Chairman's Message


#  私はこのたび、故安倍晋三前会長の後任として、日印協会の第9代会長に就任しました。
今年は、日印協会が明治36年に創立されて以来120年の節目に当たります。日印協会は、先達が当時英国植民地であったインドと直接交流する目的で創設した伝統ある団体です。
この歴史ある協会の会長は大役であります。しかし、20年以上会長を務められた森喜朗元総理と安倍晋三元総理の後任会長ということで、これはお受けしなければいけないと思いました。

 私が総理大臣在任中にはインドに行く機会がありませんでしたが、安倍晋三総理のあとを引き継ぎ、モディ首相とは何度も会っております。昨年も5月と9月に会いましたが、その都度互いに胸襟を開き親交を深めながら、「自由で開かれたインド太平洋構想」のもと、「インド洋と太平洋の二つの海の交わり」で繫がった、自由と民主主義および法の支配、という共通の価値観を有する、世界でも稀な二国間関係を大切に思い発展させてきました。
森元総理が2000年に発足させた、「21世紀における日印グローバルパートナーシップ」が、安倍元総理のときに、「特別 戦略的 グローバル パートナーシップ」に発展し、戦略的パートナーであるインドとの関係を、政治、安全保障、貿易、投資、人的交流などあらゆる分野で強化することに尽力しており、そこは今後も引続き進めていかなければなりません。

 今年は、日本がG7の議長国、またインドがG20の議長国、共に手を携えて世界をリードし、この二国間の共存共栄が、ひいてはアジア太平洋地域全体の平和と繁栄のためになるべく、これからも益々協力し合わなくてはなりません。
世界が様々な危機に直面するこのタイミングで、日印両国の大きな架け橋の一つである日印協会の会長職をお引き受けしたことが、まさに天命であると安倍晋三前会長も仰っていましたが、そのご遺志を継いで私も全力を尽くしてまいりたいと考えています。どうか会員の皆様の御支援と御協力をお願いいたします。


公益財団法人日印協会
会長 菅 義偉