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インド新大統領に、ラム・ナート・コヴィンド氏が選出

7月20日(木)にインド国会において新たな大統領が選任された。
大統領は、国会議員と州議会議員による選挙で選任されるが、7月17日投票の結果、与党インド人民党(BJP)有力者で同党 が推薦した、ラム・ナート・コヴィンドRam Nath Kovindo前ビハール州知事(大統領が任命する自らの州における名代)が、野党コングレス党推薦のミーラ・クマール元下院議長の倍近くの得票率65.7%を獲得して当選した。
7月25日(火)にコヴィンド大統領の就任式が予定され、就任の宣誓を行う予定。同式典には、副大統領(上院議長を兼ねる、近々8月に改選予定)、首相、最高裁長官、下院議長、閣僚、各州首相、州知事、上下両院議員及び軍・治安部隊の長のほか、平松賢司大使など各国大使が外国代表として出席予定。

大統領は国家元首であり、任期は5年。首相を長とする内閣とともに連邦行政府を構成するが、憲法上大統領には首相任命権、議会解散権、非常時における大統領の州に対する直轄統治、軍の最高司令官としての権限が認められている。通常は国家統一の象徴としての名目上の地位で儀礼的な役割を担う。従って、実際上の行政権は内閣にある。

同氏は1945年10月ウッタルプラデシュ(UP)州カンプール生まれの71歳。ダリット(旧アウトカースト階層、法的には指定カーストと呼称)出身者としては、1997年就任のナラヤナン大統領に次いで二人目。但しナラヤナン大統領はコングレス党出身で、両者の思想傾向は異なると思われる。
コヴィンド新大統領は、1998年当時、BJPダリット戦線(BJP Dalit Morcha)の代表を務めるなどダリットの指導者として知られた。今回の選挙で対抗馬であった、ミーラ・クマール元下院議長もダリット出身であることから、『ダリット対決』と言われた。当選後の21日付けのTimes of Indiaでは、「コヴィンドの旅:雨漏りのする小屋から340室の宮殿へ」という記事で貧しい被差別階層出身ながら大統領にまで上り詰めたことが紹介されていた。
政界進出前は、デリー高等裁判所および最高裁判所での弁護士を16年間務めた。
インドの民主主義の成熟度、カースト差別克服への戦いなどインド政治の近代化への歩み、内政のダイナミズムを象徴する出来事と解釈される。

新大統領を祝福するモディ現首相 写真:PMINDIAより