外相と会談。


(印エジプト関係)

11月27日

●エルシーシ・エジプト大統領が来年の印共和国記念日に主賓として招待される旨発表。


(印仏関係)

11月28日

●ルコルニュ仏国防大臣が訪印し、ジャイシャンカル外相と会談。


(印尼関係)

11月29日

●ドバル国家安全保障補佐官の招待で、マフッド・インドネシア政治・法務・治安担当調整大臣が訪印し、異教徒間の文化的平和、社会的調和におけるウラマーの役割についてのセミナーに出席。ジャイシャンカル外相と会談。


(印独関係)

12月5日

●ベアボック独外相が訪印し、ジャイシャンカル外相と会談。


(印カナダ関係)

●ジャイシャンカル外相が、ジョリー・カナダ外相と電話会談。


(印ウクライナ関係)

12月26日

●モディ首相が、ゼレンスキー・ウクライナ大統領と電話会談を実施。


(印キプロス関係)

12月29日

●12月29日から31日にかけて、ジャイシャンカル外相が、キプロスを訪問。2022年は印・キプロス国交樹立60周年。


4 日印関係

11月18日

●武井俊輔外務副大臣は、日印戦略対話(トラック2)出席のため訪日中のインド人有識者(タルン・ダース氏ほか)による表敬を受けた。


11月23日

●デリーにおいて、日印トラック1.5対話「第5回日印インド太平洋フォーラム」がハイブリッド形式で開催された。今回のフォーラムでは、「日本とインド:世界秩序に対する挑戦への対応とインド太平洋の安定の支え」のテーマのもと、日印両国の政府関係者及び有識者により活発な議論が行われた。公開セッションとなった「インド太平洋秩序の形成における日印の力とポテンシャル」のセッションでは、林芳正外務大臣及びスブラマニヤム・ジャイシャンカル・インド外務大臣がビデオ・メッセージを発出した。林大臣は、メッセージの中で、国際秩序が多くの挑戦に直面している中、基本的価値と戦略的利益を共有する日印の協力、連携が益々重要になっている旨述べた。また、本年が日印外交関係樹立70周年であることや、本年3月の岸田文雄内閣総理大臣インド訪問時に両首脳間で一致した、今後5年間における5兆円の官民投融資の目標に触れつつ、日印間の経済関係や人的交流の進展への期待を表明した。さらに、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の実現に向けて、日印の二国間協力や、日米豪印での協力を推進したい旨述べ、2023年は、インドが日米豪印外相会合をホストし、G20議長国を務め、日本がG7議長国を務め、国連安保理にも加わるという重要な一年であり、ジャイシャンカル外相と協力していきたい旨述べた。


12月5日

●武井俊輔外務副大臣は、経団連との協議のため訪日中のインド工業連盟代表団(サチット・ジェイン氏ほか)による表敬を受けた。


12月6日

●武井外務副大臣は、ジョージ駐日インド大使による着任表敬を受けた。


12月15日

●インド・デリーにおいて、山田重夫外務審議官とヴィナイ・モハン・クワトラ・インド外務次官の間で日・インド外務次官級政務協議が開催された。