
インドはここ数年来目覚しい発展を遂げてきましたが、最近では21世紀の大国として、
政治面のみならず経済面でもその存在感が急速に増しております。わが国にとっても、
親日国インドは、二国間のみならず国際場裏においても、一段と重要な存在となってまいりました。
9年前の2000年8月、私は総理大臣として、当時核実験で冷え込んでいた両国関係を打開すべくインドを訪問し、 関係を修復するとともに、21世紀における「日印グローバル・パートナーシップ」の構築に合意しました。
以来、政治、経済、文化等各方面での要人の往来も活発となり、インドからはヴァジパイ首相や マンモハン・シン首相、我が国からは小泉総理や安倍総理も訪印し、私も毎年のようにインドを訪れています。
我が国は民主党政権になりましたが、鳩山総理はインドと親しく、就任早々これまでマンモハン・シン首相と 2度にわたり会談するなどインド重視姿勢を明らかにしております。
現在では、両国関係は新時代にふさわしく、「グローパル・パートナ―」を超えて「戦略的グローバル・パートナー」となっております。
日印間では、多くの閣僚のほか、与野党の政治家、経済界や学術文化界の指導者が次々と相互訪問を行い、 また各種の国際会議の際に緊密な協議や協力を行っております。
貿易も拡大しており、両国間の経済を総合的に増進する経済連携協定(EPA)の締結交渉も間もなく妥結するものと期待します。
投資も双方向で拡大しつつありますが、特に日本からのインドへの進出は目覚ましいものがあり、インドに進出した日本企業も 今や600社になろうとしております。
インドは、わが国の政府開発援助(ODA)の最大の受け取り国となり、各地での地下鉄建設や電力などのインフラ建設、貧困対策、森林や水等の環境問題に大きく貢献しております。
両国の間では、デリーとムンバイを結ぶ新たな貨物専用線の建設計画、その貨物新線に沿ってデリーとムンバイの間に 24の産業クラスターをつくる壮大な産業大動脈構想が進んでおります。
インドは今や新興国の雄としてG20(主要20カ国会議)の重要なパートナーとなりました。
両国は、民主主義を信奉するなどの価値観を共有するのみならず、安全保障上の利害も共にするパートナーです。
また、世界の指導国として両国は、世界が直面する地球温暖化問題、核軍縮や核不拡散、国際的なテロ対策、 世界的規模での伝染病対策などに貢献する責務があります。
このような日印関係でありますが、両国の重みや潜在力にふさわしい関係を築くためには、更に多くの努力が必要と思われます。
私が故櫻内義雄元衆議院議長より引き継いだ(財)日印協会は、法人および個人会員の増加もあり、ここ2年間で見違えるように強化されました。
106年も前に日印両国民の交流が将来のアジアの発展には不可欠として、当時まだ英領であったインドとの交流協会として日印協会を設立、 両国関係の絆を深めてこられた大隈重信侯や澁澤榮一翁等に始まる諸先輩に対し、多少とも胸を張れるようになりました。
しかし、協会活動のさらなる活性化のためには、インドに関係する内外の諸機関や団体あるいは草の根での協力と連携が不可欠と考えています。
また、協会の組織や事務局の強化と財政基盤の拡充が必要です。昨年12月に公益法人改革に関する新たな法律が施行されたために、 協会は新たな法律の下での公益財団法人として認可を受ける必要もございます。
私を始め協会の関係者は、新たな意気込みでこの栄えある協会を再活性化しようとしております。
協会が日印関係の増進とインドに関係する皆様のお役に立てるようにするためには、会員の人的・財政的基盤の強化が必要でございます。
長年協会を支援していただいてきた会員や会員企業には心から感謝申し上げますとともに、更なるご支援をいただければこの上ない幸甚と存じます。
また、インドに進出、また進出を計画されている企業でこれまで当協会と関係をお持ちでない皆様や、インドにご関心をお持ちの方々が、 新たに会員となっていただけることを期待しております。
私や理事長以下いつでも皆様のお役にたてる心づもりでおりますので、何なりとお申し付けください。
先ずは書面にて会長としての抱負を申し上げますとともに、皆様の御理解と御協力をお願い申し上げる次第でございます。
皆様方のご健勝とご発展をお祈り申し上げます。